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手探りで場をつくるって難しいけどおもしろい

1年ほど前から、夫と古民家で小さな場を運営しています。わたしが会社を辞めようか悩んでいた時に縁あって借りられることになった庭付きの小さな平屋。戦後に建てられたそうで築75年ほど。近くに電車が2路線通っているし、かなり便利な古民家です。

大家さんも寛容な人で、業者を呼ぶ大がかりな工事でなければ好きに改修してOK。若い方なので用事があればLINEでやり取りするゆるさです(笑)

古民家を借りてからは、DIY好きな夫が自分で壁をはがして漆喰や土壁を塗ったり自分で本棚を作ったり、建具を買ってきてカウンターテーブルを作ったり、扉を増やしたり格子窓を作ったり…。自由にさせてもらえるありがたさを感じつつ、夫のDIY力がめきめきとアップしていて本当にすごいなと感心しています。

わたしも壁を塗ってみたい気持ちはあるのですが、当時は仕事を辞めて全国飛び回っていて不在にしていたのと、素人のわたしは戦力外のようで出番はなく…。かなりの範囲を夫ひとりで塗っていました。家に数十キロの漆喰や土壁が届くし、どんどん養生も塗りも上手くなっていくし、もはや左官職人と言っても過言ではないレベル。夫が仕事で左官職人の方とご一緒したときに、塗るのが上手くて驚かれたそうです。(笑)

繊維壁を剥がして養生するのが1番大変らしい
この部屋は白の漆喰で仕上げ。
ほかの部屋は土壁やブレンドした壁に。

雨漏りを経験して修理してもらったこともあるし、冬は屋内だけど息が白くて外のような気温。夫が窓を二重にしてくれるなど、少しずつ環境が改善されてきています(感謝すぎる)。あとはエアコンと灯油ストーブを駆使したら、けっこう快適!
車がないので自転車で灯油を買いに行っていて、ガソリンスタンドの方にもさすがに顔を覚えられていると思います。都会にいるはずなのになぜかアナログな暮らしを送っていて、それもまたおもしろい。

ふたりとも古道具が好きで、近隣の古道具屋でテーブルや棚などを買い揃えて少しずつ場を作ってきました。旅先でも古道具屋があるとつい入ってしまって、一期一会の出会いを楽しんでいます。特に長野に行くと、リビセンをはじめとして古道具屋を巡りがち。車を持っていないので、小さめのものは頑張って手で持って帰るし、配送をお願いしたら買った金額より送料の方が高いということもありました。古道具は一点モノなので、一目惚れしたら基本的には買う選択をします。

はじめは昭和な懐かしい雰囲気の古民家でしたが、手を入れるうちにいい感じに。わたしの中に古民家で場を開くという目標がありましたが、ほかの仕事をしながら作業を進めていたのですぐに完成する気配はなく、まだ未完成だけど試しに開けちゃえ!とひっそりお店としてオープンし始めました。そこからさらに手を入れて、日々空間がパワーアップしています。

before
after

夫婦ともにフリーランスとして働いているので、普段は事務所として仕事をしていることが多いです。月に数回ほど、ふたりで予定が合うタイミングで本とあたたかいお茶を楽しむ場所としてオープンしています。住所は公開していなくてインスタのみの告知なので、かなり来るハードル高めなのですが、それでも見つけて足を運んでくださる方がいるのでうれしいです。

最近は夫が作ったカウンター席にモニターを並べて仕事をしていて、ふたり事務所感が出てきてなんだかたのしい。

before
after

今月はイベントもいくつか企画していて、ちょうどわたしが仕事を辞めようか悩んでいる時に立ち上がったコミュニティ「むしょく大学」とのコラボイベントも開催します。キャリアブレイクしている人、しようか悩んでいる人で集まって、ちゃぶ台を囲んでゆるゆるお話する予定。どんな人が来てくれるのかとてもたのしみです☺️

自分たちの手で心地いい場をつくるってすごくおもしろいし、いつも手探りで実験みたいな感じ。開けていても人が来ないという日もたまにあるけど、どうしたら自分たちが来てほしい人に届くかなあと考える機会になっていい勉強になっています。

作りこんで盛大にオープンするのもいいけど、わたしたちには少しずつ試しながら場を作っていくスタイルが合っているかもしれない。これからも焦らずじっくり場を育てていきたいなと思います🌿


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