利益が出ているのに倒産するってどういうこと?黒字倒産についてわかりやすく説明します
前回の記事では、「会社が倒産するって、何がどうなること?」ということをお話させていただきました。
結論は、「支払わないといけないお金が支払えなくなったときに倒産する」
ということ、でしたね。
今回はその続きです。
実は、世の中には不思議なことがありまして、
「利益が出ているのに倒産してしまう」
ということがあります。
「利益が出ていたら、倒産するわけないでしょ」
こう思いますよね。
でも実際に「利益が出ているのに倒産してしまう」というのは発生しているのです。
具体的な会社名を言いますと、
・株式会社アーバン・コーポレイション
・江守グループホールディングス
など。
なぜ、「利益が出ているのに倒産してしまう」のか、
前回の記事をご覧になった方ならなんとなく推察できるのではないでしょうか。
倒産するのは、赤字や債務超過だからではないですね。
お金を支払えなくなったから倒産するのです。
分かりやすいように、数値例を入れて考えてみましょう。
【数値例】
①2022年4月1日に商品を100万円仕入れた。仕入代金は2022年4月30日に支払う。
②2022年4月15日に商品を150万円で販売した。売上金は2022年6月15日に入金される。
①②において、各月のPLとCFがどうなるかというと、こうなります。
6月は、PLとCFは一致しますが、4月と5月は仕入代金の支払が先にくるので、PLは利益が出ていますが、CFはマイナスになってしまっています。
この仕入代金が支払えない場合、会社は倒産してしまいます。
では、黒字倒産を防ぐためにはどうすればよいのでしょうか?
それは、「入出金状況を把握する」ということと、
「資金調達力を強化する」
これに尽きます。
「入出金状況を把握する」は、要するに「資金繰り表を作って入出金を管理しましょう」ということです。
商品を販売したら「いつまでに」「いくら」の入金があるのか、商品を仕入れたら「いつまでに」「いくら」の支払いが必要になるのか、これを資金繰り表を使って把握することをおすすめします。
「資金調達力を強化する」は、「複数の金融機関と日ごろから取引しておき、資金調達先の多様化を図っておく」ということです。
お金が足りないとき、いきなり銀行に
「お金貸してください」
といってもなかなか貸してくれません。
なぜなら、会社と銀行との信頼関係が構築されていないからです。
まずは普通預金の口座開設からはじめて、定期預金口座の開設、
取引口座の開設、運転資金の借入など
少しずつ取引を増やして信頼関係を構築し、
いざというときに必要な資金を調達できる体制を事前に準備しておくことが大切です。
ということで、今回は「黒字倒産」について解説しました。
資金繰りの重要性、ここでも実感できましたね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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