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6.写真をとること:なくなったら困る100のしあわせ


日常に何かを生み出すような時間が少なかったわたしを、心の底からときめかせ、どっぷりはまっていったのが写真だった。

落ち込みやすく思い詰めやすいわたしに、わたしの目に映る世界も案外いいものなのだなと、そう思わせてくれた。



相棒はFUJIFILMのミラーレス。
ときどき写ルンですもかばんに忍ばせている。

なんとなく色味がすきで、FUJIFILMを愛用し続けてきた。

今のカメラは2代目で、決心がつくまで時間がかかったけれど、お迎えしてよかったなとつくづく感じている。

いつからか、お出かけにはいつでもどこでも一緒に行くようになった。

今ではささやかな瞬間すらも切り取りたくてたまらない。

わたしにとっては、非日常よりも日常の方がずっと愛しいものなのだと思い出させてくれた。



お世話になった先輩のマタニティフォトを撮らせてもらってから、思い入れは一層強くなった。

大切な人に言葉と態度でありったけの愛を伝えていくこと。

それが、明日は自分がいない世界かもしれないと意識しはじめた日からずっと、わたしが人生をかけて成し遂げたい願いだ。

シャッターを押すたびに、嬉しげにレンズを見つめる相手への思いが溢れる。

人生を終える時に思い出すのではというくらいしあわせで尊い時間を過ごして、自分が考えていたよりもずっと、思いを伝える方法はたくさんあるのだと知った。



増えていく写真たちが癒しになるのは、一枚一枚その時をありありと思い出せるからだろう。

会話の内容、相手の表情、自分の心情、風や日差しの心地よさに至るまで、その瞬間のすべてが写り込んでいる。

他の誰かには分からなくても、わたしには感じられる、たぶんそれでいいのだと思う。

過去の記憶に思いを馳せる時透けて見えるのは、これからやってくるだろう眩しい未来だということも知った。



嬉しいことに、大切な人を写真に収める機会が増えてきている。

人生に何度とないかけがえない瞬間も、ありふれた何気ない瞬間も、すべては日々を支える糧になるから。



絶えず滞りなく進む時の流れを、一瞬でも留めたいと願いを込めて。

この先もわたしと大切な人たちに、穏やかでしあわせに満ちた日々が続くよう祈りを込めて。

わたしはこれからも、シャッターを切り続ける。


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