そこに生活している人々がいる
昔からRPGをやっていて気になったのが、どんなに勇者が世界を変えようとあがいていても、そこに住む人々の行動や言葉、感情が変わらないことだった。どんなことになっても、『ここは●●村です!』言い続ける村人たちの将来を案じてしまっていた。
最近のRPGは状況に応じて、村人の言葉が変わる。プレーヤーの没入感が一気に増す。FF7のリメイクをプレイしたのだけれど、実はこれが始めてのFF。ハマったので過去作もSwitchやPS4にダウンロードしてプレイしている。いかに、FF7Rの作り込みがすごいかを実感する。
クラウドの状況や、現況に併せてNPCの言葉や動きが変わる。そこには人々が、生活者として根付いている。スラムの汚れや、ミッドガルの階級社会がありありとそこにあり、一人ひとりの好みや価値観が描かれる。だからこそ、プレート落下に衝撃を覚え、そこにある犠牲や今後の生活を心配する。
なにより良かったのは、神羅社員たちもまた、人間として描かれているところ。社長の思想はおいておいて、そこで働く社員一人ひとりは自分の仕事に対して誇りを持ち、会社に愛着を持っている。プレートが落ちたことで、夜遅くまで会社に詰め、自らの友人や親族を思いながら、できることを懸命にする社会人の姿があった。大きな問題が起きてしまったことで、会社全体が騒然とし、対応に追われ、お互いを鼓舞しながら業務を行う。彼らには一社会人として同情と共感をしてしまった。『神羅』という組織は敵でも、人々は違うのだなぁ、と実感する。ソルジャーであっても、プレートを落とすことには躊躇があり、懐疑的で、人間味を感じる。
FF7Rはすごい。何年後になってしまうかはわからない、次の作品がとても待ち遠しい。もう村人は『ここは●●村です!』と言い続けることは無い。けれど、2Dの表情もわからない粗い画面なのに、想像力と表現力でもって、壮大な世界を見せてくれた歴代のRPG達は今でも越えられないレジェンドとしてキラキラしている。
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