認知症介護って簡単な脳科学だったパート4
郵便局襲撃 5秒前
父の興奮は治らず顔の表情も、みるみる険しい顔になりました。
その日は雄二くんと郵便局に下見に行くようになったんです。建物の後ろ側を見ては『バールとニッパー』とブツブツ言い出したそうです。かなり物騒です(驚)
私は んっっ!? 下見!?と思っていました
この時、父は『郵便局に人が閉じ込められている』と思っていて、
母に『水をいっぱい準備せろ!』と言い始めました。
次は作業小屋に車で行きたくて、雄二くんに車を準備する様に、急がせましたが、雄二くんはのらりくらり話をはぐらかします。
父は『お前は役にたたんっ』と怒り、車を諦めて作業小屋に向かってスタスタ歩き始めました。父は凶器になりそうな物の名称を呟いていたので、雄二くんは慌てて知人の誠司兄ちゃんに連絡し、車で先回りし作業小屋近くで様子を見ていました。
父が来ると、作業小屋を物色し始めますが、大工道具や危険物は
事前に隠していたので、(大丈夫!)と思いきや、2m超の角パイプを肩に担ぎ歩き始めました。
おっっっと(驚)!!!まさかの角パイプ??と
慌てた二人は急いで父の元に駆け寄り、なだめました。
ここは何としても阻止しなければ事件になります。
父も必死、雄二くん達も必死です。
連絡を貰った私は、最寄りの警察に電話を掛け、『父が‥父が角パイプを持って郵便局に襲いに行きそうです!!』と通報し、郵便局へ先に向かって貰いました。
雄二くん達は、何とか父をなだめ、一旦自宅へと連れて帰りました。
しかし父の興奮は収まりません。
私達はなぜ郵便局を襲いに行きたいかを聞くと、『悪い人に職員や、お客さんが閉じ込められているから、バールで硝子を割り、人質の人に水を飲ませないといけない』と言うのです。
私達は何とも言えない複雑な気持ちになりました。
父は一人で必死に、人助けをする事だけを考えていたんだと‥。
理由は解っても父の興奮は収まらず、何度も自宅を出ようとします。
誠司兄ちゃんは機転を利かせて
『自分が郵便局に行ってきて、助けてきたよ!皆に水も飲ませたから』と言うと
父は安堵したようで、ホッとした表情に戻りました。
雄二くんはこの時の父が心底安心した顔を、今でもはっきり覚えているそうです。
この日の事は今では【すべらない話】のテッパンです。
母が限界。
母は昼夜問わず父に振り回され、心身ともに限界が近づき
長引く蕁麻疹も本当に可哀想そうなほどでした。
私達はいつも、地域の包括センターの方と綿密に連絡を取り合っており、父の状況でアドバイスして貰っていました。
例えば長崎市では徘徊をする方に『セコムの貸し出しが月500円でレンタルができますよ』とか、『今受け入れ出来る病院は◯◯です』等とても心強かったです。
でも今回は母が限界に達していたので、母を守るために、父にはショートステイにお泊まりに行ってもらう事にしました。
ただ、父に何と言ったら、納得してお泊まりに行ってくれるかを考えて
母が具合が悪いと伝えました。
夕方からショートステイに連れて行き、まだ興奮状態な事から、同じ部屋に私と聖さんが時間を振り分けて一緒にお泊まりする事にしました。
夜は何とか落ち着いて休む事が出来、本当にホッとしました。
日中はプロに任せ、私達も、ましてや母も久しぶりに解放され、心身がリフレッシュになりました。本当に超特急で色んな事が起こり疲れていたのが本音です。
次回【衝撃!?ヘルパーさんを羽交い締め】【認知症じゃなかったの??】
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