インドの健康志向とあたらしい小売り形態
ムンバイから約160キロ北東にある町ナシーク (Nashik)。ここはヒンズー教の聖地であり、避暑地としても有名だ。そして海抜610メートルの位置にありブドウ栽培に適した気候であるため、ワインの生産地でもある。
ここにスラ(SULA https://sulawines.com/)と言う世界でも評価の高いワイナリーがある。このスラ・ヴィンヤーズは1999年に創設された。ここで生産されたワインは世界中のワインのプロ達にも高く評価されている。
中には2つのレストランやワインを学べる施設もあり、ツアーも行われる。また、ここのワイナリーでしか購入できないワインも取り揃えたショップもある。広大なぶどう畑で日が沈むのを眺めながらワインを味わえる最高の場所である。ムンバイの混沌を忘れさせる、ワイン好きには至福の空間だ。
スラの近くにある「ル・フロマージュ」(Le Fromage – Artisanal Cheese, http://lefromageindia.com) 、は30年前からここに住むPaiさんが、2016年に開いた完全無農薬のチーズ製造会社である。100%ベジタリアンの最高品質チーズを多種手作りしている。湖の目の前にあり、予約制のテイスティングや「パイ・ファーム (Pai Farm)」というヴィラも展開しており、多くの観光客が訪れている。ムンバイへの宅配も行い、売上は倍増しているという。
近年、ムンバイ等の都市部の高級スーパーマーケットでは、健康志向に特化した商品の取り揃えが当たり前になって来ている。財閥のフューチャー・グループが展開しているインド最大のグルメマーケット「Food Hall Bandra」では、オーガニックの水栽培野菜がおしゃれにディスプレイされ、リッチな人々を惹き付けている。また様々なヘルシーナッツや、新鮮なベジタリアン寿司を提供する「Sushi and More」も人気だ。名だたるボリウッド女優たちもお忍びで買いにくるらしい。
また、2019年中には日本のセブンイレブンがフューチャー・グループと提携し、インド初のコンビニをオープンする予定だという。
ワインや健康志向や高級スーパーマーケットなど、私たちが思う以上にインドは素敵に変化し続けている。
写真提供 Shantanu Das