U-23パリ五輪出場決定!才能のある選手が同世代に多く生まれる理由を紐解く
昨晩、U-23男子サッカーがパリ五輪出場を決めました。
予選で中国に苦戦し、韓国に負けたことでオリンピック出場が危ぶまれていましたが、イラク戦を見る限り杞憂だったというか、きっちりと仕事をしたなという印象でした。
これまでもアジア予選で同世代の主力が出られないことはありましたが、今回ほど主力メンバーを呼べなかったのは初めてではないでしょうか。
アジア予選に呼べなかった主な選手は、久保建英選手、チェイスアンリ選手、鈴木唯人選手、斉藤光毅選手、福井太智選手、福田師王選手など。
日本はスタメンで出ているであろう選手を半分以上欠いた状態でアジア予選を戦いました。
W杯とは違い、オリンピックに重きを置いていない国もあり、海外クラブで主力を担っていると招集を断られてしまいます。
香川真司選手もドルトムントで主力だったため、アテネオリンピック本戦も出ていなかった記憶があります。
オリンピック予選をフルメンバーで戦えないというのは、日本の若き世代が海外で認められているという証拠ですし、強豪国へさらに一歩近づいた証明でもあります。
日本サッカーでもゴールデンエイジを筆頭として才能ある選手が一気に現れることがあります。
なぜ固まって世代を代表するような選手が現れるのかを3つの観点から紐解いていきたいと思います。
1.20年周期
1つ目は、サッカーは20年を1つのサイクルとして螺旋階段のように進化していくという説です。
パリ五輪の20年前は小野伸二選手を筆頭としたゴールデンエイジがいます。ゴールデンエイジの20年前は風間八宏さんを筆頭とした世代がいます。
この世界にあるものは全て波動で出来ているので、寄せては引く波のように才能のある選手が多く現れる時期といわゆる谷間の世代と言われる時期が出てきます。
パリ五輪世代は周期的にゴールデンエイジと重なる時期なので、才能のある選手が多く現れたのではないかと思います。
2.近い世代が道を開いた
長い年月破られなかった世界新記録が塗り替えられると、そこから次々と記録が塗り替えられたり、これまでは夢物語だったことを現実にした選手が現れるとそこから後を続く選手が次々と現れるようになります。
高い壁だと思っていたものを乗り越えた人物が現れると、高い壁が非現実的な目標から現実的な目標に変わることで、後を続く選手が現れるというメカニズムらしいです。
ゴールデンエイジから近い世代には中田英寿選手がおり、世界への道を開いたパイオニアでした。そこから中村俊輔選手を含め海外で活躍する選手が次々と現れ後に続きました。
同じくパリ五輪世代から近い世代には若くして世界のビッグクラブでスタメンで出場している冨安選手がいます。
中田選手が開いた世界への道がついにプレミアリーグのビッグクラブでスタメンを張る日本人選手を生み出しました。
努力の結果は指数関数的に伸びると言われています。ある地点から急激に伸びていくグラフですね。
パイオニアが現れたのは一気に伸びていく分岐点ではないかと。
アトランタオリンピック(マイアミの奇跡)→シドニーオリンピック(ゴールデンエイジ)
東京オリンピック(冨安、三苫世代)→パリオリンピック(海外クラブ過去最高)
パリ五輪世代は海外クラブで活躍することが目標ではなく、世界的なビッグクラブで活躍することを現実的な目標にできていることで、意識をより高く持てているのではないでしょうか。
3.1人の若き天才が意識を変えていく
日本代表まで登った選手は基本的に負けず嫌いです。圧倒的に負けず嫌いだと思います。
そんな選手たちが同世代にとんでもない才能を見せつけられたらどうなるか。
その選手に負けないように自分たちを高めていくようになります。
ゴールデンエイジは小野伸二選手が若い時から才能を発揮し、同世代に衝撃を与えていたようです。(高校時代の小野伸二選手のプレイを見ると衝撃を受けるので、見たことがない方はぜひ見てみてください)
同世代で切磋琢磨した結果、U-20W杯で準優勝という結果を残しました。
パリ五輪はさらに若い時代から久保建英という天才を目の当たりにしています。
自分と同じ年齢の子がバルサの下部組織にいる。という現実がどれほど衝撃的で世界をより身近にしたかは、想像以上の影響力を同世代の子供達に与えたと思います。
パリ五輪世代は、間違いなく過去最高の世代だと思います。
海外組が名を連ね、すでにW杯を経験している選手がいる。
パリ五輪の目標は、最低でもメダルの獲得。さらに金メダルも現実的な目標になるのではないでしょうか。
そして、パリ五輪で金メダルを獲得した場合、W杯のベスト8の壁も破り、過去最高の成績を残す世代になるのではないかと思います。