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ラーメンの魅力って何だ!?


 ツイッター(現・X)とnoteで知り合った英語講師で日々の英文読解研究に尽力を注いでいるwisteria氏の博多ラーメンの写真を見て、「美味しそうですな。」と思いました。私はごく普通にラーメンが好きです。たまに美味しいラーメンを目にすると食べたくなります。世の中には味わい深くこってりとしたラーメンがあれば、あっさりとした塩味のものもあります。実に多種多様なメニューがあります。
 冒頭の写真は福岡旅行で食べたあっさり系の塩ラーメンと明太子ご飯です。昨年、親戚の結婚が決まり、挙式を福岡県で行うことになったため、福岡旅行に行きました。旅の途中で寄った店で舌鼓を打ちました。美味しかったです。やはり福岡県民にはラーメン好きの人が多くいますが、博多明太子も欠かせないそうです。


ラーメン屋が危ない!


 しかし、近年のラーメン屋は経営危機に陥っているという衝撃的なニュースが飛び込んできました。中には新型コロナウイルスの感染拡大の影響も含め、廃業を余儀なくされた店もあります。

< 2024年1-9月のラーメン店の倒産が47件(前年同期比42.4%増)に達し、集計を開始して以降で年間最多の2023年(1-12月)の45件を抜いた。ラーメン店は、食材代や運営コストの高騰に見舞われ、前年同期の4割増のハイペースをたどっている。このペースで推移すると年間60件を超える可能性も出てきた。>

株式会社東京商工リサーチ『ラーメン店倒産が最多 昨年を抜く』Yahoo!ニュース 2024年10月4日


 年間60件を超えるラーメン店が次々と廃業しています。この背景について記事では次のような分析を行っています。

< ラーメン店は参入障壁が低く、開店しやすい。だが、参入が容易な反面で廃業率が高く、生存競争は厳しい。コロナ禍では街から人流が減り、来店客の減少と休業要請などで厳しい環境に置かれた。ただ、持続化給付金やゼロゼロ融資などのコロナ関連支援策に支えられ、2022年の倒産は21件まで減少していた。
 ところが、コロナ禍が落ち着き、経済活動が平時に戻ると人流が活発になった半面、物価高や人手不足などの深刻な問題が同時に押し寄せた。食材費などの物価高や光熱費上昇、人件費上昇などのコストアップに対し、提供価格は「1,000円の壁」に阻まれ、値上げもままならない四面楚歌の状況に追い込まれている。>

前記事

 どうやら物価高騰と人材不足が重くのしかかり、経営資金をやり繰りするのに難儀していることが明らかになっています。ラーメン屋が生き残るためには独自の売上方法や味や盛り付けなどの差別化を図っていく以外に未来がないようです。この状況が続けば、地方のラーメン店がどんどん廃れていく可能性が高まるでしょう。地域で長年愛されてきたラーメンを食べることができなくなります。


ラーメンと英語が大好きな寺本莉緒


 経営の苦境に立たされ、このままではラーメン屋がなくなってしまう。誰でもラーメン文化を失ってほしくないと願う方がいるでしょう。そんな状況下でラーメンの魅力を発信し、存続を応援する有名人がいます。

 女優・タレントの寺本莉緒氏です。元々グラビアアイドルとして雑誌などの媒体で活躍していましたが、現在は気鋭の若手俳優として映画・テレビドラマなどに出演し、精力的に取り組んでいます。直近ではNHK連続テレビ小説の『おむすび』に出演しています。

 寺本氏は大のラーメン好きを自認しています。XやInstagram、YouTube動画でも配信し、全国津々浦々のラーメン店を訪問しています。最近では有料会員向けの公式ファンクラブを開設し、ラーメンの魅力についてたっぷりと語っています。



 「週15杯のラーメンを食べている」という寺本氏は「自分の体はラーメンで出来ている」とのこと。これには驚きを隠せませんでした。それくらいラーメンをこよなく愛しているのです。

 また、寺本氏は頭脳明晰の持ち主です。広島県出身であり、高校進学時に上京して都内の平均偏差値62を誇る有名高校に在籍していました。特に英語力がピカイチと言われています。寺本氏は学生時代の生活と語学への想いについて次のように語っています。

< ー 中学入学後はどんな学校生活でしたか?

 寺本 私はもともと語学が好きで、その学校も英語に力を入れていると評判だったので、「この学校に入れば道が開けそう」と感じて受験したのですが、入学後は大変でした。まず校長先生が外国の方で、入学式の式辞から全部英語なんです。生徒は帰国子女やインターナショナルスクールに通っていた人が多く、ほとんどの教科で英語を使うので、”完全アウェー”状態でした(笑)。でも、こういう性格なので「負けてられない」という気持ちで、日々の単語テストからがんばりました。単語テストも最初は「なんでこんなことをやらなきゃいけないんだろう・・・」と思っていたんですけど、結果的にすごく役立って、英語の成績も向上しました。
中学3年のときに上京したので卒業を待たずに転校することになったのですが、先生と同級生が教室でお別れパーティーを開いてくれました。「東京に行っても忘れないでね」というメッセージを黒板に書いてくれて、絶対にこの人たちのことを忘れたくないと思いました。その想い出が今でも自分の原動力になっています。>

寺本莉緒インタビュー「ぶちがんばる、すべての人へ」文化放送 より

 負けず嫌いの性格が勉強への闘志を燃やすことになった寺本氏は、ハードな授業と課題テストをものともせず取り組んできました。英検2級の所持者であり、現在は英検準1級の取得を目指して勉強に励んているそうです。
 寺本氏は受験生に向けてのメッセージを残しています。

< 人生で一度しかない経験ですし、逆に一度しかないチャンスなので、そのチャンスを逃さないように、いま自分にできることを全力でがんばってください。応援しています! >

前記事 より

 これは受験生にとって前向きで励みになる言葉でしょう。寺本莉緒氏には芸能界での仕事も兼ねて、英語でラーメン文化を世界に発信していただきたいです。


BEGIN Japanologyを活用した英語学習法


 ところで、英語で日本のラーメン文化をどう伝えていけばよいでしょうか。ここで参考になる番組があります。外国人向けの日本文化紹介番組の”BEGIN Japanology”です。ブロードキャスターで英語やロック音楽などの著作を出版しているピーター・バラカン氏がかつて司会を進行していました。


 番組での「ラーメン」の回は秀逸な内容となっています。現在はJapanology Plusと改題して、NHK WORLDで放送しています。また、別のNHK WORLDの放送番組でラーメンについて語っています。2つ目の動画は北海道のラーメンについて紹介しています。北海道ラーメンは本格派のものが多いことがよくわかる内容です。


 上の動画では、The noodles are nice and plump.(麺がぷりぷりで美味しいです。)のplumpは形容詞で「(身体の一部が)肉付きがいい」という意味から連想し、「ぷりぷりな」という意訳になります。このような使い方は表現力を豊かにします。

 北海道にあるラーメン屋の2代目店主の大宮ひでお(Omiya Hideo)さんのインタビューで満洲から引き揚げた人々がこぞってラーメン業を立ち上げるようになったと語っています。

 Peaple back from Manchuria with no jobs were running food stalls. There were about 200 of them. Only two or three sold ramen, but they all had huge lines. Seeing that, in just a few days, dad learn how to make it, after that he started selling ramen at his stall and the customers flooded in.

 満州から引き揚げて、職のない人たちがズラーっと屋台をやってたんですよ。200件くらいあってね。そんなかでラーメン屋は2件、3件あんだけど、そこだけえらい人が並んで。それ見て、親父(初代店主)はそれこそ2,3日習っただけでもうすぐラーメン屋をやったら、お客さんがすぐ来るんですね。

NHK WORLD - JAPAN  "HOKKAIDO RAMEN, Part 1 RAMEN JAPAN by YouTube

 満州から引き揚げた人が自ら屋台を新規に開拓したおかげで北海道のラーメンが徐々に浸透していきました。昭和時代の食産業の人たちが奮闘努力を重ねて、ラーメン文化を支えていたことがよくわかります。

 番組の英語字幕は生成AIによる音声で書いたのでしょうか。その辺は不明ですが、的確な表現だと思います。この動画を使ってリスニング学習を行うと良いでしょう。ただ流しっぱなしで聞くより、段階的にディクテーション(
dictation)を行い、台詞を紙などに書き込んでいくほうが定着率が高くなるでしょう。効率を考えれば、ChatGPTに助け舟として使いながら、自分で英語の表現力を増強していくことは理にかなっているかもしれません。
 やり方は人それぞれですが、日本の食文化を英語で伝えたい人には格好の学習教材だといえるでしょう。

 因みに、私は大学生の時に英語のゼミで紹介したところ、皆は食べ物系のほうが興味津々でした。「花より団子」とはこの事です。


消費者にとってできることは何か


 私たち消費者にとって、ラーメン文化を守るためにできることは限られていますが、「広報の力」でラーメンの魅力を伝えていくしかありません。つまり、SNSなどのツールを有効活用して情報発信することが他者のための力になると思います。
 コロナを経て、訪日外国人観光客が徐々に増えてきている中で、英語や中国語などの外国語で日本のラーメンの魅力を伝えることが重要です。「あそこのラーメン屋、美味しいよね。店長も気さくな人柄で気軽に寄っていけるよね。」のような会話ができれば、好循環になるでしょう。地域のラーメン店も大きな喜びにつながります。今後の奮闘に期待したいと思っています。

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ハリス・ポーター
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