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私を主人公にした、嬉しいお金の使いかた

HANAのみなさま、プレデビューおめでとうございます👏🌹

NHKクローズアップ現代『「私が社会を変える」Z世代を魅了する歌手“ちゃんみな”の闘い』で、犬山紙子さんが、HANAを生んだオーディション番組「No No Girls」を振り返って以下の趣旨をお話されていました。

事業活動に携わる身として重みをもって受け止めました。
世間的な美しさに潜む強い魔力を感じると共に、その裏にある諦めや悲しみの深い淵に思いを馳せると、やるせない気持ちになりました。

今回、オーディションを通じて、内なる美しさや意思を見い出し、自分を認め、肯定していく姿にとても勇気づけられました。

誰かが決めた、世間でいうところの美しさに自分を合わせていくのではなく、その人の人生を表現することそのものが美しさになること。
強いメッセージとして受け取りました。


No No Girlsから教えてもらったことは、お金にも通じる

私は、日々、UXリサーチャーという立場で、みなさまのお金に関する捉え方や、生活について教えていただいています。2024年は、チーム全体で年間200本を超えるインタビューを実施しました。

お話を伺いながら、自らのお金の付き合い方について内省することが多くあります。振り返って考えを深めることが、インタビューでお聞きするみなさまのお話をより深く理解したり、共感につながるとも感じます。

その中で、冒頭に話した、HANAの話が強く響く出来事があったのでご紹介します。(※極めて個人的なもので、どなたも批判、評価する意図がないことを添えさせていただきます。)

それは、「お得」との付き合い方です。

お得はいいもの!と信じて疑わなかったけど…

身の回りは、ポイント還元率の高いクレジットカードや、経済圏と呼ばれる、サービスを使う相乗効果で還元率を高められるサービスなどがあります。どうやればお得を極められるかという特集も組まれたりしますね。

どれだけ思い切りよく使ってもまだまだお金が有り余ってる!という環境だと悩まないのですが、そんなことはない😇ので、収入の中からどう使うか?に頭を使います。

そんな中で、より安くお得に手に入るのはとても嬉しいものです。
欲しい気持ちに蓋をしなくても済みますし、「損していない、よくやったぞ自分!」という気持ちになります。

そんな「お得」は自分にとって嬉しい体験だと信じて疑わなかったのですが、ある出来事をきっかけに、私が大事にしているのは「お得」だけじゃないと気づいたんです。

また、「お得」を第一優先することが私にとっては悪く働くこともわかりました。

自分の"嬉しい"を見つける旅に出た

家計管理のアプローチのひとつに、投資、消費、浪費の3つで振り返ってみようという考え方があります。

投資:将来役に立つ支出
消費:生活に必要な支出
浪費:必須ではない支出

3種類を分けるとこんな感じ👛

まずは、自分の支出をすべて把握し、それらを3つの箱に分けてみて、浪費を相対的に減らそうというものです。

2022年。せっかく金融系のサービスに携わるのだから、何でも試してみようと思って、キリよく、思い立ったときの翌月から始めることにしました。

買ってみて、ないしは買った後に「これは自分にとって必要な支払いか?」を判断し、かつそれを毎日続けるのはなかなか大変です。
また、個人的ではありますが私はレシートが財布に入ってるのが嫌ですぐ捨ててしまうのでレシートなしでできないものか…🤔と考えていました。

自社サービスのB/43(ビーヨンサン)は、ポイントがつかないのでメインカードにするのを躊躇していました。

ただ、リアルタイムで明細がつくし、メモも書けます。買ってから記憶の新しいうちに振り返るのにはとても適していました。
いったん3ヶ月限定でメインカードとして使ってみることに。

B/43の明細画面。「これはいつも使う日焼け止めが無くなったから買った、必要だ!」と振り返ってメモを書く✍️(2022年から今まで続いています)

支払ったら、その日のうちにアプリを開いて明細を確認して眺めていると

「子供の塾の支払いだから必要だな☺️」
「このAmazonの買い物はなんだ???📦」
「パン屋さんで毎週買ったらそれだけでこんなかかるのか…?🥐もしかして食パン1斤で工夫したらかなり減るのでは🍞」

など、これまで思ってもみなかった景色が浮かび上がってきました。

月半ばになると「必要だと思った出費、イメージよりもかかってるもんだな」とか「なるべくお金使わないでおこうと思ってAmazonで買った2000円前後の支払い…かさむと全体を圧迫するな」など、見えるようになってきました。

投資、消費、浪費を上手に出来たその先、私は貯金を増やすことを目的にしていました。

アプリで記録していくのは学びが多い反面、お金を貯めたい気持ちがそこに入ってくると、お金を使うことそのものが悪であると考えそうな気がしました。

チャージした金額がどんどん減っていくのが不安で、減りがゆるやかになるように、なるべくお得なものを買うようにしました。
この行動は上手くいった反面、期待した効果とは全く反対にもなりました。

💀安いからという理由でまとめて買った
→そしてそれを繰り返した、在庫がまだあるのに買ってた🌀家にトマト缶どんだけあるんや🍅

💀あとN点買ったら送料無料になるのを帳尻合わせした

💀N個買ったら全体から5パーセントオフになるから欲しいものは無かったが便利そうと感じるのを買った

- ̗̀📦 ̖́-

お得を最優先して買ったこれらの明細は、全体の支出を圧迫しました。
また、買うだけモノが増えるので片付けも大変になったり、まだストックがあるものを追加で買って賞味期限を切らしたり……お得だけど、モノの管理が大変になりました。

「ケチらんと欲しいの買えばよかったな😔」とか「安いから買ったけど結局使わんかったな☹」というものもありました。

節約しすぎると、心が貧しくなりそうな気がしたんです。かといって、お得だ!とじゃんじゃん使うとハッピーでもなかったんです。

我慢する自分もいたが、買うことで後悔する自分もいる…その事実を丸ごと感じられました。

「良さそう」じゃなくて「私が良い」と感じるお金の使い方に


とすると、私が嬉しいお金の使い方はなんだろう?という問いこそ、私が考えるべきものだと気づいたんです。

「お得」は必ずしも「消費」や「投資」に振り分けられないと気づいたことが、大きなターニングポイントになりました。

使うことは無くせないからこそ、自分にとって納得がいく使い方を増やすしかないと思いました。

本当は「お得」がお買い物する上での第一優先じゃ無かったのに、無意識のうちに、自分の実態を見ないで合わせに行っていた自分に気づいたんです。
ある意味、無理をして支出していたかもしれません。

この気づきを経て、投資、消費、浪費の3つを選ぶ際、迷った時は

「自分にとって嬉しい支払いか」
「時間が経っても、買って良かった〜☺️と思えるか」

の要素を足してみることにしました。

この取り組みが功を奏し、「安いから買って良い」とか「高いから買わない」という考え方から解き放たれました。

コンビニでペットボトルのお茶はよっぽどでない限り買わないけど、HANAのデビュー直前イベントを飾るフラワーディスプレイ(7万円)は買いました🌹🫧

リスペクトしたり、頑張っている方に対しては応援の気持ちで惜しみなく払う!と決めたので、私にとっては嬉しい支出です。

ほか、思い出に繋がるものは高くても支払えるよう、ほかの支払いとバランスをとります。
例えば、家族旅行や、自然活動、両親へのプレゼントや会食など。

最近拝読したnoteのなかに、とても共感できるものがありましたのでご紹介させていただきます。

母は、前に連れて行ってもらったXXが良かった、楽しかったね、と会った時に話してくれますし、そうやって時間を共有することで思い出が増えることが私にとってはかけがえのない体験です。

母とタイで食べたアイス🇹🇭 下は餅米。
予想の斜め上の味で2人で「😟」となって食べきった
でも、それも思い出

お金の使い方で、私が主人公になった

この取り組みを続けていて、予想外の事がおきました。
はじめは3ヶ月だけ検証して、あとは面倒だったらやめようと思っていたんですが、続けることそのものでなんだか気持ちが健やかになってきたんです。

嬉しい支払いを増やす力学が働くので、うやむやな支払いも、使途不明金もなくなりましたし、お金を自分が主人公でちゃんと使えている感覚が持てるようになりました。
(残るは貯金と投資の課題のみ!思いがけず必要な出費が続く月もあるのでドキドキしないようにしたい。これも気づきがあるのでまた書きます✏️)

新しいものをとりあえず試したい
後悔したくない、欲しいものは全部買いたい
買うなら一番性能がいいものを買いたい
リセールしたときに価値が残るものを買いたい
……etc

こんなふうに、人それぞれの嬉しさがあると思います。
どれも、その嬉しい支払いが増えたらその方にとってハッピーだと思いますし、もっと人生を豊かにしてくれる気がします。

こと、お金は生活と切っても切り離せないものなので、自分がお金を主体的に使っている実感が持てるのはウェルビーイングにも繋がる気がしています。

誰かが決めた価値観ではなく、あなたらしいお金の使い方ができるように

そんな気持ちをいち生活者として感じながら、今年もたくさんのみなさまに出会い、学びを深めていきたいです💐🌹⸜🌷︎⸝‍

最後に、すこしお伝えしたいこと

私が所属するスマートバンクでは、チームでリサーチ活動に取り組んでいます。良いプロダクトは、良いチームから生まれると信じています。
活動が気になる方はぜひいつでもお話しましょう!
リサーチが気になった方は、拙書『UXリサーチの活かし方』も発売中ですので、ぜひお手に取ってお読みいただけると嬉しいです📚


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