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~介護離職10万人の現状を変える~  社労士と取組む介護離職防止対策

 こんにちは。近年、増加の一途をたどる介護離職者数は、ついに10万人を超えました。仕事と介護の両立に悩む人々にとって、離職は苦渋の決断であり、企業にとっても、貴重な人材の損失は大きな痛手です。
 そこで、このnoteでは介護離職の現状と課題、そして企業が取り組むべき具体的な対策をまとめました。
 介護離職を「個人の問題」として捉えるのではなく、「社会全体で解決すべき課題」として認識し、企業と社会が協力して、誰もが安心して働き続けられる環境を築いていく必要があるのではないでしょうか。
 本稿が、介護離職防止に向けた取り組みの一助となれば幸いです。


1.2030年には、ビジネスケアラーが318万人に

 高齢化が加速し、生産年齢人口の減少が続く中、仕事をしながら介護に従事するビジネスケアラーの数は増加しています。経済産業省の「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」によると2030年時点では約318万人に上り、経済損失額は約9兆円と試算されています。
 企業にとって中核的人材を失うことになれば、持続的な事業・組織運営にとってリスクとなります。ビジネスケアラーへの支援に取り組むことが、経営者に求められているのです。

「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン入門編」経済産業省

2.介護離職防止のために取り組むべき3つのステップ

 経営者は、法律上の義務付けられた措置だけを講ずればいいのではなく、実際に従業員が気兼ねなく活用できる組織風土を作り、介護休業等の制度やサービス等の必要な支援を選択できるようになしなければなりません。
 経営者としてまずやるべきことは、「介護離職防止に対する本気のコミットメント」と「実態の把握と対応」、そして「情報発信」です。

 そのためには、法律上の制度だけでなく、「実態の把握と対応」が必要です。そのうえで、本人や組織として実現するために必要なリテラシーを高める「情報発信」を行う必要があります。
 

STEP1:経営者のコミットメント

 まずは、経営者自身が「介護」を知り、介護離職防止の本気のメッセージを従業員に送り、社内の体制を整備しましょう。

STEP2:実態の把握と対応

 全社的なアンケートを実施し、実態把握をしていきましょう。40代以降の社員一人一人に聴取していくことも有効です。次に実態を踏まえ、自社の中で、介護に直面した従業員が最大限活躍できるように、介護を個人の問題でなく、組織の問題として捉えなおして人材戦略と連動させましょう。評価などの人事制度を企業として改めて見直し・整備していくという観点も必要です。

STEP3:情報発信

 介護に直面した従業員が必要な情報を得られるように会社が積極的に情報を発信したり、全員に研修を実施し、上司に当たる管理職層に対しての研修も実施して、組織として介護離職を出さないという取組が重要です。加えて、従業員が相談できる先やプロセスなどを明示しておきましょう。

「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン入門編」経済産業省

3.社労士と取り組む介護離職防止対策

 ここからは、社会保険労務士法人ハーネスと取り組む介護離職防止対策プログラムをご案内いたします。

(1)人事労務制度の充実

 介護休業等制度だけでなく、介護をしながら、働きやすい環境を整えると介護離職を防げます。企業の実情を考慮し、構築させていただきます。
①週休3日制の導入
②短時間正社員制度の導入
③積立有給の制度導入
④カムバック制度導入
⑤人事評価制度、賃金制度の見直し

(2)外部相談窓口の受託

  弊社では、シニア産業カウンセラー、キャリアコンサルタント、公認心理師の資格を持った社員が相談窓口の対応をさせていただきます。
 受付は24時間の専用フォームにて予約できます。安心してご活用ください。

(3)教育・研修の実施

 介護と仕事の両立支援に関する知識や介護に関する情報、管理職のマネジメントセミナーを実施いたします。
①介護と仕事の両立支援セミナー(全員向)
②介護と仕事の両立支援セミナー(管理職向)
③多様な人材を活かすチームワーキングセミナー(管理職向)

(4)効果検証

 社会情勢の変化により、介護の両立が難しくなっていないか等状況効果検証を行う必要があります。一連の施策を講じるうえで、両立支援施策に関する全社アンケート等を実施し、従業員の認知状況やフィードバックを得ることも重要です。具体的には、支援施策の利用実態や、施策利用の効果(両立体制構築に要した期間、エンゲージメントへの影響など)、同僚・上司からの支援状況、業務の生産性への影響などを含め、効果検証の結果を適宜自社の両立支援施策に反映していきましょう。 

4.活用できる資料

  厚生労働省や経済産業省から、介護と仕事の両立に向けて、介護に直面する従業員がいてもいなくても普段から取り組んでいくことや、従業員から介護の相談を受けたときにどう対応し、どう仕事と介護の両立の支援を進めていくのか等、どの段階で何に取り組めばよいかの概略を理解いただくための資料が出ていますので、ご活用ください。

(1)仕事と介護の両立支援 ~両立に向けての具体的ツール~

①仕事と介護の両立支援ガイド(企業向け)

②仕事と介護の両立支援実践マニュアル(企業向け)

【全体版】

実践マニュアル[PDF形式:6,176KB]

【資料編】

  • 実態把握調査票[Word形式:44KB]

  • 「『仕事と介護の両立支援制度』を周知しよう」チェックリスト

  • 社内研修用:「仕事と介護の両立セミナー」テキスト

  • 研修実施後のフォローアップ調査票

  • 「仕事と介護の両立準備ガイド」リーフレット

  • 「親が元気なうちから把握しておくべきこと」チェックリストく

  • 「従業員から介護に関する相談を受けた際に対応すべきこと」チェックリスト

  • 「ケアマネジャーに相談する際に確認しておくべきこと」チェックリスト

  • 「働き方の工夫を考えよう」チェックリスト

③「介護支援プラン」策定マニュアル(企業向け)

  • 【様式編】

  • 【資料編】

(2)仕事と介護の両立支援ガイドブック(経済産業省)

5.お問い合わせ

社会保険労務士法人ハーネス
お問い合わせ

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