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LILIUMとマリーゴールドをリピッた感想

LILIUMとマリーゴールドをリピッた感想です。
両方を同時期にリピると新たなお気持ちがうまれますね…。というわけで、これまで一度もしたためたことのなかったLILIUMへの想いも含め、二作を絡めた感想を書くに至りました。両方の激しいネタバレが含まれますので、どちらか一方でも未見の方は見ないで下さい。スノウとリリーまでは、LILIUMのお話が中心ですけど。ちなみに、二輪咲き、TRUMP、SPECTER等他のシリーズの話も出てきますので、ご承知おきください。(二輪咲きの話がちょいちょい出てきがち、ファルスの所ではTRUMPのネタバレがあるよ。)

自分はLILIUMを2014年11月DVDにて初見。その時、「アイドルに興味持ったことないから知らんけど、なんかがんばってるじゃん(高見の見物)」→「ええっ……(絶句)」というよくありそうなコースを辿る。生死の善悪が終盤入れ替わる展開に激しく憤ったりしつつ、TRUMPふくめて友達に3回見せてもらう(おい)。そして気になるキャストを調べたり、ハロプロの他の演目やライブを観るうちに鞘師オタへと2015年3月転生しました。
なので、黑世界の発表ではリアルで悲鳴をあげ、お友達に生命を心配されお電話ももらいました。飼い猫は床でのたうつ飼い主を心配して、ずっと横に寄り添って座ってた……猫が心優しいのはTRUMPでも現実でもいっしょだったんだ…。
二輪咲き、グランギニョル、マリーゴールド、COCCOON月は劇場で観ました。円盤でも見たことがないのは、COCOON星だけです(再演とかは除く)。

そんな拗らせてるオタクのひとりごとを、キャラクターごとに書き連ねますので聞いていただけたら幸いです。


「LILIUM」メインにスノウとリリーの話。

●スノウ
 スノウはひとりが怖い普通の女の子なのかなと。
 共同幻想ユートピアで、床に倒れたスノウが苦し気に肩で息をついている姿に、もうスノウは耐えられないんだな、と感じました。花園の下には死体が埋まっていることを知っていて、自分は死ぬのが怖かったと言いながらも、血の匂いのする花園に居続けるの耐えられない、そんな印象をあの儚い背中に思ったんです。そしてそれは当たり前の反応だなと。
 そんなスノウの、ずっと死ぬのが怖くて、でも血の匂いにも長い年月にも耐えられなくて、それでも生き永らえる望みが「リリーが共に不死を選んでくれるかもしれない」だったのかもしれないな、とあの自害を選ぶタイミングから思わされました。もう、この悪夢の花園で息をし続ける理由=リリーを失ってしまったから。
 一人で生きられる、一人で死ねる、そんな子ではスノウはないように思います。リリーは自分を覚えていなくて傷付くと知りつつも気にするのを辞められないし話しかけてしまうのは一人で生きられない姿だし、スノウがマリーゴールドの手で自分を殺させるのは一人で死なないことの証左ではないかと考えるためです。
 そもそも普通、自分で自分の心臓とか腹とかぶっ刺せないですよね(もちろん他人のもそうだけど)。紙で人差し指をシュッてやっただけでも痛くて想像するだけでうわってなるのに、その何億倍か痛いことをしかも死ぬため/殺すためにはできません。そんな生死に対して、ある意味で普通の感覚を持った子だったから、マリーゴールドの手を使ってでしか死ねなかったのも一つあると思います。
 そしてスノウの自害は、リリーの最後の決断を押したと思います。一度は選んだ永遠に生きることを、自ら死ぬことによって否定した構図です。さらにこの後、マリーゴールドが燃えて消えるという800年分の倫理の歪みを怒涛の勢いでぶつけられることによって、リリーがあの決断をするのは当然のように思います。あの瞬間、確かに生死の正義・倫理観が逆転して、「死ぬことが正しい」になってるんですよね。そうして、自分だけ死んで楽になってしまうスノウ。最後に「忘れないでね、私がいたこと」の一言だけ残して。リリーは800年前に親友だった頃の記憶なんて思い出してるそぶりもないのに。

 このスノウの演技、生きているのに死んでいるかのような佇まいがいいよね、和田彩花さん。「我らジャンヌ」という末満さんがハロプロと2013年にやった舞台でも、死んでる役やってましたけど、死んでる役がうまい…。ビジュアルの良さと相まって、最高傑作感が迸る。でも、「スノウは失敗作だった」んだけど…失敗作なところも含めていいよね。あとTRUMPと違って、スノウとリリーはReverseキャストじゃないとこもいい。二人の運命は決して入れ替わらないんだ…。

 800年前、リリーとスノウが親友だった時って、二人はどんな風だったんだろう、と妄想してやまないです。きっとリリーとスノウがあのクランに来た時のことは描かれないと思うし、二人がどんな親友だったかも描かれないと思うんですけど…。(自分には全く記憶のない親友の追体験が観客にも出来るね…よくしてる…。)ところで、二輪咲き(LILIUMから50年くらい前?)の時からすでに、リリーはスノウの記憶を失ってるのはなぜなんでしょうね。二輪咲きの時点では、スノウにファルスとの同化の兆候が見られただけ、要はLILIUM中盤までのリリーと同じ状態な筈なのに、リリーはスノウを覚えてないんですよ。この点はずっと不思議。誰か妄想があれば教えてください。


●リリー
 リリーは空っぽの主人公。
 いろんな子の感情の中心にリリーがいるのに、リリーは誰に対してもフラットです。そして、誰にでも平等で優しいという偶像的な「優等生」という以外に、個性は特にありません。チェリーのようにダンピールとバレたくないという思いもありませんし、マリーゴールドのように個人への執着もないし、キャメリアのように恋人がいたわけでもない。「シルベチカを探す」という行動と、「永遠の否定」というスタンス以外は、本当に空っぽ。
 個人的な感情がなく誰に対してもフラットで、しかしいろんな子の感情の中心にリリーがいるという構図は、まさに「偶像中の偶像」……。今改めて、LILIUMをアイドルがやった意味を噛み締めているところです。そして偶像中の偶像を、モーニング娘。の押しも押されぬエースがしていたのは、必然では…。
(ファン全員は平等です、というスタンスのリリー役鞘師と通じるところがあって、大正義キャスティング説。近頃見た他の方の感想で、圧倒的主人公であるがゆえに真実に辿り着き悲劇的な結末を迎えるリリーに、圧倒的主人公力の鞘師がキャスティングされてるの納得的なのがあったのですが、全力で同意ですね…。初見の時はハロプロ知らなかったのでそういう発想はありませんでしたが、自然とリリーを目で追っていた自認があります。2-3週して最後に思ったのは、やっぱり主演の子がすごい、でもありましたし。)
 リリーがこの偶像的な「優等生」になったのは、やはり800年もの間、記憶やおそらく行動も支配されたせいなのではと思います。スノウとは違って、親友の記憶すらないこともそれに拍車をかけている。800年の間に、あの地下室で見つけた写真の女の子たちは、スノウとリリー以外は死んでしまっているんですよね。何人もリリーの友達は入れ替わったけれど、シルベチカ以外は誰も存在にすら思いを馳せられない。何百人もの少女達と、彼女達を過ごした記憶を根こそぎ800年間も消し去られ続けたら、人格はどれだけ残るんでしょうか。人格って人との関りが作るものじゃないですか…なのにさ。
 この誰にでも平等で優しいという偶像的な「優等生」、圧倒的主人公がクランの真実に気付いてしまったときには、当然正しいことを選択します。それはすなわち、「皆を死なせて自分も死ぬ」=「みんなを開放する」ことです。スノウの所で先述しましたが、生死の倫理観が逆転してるんですよね。
 普通「生きることが正しい」んですけど、真実を知って突然「死ぬことが正しい」に転換するんです。何故なら、身体を勝手に作り変えられ、記憶(=人格)を支配され、意志さえも蹂躙されている状況から、皆の尊厳を取り戻すには殺すしか選択肢がないからです。このままでは体も心もどちらも自由にならないし、それをできるのはリリーだけですから、当然「正しい主人公」はそれを選びます。
 紫蘭と竜胆は自分の意志でファルスに協力したとか言っていますし、元気な三人組とかプリンセスマーガレットがどう思うかとか聞いてないじゃん、民主的じゃないというご意見もあるかもしれませんが、民主主義や話し合いは個人の独立した意志があって初めて成立するわけです。ファルスによって全員噛まれていて、イニシアチブは記憶も行動も操れるので、紫蘭と竜胆の「自分の意志でファルスに協力した」というのは、何処まで本当かわかりません。皆がファルスのイニシアチブの元にあるので、真実を共有して話し合って今後を決めるという選択肢は存在しえないんですね。そしてそのことが、「死ぬことが正しい」に至る要因です。
 皆の尊厳を守るのは、未来永劫操り人形としてこの血の匂いのする花園に閉じ込めず、この場で死なせてやること。事情が呑み込めず呆然としていたリリーの目を、ずっと真実を知っていたスノウの自死と、マリーゴールドを焼き滅ぼすファルスの狂気が覚まさせてくれました。
 「圧倒的に正しい死」。この生死の倫理観の逆転が、もう初見のときめっっっっっちゃ腹立ったわ…。なんで死ぬのが正しいんだよ!!って。思えば初見時のこの感想の時点で、足が沼に沈んでいたのかもしれない。
 正しい「優等生」であるリリーだからこそ、「みんなを死なせて解放する」という正しい選択肢を取る。「純潔」の少女は他人に支配されないことを望み、死を選ぶんや…。ちなみにファルスは皆を噛んで「穢れた唇」だけど、リリーは誰一人のことも噛んでいないから、唇は「純潔」のままなんだ。永遠に純潔のまま咲き続けて何処に行くの。
 不死が「友達を自分が皆殺しにした」ところから始まるのが、この人は本当にこの後どうなってしまうのか心配です。発狂して全員忘れようにも、きっとスノウが遺した「忘れないでね、私がいたこと。」という言葉が永遠に耳に残って、誰のことも忘れられず、永遠に自分がみんなを殺した事実だけ思って彷徨うのかと思うと…。
 ちなみに前は「スノウ、起きてよぉ!」とリリーがスノウに縋るところ、自分はスノウはリリーが殺したわけじゃないから縋っても良いだろって思ってました。でも、不死を否定しながらも、あの究極の瞬間にスノウの不死を願ってると捉えられるな、と思ってからシンドイです。

 黑世界のチケットあたってくれ~~~たのむ~~~~!最悪すべて外れてたとしても公演してくれ~~~~~~~!!

 キャストの鞘師里保ちゃんの話ですが、こんなに空っぽで巻き込まれ属性なだけの優等生なのに、つねにちゃんと存在感があって自然と目を惹きつけられて、巻き髪も最高に似合うしかわいいですね。もう何言ってるかわからない。動きが綺麗で自然と目がいくんですよね。MVとかライブでもそう、気持ちよく踊ってるので自然とみてしまう。鞘師定点カメラになってしまう。
 それはそうと、鞘師は舞台で人を殺しがちですね。殺すことは数多くあれど、殺されることはついぞなくハロプロを卒業した鞘師里保ちゃん。リリーも殺されそうにないですし、正直舞台で死ぬ鞘師は想像できません。そして舞台で人を殺す鞘師が好きなので、キルバーンで狂ったように笑いながら人を殺す殺人鬼役とかになって欲しくて身悶えています。歪んでないよ。


「マリーゴールド」含めキャメリアとマリーゴールド

●キャメリア
 LILIUMのキャメリア(演:中西香菜ちゃん)は虫も殺せなさそうな優しい男の子なのに、マリーゴールドではあんなに人殺しさせられてるのが、端的に言って辛いですね。ファルスは口では「僕が欲しいのは操り人形じゃないからね」と言うのとは裏腹に、人を操り人形にしてますよね。あの中西キャメリアが躊躇いなく人間の街で虐殺をするの、想像できないもの。優しそうな男の子なのに…。
 しかも、二輪咲きと合わせて考えると、人間を虐殺してる時って既にシルベチカと付き合ってるんですよね。幸せそうに「おじいちゃんとおばあちゃんになっても一緒にいよう」ってシルベチカを抱き締めて言ってる姿は、自分の手が血塗れだなんて思ってない。LILIUMでのマリーゴールドへの反応を見ても、あの街での出来事は記憶にないよね…。
 自分が知らないうちに、キャメリアはあんな虐殺させられてるんだなって思ったら、本当に可哀相。そして他の子も同じようなことさせられてる可能性って捨てられないよね。ファルスの外道ぷりが激しい。
 シルベチカが塔から飛び降りる前に「醜く年老いた顔をあなたに見られたくないの」とキャメリアに言いますが、「君がどんな姿だって関係ない」という言葉が、二輪咲きの「おじいちゃんとおばあちゃんになっても」を思い起こせば本心なんだと気付かされて辛いですね。本当に中西香菜ちゃんの演じるキャメリアは優しそうな男の子なんだ…。
 ちなみに、マリーゴールドのキャメリアに中西香菜ちゃんを重ねて見ると、うわ…可哀相って思うし、LILIUM・二輪咲きのキャメリアに土屋神葉さんを重ねて見るとうわ…こわ…って思えます。ライフハックなので試してみてください。ファルスへの憎悪も増します。


●マリーゴールド
 ガーベラから母の愛を奪ったツケが爆発。
 ガーベラ自体、結構危うい育てられ方をしてるんですよね。「幾千の愛がなくともたった一つの愛、それだけで満たされる」と、母親だけに依存するように育てられてるんです。だからこそ、母を害する発言をされたら街中だろうと構わずソフィに怒り狂うし、エリカにだって噛み付いてしまう、自分に石を投げた街の人も敵だから噛み殺してしまう。母を失う、母を害されることは自らの喪失を招くので、強硬な手段に出る他ない。繭期なら猶更。
 アナベルがヤバい親だったからそうしたというわけではなく、アナベルも追い詰められている状況だったんですよね。人種差別が激しい社会なので、他に誰も頼れないんですよね。アイツは昔馴染みとしてしかいられなかったとか言ってるし……舐めてんのか最初から引っ越して一緒に小さな家庭を作れやと思ったりしないわけでもないですが、現代社会と違って引っ越しは非常に大変そうです。アナベルに突っぱねられたのもあるし、自分が吸血種だということも言い出せないヤツなのでさもありなん。孤独と博愛の妹エリカには事情を話していないので、当然冷たくあたられるし。でもエリカは、事情を話せば受け入れてくれたと思うんだよね。だってエリカにとっては誰の子かも分からないダンピールに対して「憎んだのは罪、憎まれたのは罰」とまごころで歌えるんだよ。徳が高すぎる。アナベルもマリーゴールドには自分しかいないし、自分にはマリーゴールドしかいないと言わざるを得ない社会的な状況だったわけです。
 そんなガーベラをアナベルから引きはがす為にファルスがウルも使って仕組んだのが、虐殺とアナベルのイニシアチブによる支配です。ガーベラとアナベルの最後の殺し合いは、アナベルはやっぱり最後まで操られていて、全てソフィに言わせられてる、という話をどこかで見ましたが、確かに冷静に見ると全てソフィに都合の良い流れに持って行っているので、その通りなんだと思います。マリーゴールドから見ると、「誰か」に母が操られて殺されそうになっていて、でも「愛する娘」を殺さないためにイニシアチブに抗い、最後の気力を振り絞って「娘に自分を殺してと懇願」し、自分の死後、娘をファルスに託す、というマリーゴールドがファルスについて行くのが必然の状況になっているので。
 そうやって連れてきたマリーゴールドから、「母の愛」を奪って「あなたを生んだのは間違いだった」という言葉だけを残しているのがLILIUMのマリーゴールドです。アナベルは絵にかいた理想の親の行動にはなっていないけれど、必死にマリーゴールドへ愛情を注いでいたのは確かです。あの街を出た時に比べて、マリーゴールドのステータスは悪い方に振れてますよね。アナベルは「娘を愛し生かそうとしてきた」けど、マリーゴールドの認識は「母に嫌悪され自分を殺してきた」になっていますから。なので、マリーゴールド→リリーへの感情は、負からの復帰という闇の力を得て悪い方向に増強しているわけです。「母の欠損」を埋め「新たな依存対象≒崇拝」であるリリーへの感情をマリーゴールドが爆発させるのは、必然という感じですね。
 ファルスがガーベラから母との記憶を奪う必然性はあまり感じないので、ファルスの嫌な感情はそうさせたのかなと思います。LILIUMのラストはある意味、マリーゴールドにしたことのツケをファルスが払わされたとも言えるのかな、(一番割を食ったのはリリーな気もしますが…)
 キャメリアと合わせて、マリーゴールドもLILIUMとマリーゴールドを合わせて見ると、おいしい味が増すキャラクターですね。うめぇ~~~。

 マリーゴールド役の田村芽実さまは、ミュージカル界の新星として輝き続けて欲しい。

 余談ですが、作中でリリーが自分からマリーゴールドの手を取るシーンって、マリーゴールドの語りの中以外にはないですよね。消されてしまった過去の記憶なのか、マリーゴールドの拡大解釈なのか測りかねますが、リリーは繰り返しマリーゴールドに手を差し伸べそうですね。清く正しい「純潔の偶像」なので。


「TRUMP」をまじえてファルスの話

●ファルス
「無垢のままでいて」
「ダメじゃないか、彼女を怖がらせるようなことを言っちゃ」
 スノウとファルスが大事に大事にリリーをそっとしてるの、いや~~~刺さる~~~!!!
 本人は何も知らないけど、自分達には重要な意味を持っている女の子を、そうと知られないように大事に大事にしているスノウとファルスという構図があかーーーーーーーーーーーーーん!!! SUKI。リリーを巡るこじれた人間関係(しかし本人はあまり気付かない)が、たまらねぇっすね…。
 しかし、二人とも、リリーは過去に永遠の命を拒否したのわかっていて、何処かでまた拒否されるのを恐れているようでもありますよね。相手は「純潔」の女の子なので、それを誰にも屈しないという意味で捉えれば、拒絶されるのは明白なようでもある。しかして、パンフレットのリリーの花言葉には「純潔」「あなたは偽れない」に加えて「永遠にあなたのもの」という恐ろしい言葉も添えられているのであった。視聴者を殺す気か。リリーの代わりにいっぱい死んどくわ…メメントモリ……。
 ファルスがリリーをからかうシーンも楽しくてたまらなそうですし、なんならマリーゴールドに噛まれそうになった時にファルスが飛び込んでくるのも、誰よりもリリーのことを気にかけているのかなという気がします。個人的な意見ですが、リリーとスノウという圧倒的なビジュアルの二人(可愛い系&綺麗系)の最高傑作を揃えてて、HAPPYだったろうなファルス。水に浮かんだ油膜のような薄いHAPPYだったかもしれないが。(しかし人の命をあれだけ弄んでおいて、薄いHAPPYしか得てないんだとしたら腹立たしいな。せめて幸福で満腹になれや…いやそれはそれで怖いんだけど…。)

 マリーゴールドは『短くてもあの子が幸せだったと思えるように』という愛情を受けてますが、ソフィの親は彼を生んですぐ死んでしまったのでありません。ソフィを特別にしてくれたのはウルだけだったけど、彼は死んでしまった。TRUMPはソフィに対しての思いがあるのではなく、あくまでソフィに混じるアレンの匂いに執着しているだけです。ソフィという人格がどんなものであっても構わないんでしょうねきっと。NU版一回見たきりで、D2版しか繰り返しはみてないですけど、アレンとソフィはかなり寛大な心で見ない限りは顔はもちろん性格も似てないですし。亡くした友情の残照を見ているしかできないんだ。あの手この手でウルを作ろうとしてるけど……めげないよね。
 LILIUMとマリーゴールド二作通して思ったことですが、どちらも『例え短い命でも、誰かに愛してもらえたなら幸福』と言ってるんですよね。ガーベラが永遠の命を拒否する理由も、シルベチカが永遠の命を拒否する理由も、どちらもそこにあります。なんならTRUMPでソフィがダンピールという短い寿命を受け入れていたのも、そこに帰着すると思います。人間の有限な命を逆接的描きながら讃えているTRUMPシリーズ。
 こう思った時、不死になったソフィは『誰からの愛情も受けず永遠の命を生きる』ので、非常に可哀相な人物という構造になります。まぁ、1000年クランを運営しているソフィ君には同情しないけど……可哀想だからって何してもいいわけじゃないし。
 しかし、永遠の命を持ってるやつはクラウスもソフィも狂っていってる…。黑世界…リリー……どうなるんだ…永遠の繭期がどん底スタートするリリー…。


おまけ

〇どうでもいい話
 研究の伝承って大切なんだな…と、グランギニョルと合わせてみて思いました。
 グランギニョルで出てきたイニシアチブ重ねがけテク「不死」+ファルスの秘薬「不老」で、不老不死ができちゃう筈。少女達に自分の血で作った薬を飲ませつつ、その血を666人にすすらせるって、もう絵面やばすぎるけど…。しかし、イニシアチブ重ねがけテクは、グランギニョル→TRUMPのわずかな間も伝承されることがなく、ソフィは知らないのであった…。惜しい…。
 皆も、もし何かの間違いで自分が不老不死になったり、友達が不老不死になったりしたときのために、研究の伝承は意識してやっていこう。ライフハックだよ。


〇黑世界の妄想
 音楽朗読劇、短編集、鞘師と新良さんだけが台本を持たずに演じ、曲数も豊富、生演奏、振付師と歌唱指導のスタッフさんあいる…とかいうステータスくらいですかね今出てるのは。鞘師の海外留学とBABYMETALとでバッキバキに高まったスキルで、ステージ上でひとり踊って感情表現とかされたら死んでしまう。私の命日になるので、お参りに来てください。あの熱い歌声も出てきたらどうしよう、灰も残らない。私の墓の前で泣かないでください、そこには一握の灰も入ってはいないので。
 BABYMETALのスペイン公演でも行って、鞘師がアベンジャーズに出てくるのかチャレンジしようかと思ってましたけど、その費用は黑世界に突っ込む方針です。推しにちゃんと課金できるの嬉しいな。
 キルバーンがちゃんと公演されて鞘師が出るときには、猟奇殺人鬼か大量殺人犯になってほしいです。黒の革手袋とかつけて欲しい~~~~!知的そうな所から突然狂ってくれ。でも狂い方のノリはキキとかマリーゴールドとかダミアンとかじゃなくて、ごがくゆうのフェイ王女とTRIANGLEのキリ様@宇宙最強の将軍を足して2で割った感じで頼む。(足して2で割れるかな…その二人)
 リリーの新ビジュアルも気になる。黒なの? 白なの? どっちなの。どっちもでもいいよ。楽しみ。


 最後まで読んでくれてありがとう。こんなオタクのうめき声と妄想を…。

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