【未病】高血圧には塩分コントロールだけではダメなわけ
こんにちは。管理栄養士&脂質改善シニアインストラクター&ポジティブライフコーチの張戸です。
私は、自己紹介でもお話ししましたが、約6年前に管理栄養士を目指してSEからキャリアチェンジしました。SE時代の40歳代は、自分のキャリアやこの先の人生について不安や絶望感など感じる時期があったりしました。また、親の介護の問題などもあり、本当にどうしたらいいのか途方にくれた事もあります。おそらく40代で誰もが直面する問題や悩みなのではないかと思います。同じように、現状にストレスや不満があったり、これからの人生へ様々な不安や不満を抱えている40代サラリーマンの方に、私が経験した事から少しでも役に立てることがあるのではないかと、noteを初めました。
40代男性に増えてくる高血圧
30代までは健康診断でも正常だったし、特に食生活を変えたつもりはないのに、40代になってから血圧を指摘されるようになってきた、という人は多いのではないかと思います。
高血圧は自覚症状がないので気づきにくいのですが、日々の生活習慣の積み重ねが、いわゆる「中年」と言われる40代以降に数字に現れてくるのだと思います。また、2019年に高血圧の基準が引き下げられています。以前は75 歳未満の人は 140/ 90 未満でしたが、130/ 80 未満に引き下げられました。そういう事もあって、前年までは正常だったのに急に高血圧と診断される人もいるかもしれません。
高血圧と診断されるとどうなる
高血圧は、先にも言った通り自覚症状がないのでそのままほっておくと、脳出血や脳梗塞などの脳卒中、心筋梗塞や心不全、不整脈などの心臓病、腎不全などの腎臓病、大動脈瘤や閉塞性動脈硬化症といった血管の病気など、種々の循環器病の重大な病気につながります。
原因は、本態性高血圧症と言われる原因不明 の人が90%以上なのですが、遺伝的な要因に加えて、加齢や生活習慣、環境因子によって起こります。
高血圧のよくある治療方法
高血圧の治療方法としては、食事療法・運動療法で効果が見られない場合には、降圧薬などで治療することになります。
食事療法の場合は「塩分に気をつけましょう」と言われるのではないかと思います。日本高血圧学会では 1 日 6g未満を推奨しています。ただ、1日6gの塩分とはどれぐらいかというと、小さじ1杯です。
たとえば、Mのマークで有名な某ハンバーガーチェーン店のハンバーガーだと、だいたいのハンバーガー1個あたり2gから3gの塩分です。
ラーメンは1杯4gから6gで、1食でほぼ1日の塩分量が含まれています。
そうなってくると、ラーメンを食べてしまった日は、他の2食はほとんど塩分のない食事を食べなければならないことになります。
高血圧に塩分コントロールだけではなぜだめなのか
がんばって塩分をコントロールしていても、血圧が思ったようにさがらない、という事も多いと思いますが、実は塩分をコントロールするだけでは足りないのです。
血圧をコントロールしているのは、ナトリウムだけではなくビタミンDやマグネシウムといったビタミンやミネラルの働きも必要になります。
ビタミンDによって血圧を上げるホルモンを抑制するのですが、ビタミンDが働くようにするためにはマグネシウムも必要なのです。
高血圧に効果のある食事
血圧を下げる効果がある食事としては、減塩はもちろんですが、それ以外にビタミンDやマグネシウムを意識した食事を摂る必要があります。特にマグネシウムは、意識して食べるようにしないと不足しがちな栄養素です。
マグネシウムは、海藻類や豆類などの他に、ごま、干し海老、つるむらさき、モロヘイヤに多く含まれています。
例えば、玄米ご飯は1日300g食べるとマグネシウムを150mg摂ることができます。また、海苔などもおにぎりで食べることができますし、豆腐や納豆などの豆製品もマグネシウムを摂ることができます。
あるいは、なかなかマグネシウムばかり意識して食事ができないという方は、「天然にがり」という商品があります。これをご飯を炊く時に数滴入れたり、汁物や飲み物に数滴入れたりなど、色々なものに入れるようにする方法がよいと思います。(ただし、一度に大量に入れると味が美味しくなくなる可能性もあり)
マグネシウムは、日本人の食事摂取基準(2015年版)では、1日の推奨量を30~49歳男性では370㎎とされています。意識して摂るようにすることで、必要な量が摂れるようになります。
食事でも十分必要な栄養素を摂ることができますので、薬にたよらない生活や病気にならない体づくりをしましょう。