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「で、学会ってどうだった?」 編集後記 by 津田昌樹

4月23日の最新記事「で、学会ってどうだった?」は、いかがだったでしょうか? 学会から中10日、webメディアならではのスピード感で書き上げました。


3月15日と20日の記事「津田先生、学会って何ですか?」【前編】 【後編】を受けて、今まで学会に参加したことがなかった鍼灸師たちが、初参加のリアルな感想や評価をレポートしております。
「津田先生、学会って何ですか?」【前編】【後編】をお読みでない方はそちらの方も是非ご一読ください。こちらの記事では、編集部が学会についての純粋な疑問を津田にぶちまけております。



さて、学会会場では編集長さまんさをはじめ、編集部のメンバーがたくさんの読者の方々に声をかけていただいたようです。直に感想を聞けたことは大きな喜びでした。また「学会って何ですか?」の記事を読んで、今回の(公社)全日本鍼灸学会 愛知大会の参加を決めたというツイッターやブログの投稿が、数多く寄せられ、なによりうれしく感じております。

「で、学会ってどうだった?」の記事は、学会終了後に学会に参加していた編集部のライターが集まって、あーでもないこうでもないと話した内容を津田が聞いているという座談会形式に編集したものです。

編集部の皆さん、流石です。フレッシュな目で見て、運営上の拙さや内容の問題など、鋭いところを突いてくるなーと感心しました。ごもっともなご意見ばかりで学会に関わっているものとしては、そうですねとしか言い様がありませんし、猪飼先生がツイッター上でつぶやいているように学会のリアルな実情があぶり出されています。


一方で学会に長い間、関わってきて内情を知る身としては、ちょっぴり複雑なところもあります。というのも全日本鍼灸学会の学術総会の一部は業者に外注して運営されていますが、経費の関係上その運営のほとんどは実行委員会の鍼灸師の先生方による手弁当の運営です。実行委員会の先生方は開催が決まってから1年以上にわたって、プライベートの時間をさいて開催にこぎつけ、運営しています。だからといって、トラブルや妥当ではないところを大目に見ろというわけではありません。これは内部の事情ですし、責任を持って運営するという点からは、忖度は必要ありません。両方を知る身としてはなかなか苦しいところがあるということです。

ここは1つのキーワードで括りたいと思います。
それは「良心」というキーワードです。

医療福祉の分野に属する鍼灸は、資本主義の中にあっても基本的に人助け=人道主義のうえで成立していると思います。事実、自分の技術や経験を惜しげもなく無償で公表するのは、医療と福祉の以外の産業分野くらいで、市場経済ではあまり当てはまりません。これは医療福祉の分野が人間の「良心」を原動力としている表れです。今回の学会運営の先生方は、鍼灸の学術の場を「良心」に従ってボランティアで、皆さんのために形成してくださいました。

一方の「ハリトヒト。」の編集各位も、自ら参加費や交通費、そして時間を捻出した上で、学会がよりよいものになるために、「良心」に従って本音の言葉を紡ぎ出してくれました。これは、学会への興味関心がなければできないことだと思いますし、現に3月と5月の記事は、鍼灸師の間で、学会が話題になるきっかけを与えたと思います。ちなみにこれらの記事の目的は、学会のプロモーションでは全くなく、純粋に鍼灸業界における学会というものの存在意義をいまいちど見直すことでした。

各々に立場が違い、各々に意見はあるだろうけれども、鍼灸が、鍼灸師がより活躍できるように「良心」を提示しあい、よりよき方向に進むことが重要だと思います。

今後も「ハリトヒト。」は鍼灸師の「良心」を見つめ、鍼灸師の「良心」を育てるメディアであり続けたいと思います。

最後に、今回の学会に行けなかった、行かなかった方々も次回は是非、ご参加ください! と申し上げます。
※最後は学会おじさんの個人的な要望です

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