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獅子舞と張り子:酒田獅子について


ライオンを模した獅子はインド発祥と云われており、チベット、中国、韓国、そして日本へ渡り、変化してきました。日本のお正月、春秋のお祭、お盆などの獅子舞は厄払い、五穀豊穣などの願いが込められており、荘厳で華やかです。「人の頭を噛むことで、その人についた邪気を食べる」、転じて「無病息災、賢くなる」と云われています。

地元、山形県酒田市では酒田まつり(山王祭り)、宮野浦、亀ヶ崎、八幡の獅子、鶴岡市では湯田川の湯田川温泉神楽をイメージする人も多いと思います。

酒田まつりの大獅子は1976(昭和51)年の酒田大火からの復興のシンボルとして1979(昭和54)年誕生しました。山王まつりも酒田まつりになりました。

その大火で焼き出され移住し、私は宮野浦小学校に通いました。新参者の私たち親子は宮野浦の日枝神社元朝参りの末席に混ぜてもらったことがあります。神社の冷たい板間に正座して獅子舞を観ました。迫力があり、引き締まる新年でした。しびれた足を親子でつつき合いながらお札を頂き帰りました。

もっと遡れば、火事の前に火元近くの一番町に住んでいた幼稚園の頃、黒獅子が玄関にきて、頭を噛まれたことを50年ぶりに思い出しました。当然、私は大泣き。1年後に火事に巻き込まれるとも知らず、記憶の中の家族も獅子舞の皆さんも、みんな笑顔です。

写真家 土門拳が帰郷し、山王祭に参加した際の黒獅子の写真も記念館ではよく展示されています。獅子頭も、それを被る男性も神秘的な表情をしている写真。

山形県内でいえば「長井の黒獅子」が有名です。凄い鼻毛の勇ましい「むかで獅子」を警護が棒術を駆使して力づくでお堂に納めます。

中山間地の小規模な獅子踊りも味わい深いです。こちらはライオンではなく鹿をモチーフにしたものが多いです。獅子が太鼓を鳴らしながら飛び跳ね、獅子同士戯れたり、恋をしたり、棒術、剣術と戦ったりと面白いです。

全国にはイノシシやクマをモチーフにした獅子舞もあるそうです。

獅子頭は黒と赤が、胴幕は緑に獅子舞柄(毛卍紋)、紺に水玉、格子、唐草模様が多いです。
獅子舞柄(毛卍紋)は「獅子の巻き毛」のイメージが原型だとか。

はりこま屋では酒田まつりの大獅子、子ども獅子のイメージで獅子頭は赤と黒、胴幕は緑の獅子舞柄、紺に水玉を採用しました。
足は白足袋と草履にしたところ、獅子舞感がアップしました。
2025年2月22日、はりこま屋 創立日に公開しました。

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