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バレエ くるみ割り人形
12月は師走と言うくらいなので、目まぐるしいほど忙しい。
仕事もだが、とにかくイベントが多く、やりたい事がたくさんあって、遊びにも忙しい私だ。
去年のクリスマス時期には、ドレスデンでバレエ白鳥の湖を鑑賞した。
今年は、バレエくるみ割り人形を見に行く事に。
場所はデュッセルドルフ近郊の街、ヴッパータール。
仕事を終えてから会場に向かったのだが、少し時間に余裕があったので、ヴッパータールのクリスマスマーケットを散策。
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時間になったので、早速会場へ。
会場はHistorische Stadthalle。
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大ホールの席数は約1550で、チケットは売り切れ。
やはり人気のバレエだ。
会場もとても華やか。
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くるみ割り人形のお話の舞台は、ドイツのニュルンベルク。
クリスマスイヴのお話なので、特に冬の時期に人気だ。
くるみ割り人形は子供達にも人気で、客席では子供も大人も、今か今かと開演を待っている。
特に、くるみ割り人形を手にして公演を見ていた小さな可愛らしい女の子がいて、みんなの注目の的だった。
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白鳥の湖もくるみ割り人形も、チャイコフスキーの作品で、どちらの曲も聴き慣れた美しいメロディー。
くるみ割り人形は特に第2幕、お菓子の国(人形の国の場合も)の精らの踊りが大好きだ。
チョコレート、コーヒー、お茶、キャンディの精、そして葦笛の踊りと続くところはワクワクする。
一つ一つの曲が宝石で、宝石箱を開けるとその曲が次々に流れてくるかのよう。
どの曲も踊りも、キラキラしていて本当に可愛らしい。
チャイコフスキーが、パリ滞在中にその音色に惚れたというチェレスト。
その音色が存分に活かされた金平糖の精の踊りのメロディーは、音楽だけでなく踊りにも見惚れてしまう。
バレエは、音楽と共にその踊りを楽しむ事ができるので、うっとりしながら、またはワクワクしながら楽しめるのは、とても贅沢な時間。
子供達に囲まれながら、あっという間の2時間だった。
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メック婦人から受けていた長年の支援が断ち切られ、社会的にも同性愛者として批判を浴び辛い立場にいたにも関わらず、このような晴れやかで壮大な曲が書けるなんて、チャイコフスキーはやはり天才なのだろう。
さて私には、バレエを見ると思い出す、ある人がいる。
彼女はかつて、プロのバレエダンサーだった。
いつも背筋がピンとしていて、ちょっとした仕草がしなやかで美しく、憧れの女性の一人だ。
自宅に招待してくれて夕飯をご馳走になった事が何度かあるのだが、そんな細い身体のどこに入っていくの?と聞いてしまったほど、とても美味しそうに、とにかくたくさん食べる。
本格的に活動していた時には、とにかく体力が必要なので、たくさん食べないと身体がもたなかったそう。
夕飯の後に、昔使っていたというバレエティアラを見せてくれた。
それは小さく強く輝いていて、まるで彼女そのもののよう。
その小さなティアラを、ちょこんと私の頭に乗せて、Ditoちゃんにも似合うよと言った時の優しい笑顔が忘れられない。
日本に帰国後も電話をしたり、私の一時帰国の時に会っては色々な話をした。
今、彼女は、未来に輝くバレエダンサーを育てている。
彼女の昔からの夢が叶った事が、嬉しくてたまらない。
私がバレエを好きになったのは、彼女の影響だったと言っても過言ではない。
私にも、そして小さな可愛らしい子供たちにも大きな影響を与え続けている彼女は、いつもキラキラしていて美しい。
その輝きの裏側には、まさに血の滲むような努力があったことを、彼女は決して他人に見せることはしない。
その凜とした姿が、彼女をより一層美しくみせるのかもしれない。
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帰り道、その友達に、くるみ割り人形を見た事を報告した。
きっと彼女も、何度もクララ役で踊った曲だろう。
メッセージを送り終わると、花のワルツのメロディーが頭の中を流れ始めた。
私は全く踊ることなどできないくせに、まるで羽が生えたかのように身体が軽く感じられて、今の私ならクララのようにクルクルと踊れそうな気さえしてきた。
さぁ、チャイコフスキー三大バレエといえば、白鳥の湖、くるみ割り人形、そして眠れる森の美女。
来年は、眠れる森の美女を見ることに決めている。
さぁ、どの街で見ようか?
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ヴッパータールの街については、こちらに。
ドレスデンの街。