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オーストリア ウィーン②美術館編I 美術史美術館

今日は、ウィーンの美術館備忘録。
 
私の旅の目的地の多くは、美術館のある街。
ウィーンの目的の一つはここ、美術史美術館。
大聖堂も、オペラも、数々の城も美しいけれど、私の目的は変わらない。
 
⑦美術史美術館 
Kunsthistorische Museum
ハプスブルク家代々のコレクションが基礎になっており、オペラ座と同じく、フランツ・ヨーゼフから建設の指示が出されたそうだ。
美術館は、1872年に建設開始、1891年開館。
 
設計については、ドレスデンのオペラ座も設計したゼンパーが担当し、後にハーゼナウナーに受け継がれている。
 
反対側には、自然史博物館が対になって建ち、その間の広場には、建国の母、マリア・テレジアの像が建てられている。

美術史美術館は、エントランスからあまりに美しすぎて、息を呑んでしまう。

クリムトの壁画のある階段広間

同じく、階段の間の天井

館内には、ガラスやゴールドの装飾品などが展示されている一角がある。
 
この作品の用途を知り、思わず笑ってしまった。
サリエラと呼ばれる、塩や胡椒を入れる容器だったからだ。

私の好きなエジプトコーナーも。

ここからは、絵画コーナー

ブリューゲル バベルの塔
絵の中に描かれている、小さな人々を見て楽しむ

ブリューゲル 子供の遊戯
たくさんの遊びがあって、一つ一つ見ているだけでも飽きなかった

ベラスケスの王女シリーズ 全3枚
マルガリータ王女は、ベラスケスが仕えたフェリペ4生の娘。
オーストリア ハプスブルク家に嫁ぐ事が決まっていたため、幼少期からこのような肖像画を、定期的に贈っていたそうだ。

薔薇色の衣裳のマルガリータ王女 1654年
王女3歳

ベラスケス
白いドレスの王女 1656年
王女5歳
プラド美術館にあるラス・メニーナスも同時期に描かれていて、白いドレスも一緒だ。

ベラスケス 
青いドレスのマルガリータ王女 1959年
こちらは王女8歳
こちらは、ベラスケスの最高傑作とも言われている。
彼の絵は、近くで見るとボヤけた感じや、乱雑にさえ見えるのに、遠くから見ると、そのビロードの美しさや、肌の色、髪の柔らかさまでが伝わってくる。

ラファエロ 
草原の聖母(ヴェルベデーレの聖母)1506年

館内には、大きなルーベンスの間がある。
フェリペ2世は、ルーベンスを庇護していたため、ここには多くのルーベンス作品が収集されている。
 
ルーベンス 自画像

ルーベンス ヴィーナスの饗宴

ルーベンス 聖母被昇天
ルーベンスは、全部で4枚の聖母被昇天を描いている。
完成した年代が古いものから順番に。

1618年 デュッセルドルフ クンストパラスト
1620年 ウィーン美術史美術館内
1625年 マウリッツハイス美術館
1626年 アントワープの聖母大聖堂内

ルーベンス リンゴの木の下の聖家族

ルーベンス 毛皮をまとったエレーヌ・フールマン
ルーベンスの描く裸婦像を好まない人は多い。
ふくよか、を通り越して、今の基準で言えば少し太り過ぎのその肉体は、当時は豊かな財力の象徴として好まれていたそうだ。
この絵は、ルーベンスの二番目の妻。

フェルメール 絵画芸術(1666年)
フェルメールは晩年、大変な苦労をし、借金も抱えていた。
それでも、この絵だけは最後まで手放さなかったのだという。
彼にとって、大切な1枚であったのだろう。
 
『物事を俯瞰的に見る』という言葉を聞く度に、私は何故かこの絵を思い出す。

最後に。
美術館内のカフェの雰囲気も、素晴らしい。
美術館には長く滞在するので、私はカフェでこうして一休みするのが大好きだ。
でも、こんなに美しいカフェを訪れるのは、初めての事だった。
 
世界一美しいカフェと呼ばれているのも、納得できる。

ベルヴェデーレ宮殿、アルベルティーナは、ウィーン 美術館編Ⅱにて纏めたい。

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