単なる包装資材ではない、商品パッケージの「意味」とは?
商品のパッケージ/化粧箱というと、カテゴリーとしては包装資材です。つまり、使う企業からするとコストです。
コストなら当然、いかに安くするかを考えます。
たとえ1円でも、安いパッケージに越したことはありません。
しかしパッケージには、包装とは違った「意味」が存在します。包むことは機能ですが、ユーザーの感情を揺さぶることもあります。
代表的なパッケージとしては、米アップルのiPhoneの箱(貼り箱)です。
パッケージ(貼り箱)の企画・製造する弊社にも、「iPhoneみたいな箱をつくりたい」というご相談が数多く寄せられます。
今やiPhone箱が、「高級感」「いいものが入っている」「ブランド感」の代名詞といえます。こうなると、もはや単なる包装資材ではありません。
ユーザーの感情を揺さぶるパッケージ/化粧箱です。
実は貼り箱をつくる者にとって、iPhone箱は技術的にも世界トップレベルのクオリティで作られています。見た目はとてもシンプル(一般的なかぶせフタ式)ですが、貼り箱としてはものすごく高度な技術で製作されています。もちろん、お金もかかっています。笑
日本の大手メーカーなら、絶対に考えられないような費用をかけています。
今や年間2億台以上の販売台数ですが、恐らく箱代として数百億円かかっています。(アップルは秘密主義なので、正確な費用はわかりません。)
箱代に年間数百億円ですから、単純にコストでは片付けられません。
あの箱はアップルとユーザーとのコミュニケーションであり、アップルというブランド価値を伝えるもの。ブランドへの投資の「意味」として存在しています。
意味づけによって商品パッケージはコストにも、コミュニケーションやブランド価値にもなる。おもしろいですよね。
もちろんパッケージだけでなく、いろいろなものがそうです。
例えば自動車、移動手段と考えると軽自動車でも十分です。安価なものだと、100万円もしません。
しかし高級車ならベンツやBMWなどがありますし、もっといいスポーツカーならポルシェやフェラーリも。移動手段としての意味なら、どれも同じ自動車です。
でも価格差でいうと100万円以下から数千万円、もしくは数億円。
この差は、なんでしょう?
それは移動手段としての自動車とは、「意味」が違うからです。
安価な自動車は、あくまでも移動手段。安い方がいい。
ベンツなら安全性、高級志向や満足感。
これがフェラーリになると高級スポーツカーのカッコ良さもあるでしょうが、それが成功者の証でありステイタス、フェラーリを所有するという意味を買うのです。
そう考えると、何かを購入するのに機能(スペック)だけでなく、その存在の「意味」が大きく影響するのです。
フェラーリではありませんが、商品パッケージの持つ「意味」を考えると、コストだけではないものが見えてきませんか?
貼り箱の企画・製造 村上紙器工業所