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灰の境界線~第十一話~ 有料

 二人が向かったのは、スラム街の一歩手前にある公園だった。子供が遊ぶ遊具や水飲み場があるが、その中に大きな建物型の遊具があった。
 アルマは、ガブリエルに待つように言って、明らかに外付けされた梯子を上って、中に入る。
 中の空間が、部屋として整備されている。ここが、トルソの生活拠点――家だった。
 しかし、乱雑に置かれた彼女の私物の他、乱れた寝具はあるものの、肝心のトルソの姿はない。
 アルマは外に出て、ガブリエルと合流した。

「いなかったのか?」
「うん。どこ行ったんだろ」

 こうなると、どこを探したものか。
 悩むアルマの背後から、突然、鋭い殺気が迫る。
 思わず銃口を向けると、そこに立っていたのは。

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