カギ十字デカールの話
下書きに貯めてた記事が、微妙によそ様の記事や他サイトと被ってしまっていて少々バツの悪い気持ちになる今日この頃。
でもまあ出しちゃいますけども、かぶっていてもタイミングの問題で他意はありませんのでご容赦ください。
今日は製作記の合間のよもやま話。
SWEETのBf109に鉤十字のデカールを貼ったことから思いついて書いてみました。
ナチスの鉤十字(ハーケンクロイツ)は欧米ではご法度。国によっては公の場で掲げただけで罪に問われたりします。
WW2のドイツ軍の航空機には垂直尾翼に必ずと言っていいほど描かれています。プラモデルを作るなら避けては通れないその鉤十字マークなのですが、海外のキットではほぼデカールに収録されていませんし、箱絵も修正されています。欧米では模型とはいえどやっぱりタブーなんです。
日本では法的には全く問題ないので普通に収録されて流通していますが、輸出の関係か箱絵は修正されている場合が多く、デカールの鉤十字はたいてい端っこに印刷されています。
輸出する国によっては端を切り離して販売しやすいようになってるわけですね。
裏技的収録方法
海外でも場合によっては裏技的な方法でデカールに収録してることもあります。そのままだとまずいので変形させているパターンです。
・斜め田の字にする(上手く切り取ると鉤十字)
・縦横に分解(重ね合わせると鉤十字)
・×と四方のカギだけに分解(重ね合わせると鉤十字)
・真ん中で2分割(くっつけると鉤十字)
不自由は工夫の母(?)でございますね。
日本をはじめ、な~んも制限のない国もたくさんありますので、そういったところで鉤十字だけの別売りデカールを生産・販売していたりもします。
ディテールアップデカールみたいな存在です。
ところがこういったデカールもタイミングによっては生産中止や売り切れになってたり、色やサイズが合わなかったりしてなかなか使いたいときに手元に無かったりします。
海外製のドイツ機を作るなら余りデカールもけっこう貴重だったりするのです。
とんだとばっちり
ナチスのせいでとばっちりを受けたカギ十字があります。
有名なのがフィンランド。
ハカリスティと呼ばれる青い鉤十字を国籍標識としても使用していました。
使用を開始したのは第1次世界大戦のころですので、ナチスより古いんです。
ですが、第2次大戦では当時のソ連に侵略されたせいでドイツと手を組まざるを得なくなってしまいます。
(この辺の話はまた語ると長いですしマニアな方も多いです)
そのせいもあってハカリスティはナチスの鉤十字と同一視されてしまうことに。
連合国と講和後は白青白のラウンデル(円形の国籍標識)に変更しています。
そんな経緯もあり、フィンランドは日本やドイツと同じ元枢軸国陣営として敗戦国同様に扱われる羽目になります。
ハセガワのキットの箱は青い十字に修正されちゃってますが、デカールにはちゃんとハカリスティが収録されています。
タミヤの3号突撃砲の箱絵は車体前面に鉤十字が描かれていますね。デカールももちろん収録されています。
鉤十字は北欧では幸運のシンボルとして伝統的に使われていたものなのですが、とんだとばっちりです。
さらに余談も余談ですが、バルト3国の1つ、ラトビアもえんじ色の鉤十字を使っていました。
鉤十字を付けていたのはほぼ複葉機の時代のうえ、小国でまともな空軍を持てていなかったせいかラトビアのデカールのついたプラモデルキットは見たことがありません。
1機くらいは鉤十字を付けたラトビア軍機を作ってみたいですね。
※調べてみたら東欧のマイナーメーカーのキットで過去に発売されていたものがあるようでした。
さて、次は何を作ろうかな~?
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