Hug
人は一生のうちに何人の人と出会えるのだろうか。
調べてみると、何らかの接点を持つ人は
30,000人
だという。プロ野球楽天ゴールデンイーグルスの本拠地の収容人数が約30,000人なので、あの球場満員ぐらいか…といってもピンとこないので、とりあえず沢山の人(笑)ということで話を進めていこう。
生きていると本当に様々な人と出会い、助けられる。しかし、それらも人生の分岐点での自分の選択によっては、会ったけどそれ以上にはならないかもしれない。
そう、人生で出会う人は多くいるが、その人たちとより親交を深められるかは
自分次第
と言えるだろう。
そんなことを改めて感じさせられた映画、それが
「ギルバート・グレイプ」
である。
制作は1993年・アメリカ。
田舎町でギルバートは暮らしている。
長く生きられないと医者から言われたがもうすぐ18歳になる元気な弟、過去には美人だったが夫の死のショックで食べ続けて巨大な体になってしまって家から出られなくなった母、そして姉妹と共に。
働いているが保険に入ることもできず、貧しい中でギルバートは既婚者と不倫をしていて、その姿は満たされているようには見えない。
そんな時、旅をするトレーラーのうち1台が故障でしばらく街に留まることになり、その車に乗っていた
ベッキー
とギルバートの交流は始まっていく。
12ヶ月のシネマリレーの第一弾として劇場上映されていて観たが、私の好み一丁目一番地で
ハグしたい映画
だった(笑)
醜い姿とは、障害を持つ家族と暮らすこと、人生の展望など観た人それぞれに感じるところがあり、それらの重いテーマを絵作りとストーリーで上手くまとめていく。
この作品のことを思い出していると、今この瞬間も目が潤んでくる。
そんな作品を思い出しながら、果たして私たちは現実世界でどんな風に過ごしていくことで、いい出会いを逃さずにいけるのだろうか。
そのために必要なことは、作中でベッキーが教えてくれたと思う。
外見的美しさではなく内面的美しさを磨いていく謙虚さ
わざとでなく買ったものを落とされてもそれを許す心の広さ
嬉しい気持ちを伝える素直さ
そしてそんな風に生きていければ、人生はもっと豊かになって幸せになれるんじゃないかな。
その先ではきっと、ハグしたい映画とも出会えるはずだ。