社会人3年目のあれこれ【3】~【7】初めての一人暮らし
3 仕事始め
お正月休みがもう終わってしまった。年明け早々、IPO準備に向けた内部統制の仕事を任された。部署を横断して新たな業務フローを導入していくような仕事。話についていくのに必死で、何をしていいのかわからないままだ。
4 内見
一人暮らしを始めようと、年末から目をつけていた物件がようやく内見できるようになった。駅チカで清潔感のある物件。写真で見ていた通り、「住みたい」部屋だった。
内見後、周辺のスーパーや薬局などを下見して、井の頭公園までのルートを確認してから帰宅した。
翌日、契約する旨を不動産屋に伝えた。
5 立春の日
立春の日、私は人生初の一人暮らしを実家から車で20分ほどの場所で始めた。
父に車を出してもらい、タンスや食器、母手作りのひざ掛けなど、引っ越しの道具を運んでもらった。事前に買っておいたカーテンを父と一緒に取り付けたのも楽しかった。
それから2週間くらいかけて、寝具や冷蔵庫、洗濯機、机などを慎重に揃えていった。幼稚園生のころから想像して遊んでいた「部屋づくり」。いよいよ現実になった。
6 春の兆し
ようやく最低限の家具が揃ってきた、少し暖かい日。私はあてもなく、家から玉川上水沿いを歩くことにした。引っ越しに追われていたから、なんだか久々に心軽やかに散歩した気がした。だから、その時拾った木の実は今も家に飾っている。
井の頭公園を突っ切って、ハモニカ横丁の花屋を通ると小さな桜と菜の花の花束が売っていた。すっかり春の兆し。あたたかな気持ちまで部屋に迎え入れることにした。
7 初めての自炊
このころから、ようやく自炊できるようになってきた。最初に作ったのは、ほうれん草のおひたしと、トマトと豚こま肉の炒め物。料理をどこか敬遠していたけれど、意外と好きかもしれないと思い、それから自炊にハマり始めた。