【超短小説】年雄、腰に聞く。
腰とは仲良くしなくてはいけない。
年雄の腰は、時々機嫌が悪くなる。
機嫌が悪くなると、全く言う事を聞いてくれない。
年雄の腰はそんな腰。
今、年雄の目の前に、布団が敷いてある。
畳んで押し入れに入れる。
ただそれだけ。
ただそれだけだが、年雄は腰に聞く。
「持ち上げてもいいかい?」
腰は「ピリ」と答えた。
「ピリ」
つまり、今日はやめとけよって意味。
でも掃除もしたいし、今日で3日も敷きっぱなしだし・・・。
昨日腰の機嫌は良かった。
でも面倒くさかったので、昨日は敷きっぱなし。
年雄は、悩んだ末に今日の掃除を諦めた。
腰とは仲良くしたいから。
浜本年雄40歳。
なんなら、今週いっぱい敷きっぱなしでいいか。
腰とマブダチっしょ。