【超短小説】年雄とニコニコ
年雄がよく行くコンビニの店員さんで、いつ行ってもニコニコしているおばちゃんがいる。
声も大きく、動きも素早い。
テキパキテキパキ。
ニコニコ。
年雄はなんだか元気をもらう。
「コーヒーください」
「はーい。ありがとうございます」
たったこれだけの会話しかした事がないが、元気をもらう。
ニコニコとは凄い力を持っている。
機嫌が悪い時に、おばちゃんのニコニコを見ると自分が恥ずかしくなる。
ニコニコしようじゃないか。
仕事中にニコニコ。
楽しそうにニコニコ。
もしかしたら楽しくないのかもしれない。
でも、おばちゃんはニコニコ。
無敵のニコニコ。
笑おうじゃないか。
繋がる。
きっと。
浜本年雄40歳。
仕事先でおばちゃんに習ってニコニコ。
若いバイトの子に言われた。
「キモ」
・・・気にせずニコニコ。