【超短小説】年雄の柔道観戦
年雄は家で柔道の試合を観戦している。
そのせいか、ずっと緊張している。
柔道は凄い。
人を倒したり、投げたりするからだ。
倒れないでしょ。普通。
押されようが、引っ張られようが、大人は倒れないよ。
普通は。
それが出来るんだもん。
柔道って。
凄えよね。
一瞬。
技が決まるのって一瞬。
だから柔道観戦はずっと緊張。
トイレも行けないよ。
緊張でトイレ行きたいのに。
でも勝敗が決まるまでは我慢でしょ。
心・技・体だからね。
観戦が終わってトイレに向かう途中、カーペットにつま付きゴロン。
受け身を取って一本。
浜本年雄40歳。
今からでも遅くない。
心・技・体を鍛えよう。
日本人。