【超短小説】年雄とグループLINE
一年前、上京している高校の同級生でグループLINEを作った。
年雄も入れて13人入っている。
地元で開催された、同窓会がキッカケだった。
グループLINEの中には、高校の時、ほとんど喋った事もない人もいる。でも、田舎から上京して、東京でみんな頑張ってる。
これをキッカケに、たまには会って昔話でもしようという目的で作られた。
ただ、同窓会が終わってから一年間、一度も活用された事はない。
そのグループLINEの中に、マルオとタカシも入っている。
マルオとタカシは、別で連絡先を知っていて、上京した時から、定期的に会って飲んだりしている。
ある日マルオがそのグループLINEに書き込んだ。
マルオ(久しぶりー。飲まない?)
年雄(いいね。飲むか)
タカシ(飲もう飲もう)
30分後。
マルオ(どこがいい?)
年雄(どこでもいいよ)
タカシ(上野希望)
マルオ(家から遠いな。でもいいよ。)
年雄(どこでもいいよ)
1時間後。
マルオ(いつがいい?)
年雄(いつでも)
タカシ(土曜日なら)
2時間後。
マルオ(時間は?)
タカシ(早め希望)
年雄(何時でも)
タカシ(17時は?)
マルオ(はや!いいよ。)
年雄(何時でも)
5時間後。
タカシ(他のみんなはどんな感じ?)
土曜日、年雄とマルオとタカシはグループLINEを抜けた。
浜本年雄40歳。
元気なら、会わなくてもいいかぁ。