【超短小説】年雄の急な休み

年雄が会社に行くと、「今日は休み!」と上司に告げられた。

車が故障した為、現場に行けなくなったからだ。

なんだろう?この喜び。

昔感じた事のある喜びと同じだ。

なんだろう・・・?

学校だ!学校が急に休みになった時と同じ喜びだ!

となると、年雄はあの時と同じ事をしたくなった。

年雄は家に帰り、教育テレビをつけた。

久しぶりに観る教育テレビ。

小学生の頃、これが好きだった。

普段観る事が出来ない時間の教育テレビ。

道徳や理科の実験。

大人になって観ても、楽しいもんだと気づく。

急な休みの日は、教育テレビが1番だ。

ただ、教育テレビを観ながら年雄は思った。

「その時、友達はどう思うかな?」といった道徳の質問や「これを繋ぐと何が起こる?」といった理科の質問に答えられない。

難しい。

難しいまま大人になった。

浜本年雄40歳。

お恥ずかしい。

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