【左と右か、二項対立の果てに】
本日は2024年10月27日日曜日、衆議院選挙の投票日である。期日前に投票するつもりが、怠惰な私はすっかり後回しにしてしまい少し遅めの時間に投票することになった。いまも開票結果の速報がテレビやSNSで流れて、今後の政治予測を立てている。
しかしこと政治関連の話になると
私は非常にうんざりしている事がある。
右派と左派もっと言うと
ネット右翼(注1)とリベラル(注2)の
不毛な争いだ。
簡単に用語を解説すると、右派というのは保守的な立場、従来の伝統や既存の価値観を重視する。
ネット右翼というのは、その中でもネット空間で
過激かつ排外主義的な言動が目立つ一部の右派のことだ。より蔑称的なニュアンスを含んだ略称がいわゆるネトウヨだ。
対して左派というの右派の逆。改革を進めようとする派閥で、より自由平等な社会を目指すことを
目的としてしている場合が多い。
本来リベラルという言葉はシンプルに左派の言いかえの一つだったはずだが、直近のネットでの言論においては左派の中でも過激でいびつな主張をする人々への総称として使用されることが多い。
こちらもより蔑称的な呼び方に
パヨクというものがある。
X(旧Twitter)をメインにネット空間が主戦場となっているこの争いは本当に見るに堪えなく、どちらも醜悪極まりない。本人たちは議論をしているつもりなのかもしれないが、小学生並みの言い合いをインテリっぽく変換して罵詈雑言をぶつけあっているだけだ。
しかも政治家やジャーナリストや作家などそれなりの地位や役職についている人たちも含めてこぞって参加しているのが驚きだ。
私はどちらかというと左派的な考え方をしている人間だと自認しているが、代表的な左派の論客らしき人々の言動には大きな疑問をいただくことがある。そういう人は少なくないのではないだろうか?
近年発生した暗殺事件に対して肯定的な発言態度をとり(注3)言論弾圧じみた表現の自由の侵害行為も多数(注4)果ては事件そのものが捏造だと判明したにもかかわらず、自分が過去に行った性加害事件への批判を謝罪訂正もしない(注5)
自分たちと意見が異なる人々と対話をすることがなく差別主義者や権力者への迎合だと一方的に断罪をする。(注6)
ネット右翼と言われる人たちも非常に野蛮だ。
過去からあった外国にルーツを持つ人々
に対する加害弾圧は止まらない。(注7)
直近では関東のある地域への風評被害の件も話題となっている。(注8)LGBTQなどのマイノリティへの無理解や差別等も依然止まらない(注9)
そしてこうした二極化した対立は内容を変えて
いろんな場所で見られるようになっている。
それはときに男と女だったり若者や高齢者
だったりあるスポーツ選手とそのライバル選手
のファン同士だったりする。
ただ私が不思議なのが、彼ら彼女たちは
お互いを非難し攻撃し合うが、その内容は
主張の方向性を除けば本当にそっくりなのだ。
基本的には自分と異なる立場の人間を一方的な
レッテル張りして、攻撃をすることが共通している。
私の仮説だが、こうした人々はたまたま先に出会った思想に取り込まれているだけなのだ。
つまり先にネット右翼的な思想に出会えば、
ネット右翼の立場に立つし、その逆もまた然りということはないだろうか?
いわゆる「逆だったかもしれねえ」というやつだ。そういえば核の被害と終戦を描いた「はだしのゲン」(注10)自身も戦争経験者である岡本太郎の著書(注11)にも戦争中は徹底抗戦を唱えながら、終戦するとさも自分は昔から反戦主義者であったかのようにふるまう人物というのが出てきていた。
そういう人は思想の中身よりそれを信じる自分と
それにより得られる肯定感が大事だったのだろう。昔からそういう人はいてそれがネット空間で
より可視化されそして影響力を持ってしまった
というのが今の状態なのかもしれない。
人は見たいものを見て、それを信じて生きていく。インターネットのフィルターバブルに捉われてもその中で生きていくことが出来てしまうのが今の世だ。
どの立場や考え方でも、異なる意見の立場の人間を尊重し、そして対話による 相互理解をしていくことが出来るはずだ。そうした人間になりたいし、そうした人たちと仲良く出来ればいいなと思う。
ネット右翼でもリベラルでも若者でも高齢者でも
男でも女でもLGBTQでも日本人でも外国人でも
障碍を持っていてもいなくても、フェミニストでもなんでもいい。
そういったものは本来属性の一つでありそれだけでその人は決まらない、人というものは複雑で一人の人間に矛盾した複数な要素があるのが常である。
そのことを認めず事実を捻じ曲げて自分の都合のいいように主張し周りを傷つける人間が嫌いだ。そうした人間は許さないし、敵だとすら思っている。
そういっている自分も「敵」だと思った存在を複雑な面を持つ個人だということを忘れてはいけないし、対話を諦めてはいけない。
だが目に余る場合は報いが必要だろう。
そしてその対象は少なくはないはずだ。
(注1)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E5%8F%B3%E7%BF%BC
(注2)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%99%E3%83%A9%E3%83%AB
(注3)
https://www.sankei.com/article/20230510-YMM6R3GLAFLALKJMRVNOM67XPQ/
(注5)
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/a6de270f743a5e0582f823cc642a6bd374ae168e
(注6)
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202409220000248.html
(注8)
https://news.yahoo.co.jp/articles/aa13638506816f927efb32d964462df144f91a55
(注9)
https://www.bbc.com/japanese/articles/c1rx3ry4v9zo
(注10)はだしのゲン/中沢 啓治/汐文社
https://amzn.asia/d/gO4Mfwl
(注11)自分の運命に楯を突け/岡本 太郎/青春文庫
https://amzn.asia/d/d74VKj2
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?