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休む技術

20年ほど前の私は、会社員として法的にも健康的にも問題があるほど働いていました。
1週間の疲れを発散するために週末は深酒をし、休日には夕方まで眠り、3度の食事や間食は好きなものを好きなだけ…という生活をしていました。

そんな生活を抜けたとき(転職)、休むにも効率の良い休み方はあるだろう、と考えました。
盲目的に働いていると「今だけは気を抜きたい」と過剰な飲酒や睡眠に走ってしまいますが立ち止まることが重要と思います。

そんな会社員時代に「休む技術」という本を読みました。
今、法人の経営をしておりますが久しぶりに自分の休み方を見直そうと振り返りました。

精神科医の西多先生が書いている大和書房発行の「休む技術」。
5章から成り立っています。

1章 暮らしをゆるめてこまめに休む技術
2章 からだをゆるめて休ませる技術
3章 上手に休んでパフォーマンスを上げる技術
4章 人間関係を休む技術
5章 「やらなきゃダメ」を休む技術

いずれもグサッとくるフレーズ…。
各章に技術やコツが複数書かれています。

私が中でもなるほど、と思ったものを3つ紹介します。

1.「仕事の不安」が休みをつまらなくしている
私は営業職のとき、この状態でした。
1年のうち、2か月ほどで自分の担当顧客と新規開拓への提案をしきることが求められ、その2か月は平日9時~18時を外回り、それ以外の時間は各企業への提案書作成に充てていました。
平日19時~22時までは提案書の作成時間。それでも終わらず、土曜か日曜のいずれか1日つぶして出勤していました。
「今週も土曜日に会社に行こうかな…」と夜まで考え、結局気持ちが乗らず日曜日に出勤。
結果として土曜日は働いていないのに悶々としてまったく楽しくないという負の状態。

営業以外にも、クリエイティブや経営企画など【考える時間】が大半という職種の人は四六時中仕事のことを考えがちで、つい休日にもパソコンに向かってしまうことがあるのではないでしょうか。

これでは心が休まらない。
この本では「『週末うつ』を防ぐには時間を決めること」としています。

【やり方】
・休日を午前・午後/朝・昼・夜のように区切る
・仕事をするなら朝だけ。午前だけ。のように決める
・決めた時間で100%集中する
・それ以外は仕事は一切考えない・やらないとする

そんなこと、と思うかもしれませんが、やってみると気持ちがかなり楽になります。
「絶対に12時までに終わらせて、午後はマッサージに行く!」
などと決めると、不思議とダラダラしなくなるもので私の同僚も、この方法でうつ状態から抜け出していました。効果があると実感した方法です。

2.疲れをごまかす脳のはたらきが こころの疲労骨折のもとになることも
2時間の会議に参加する、書類に誤字脱字がないかチェックする…このような作業をしていると「飽きた」「疲れた」「休みたい」という気持ちになります。これは自然なことです。

一方で仕事が波にのって、もっと頑張りたい・頑張れるということもあります。提案がどんどん通る、アイディアが湧き出てくる…このような没頭している状態が危険。

残業がちになり、食事や睡眠の時間が不規則になったり長時間のデスクワークで肩や腰がバキバキにこってしまうなど、良くないことが起きているかもしれません。
ドーパミンが作用して一時的には良いかもしれませんが、これが続くと燃え尽き、心の疲労骨折になりかねません。

【こんな人は注意】
・忙しいが成果が上がっているので頑張れる
・残業している時間のほうが仕事がはかどる
・へとへとで完全燃焼している自分が嫌いじゃない
・休むと周りに迷惑がかかると思い気力で頑張っている

3.人間関係の要は「ハブ」。あとは捨ててもOKです
「内向的な人は、外交的な人同じように人脈を作らなくても良い。自分に向いていない社交的作業は疲れるので、別の方法を考える。」

これはハッとしました。私自身が外交的な方で、内向的な後輩を交流会に誘ったり、名刺交換の場に連れ出したりしていました。
自分では「後輩のために」と思っていましたが、もしかすると、良くなかったかも?と考えさせられました。

内向的で知らない人と話すことは疲れる・気が進まない人は人脈が広い誰かとつながれば良い
人脈、ビジネス上の繋がりであれば、「ハブ」の少人数の人と付き合えば良いということ。その代わり、フリーライダーにはならず、ギブアンドテイクでハブとなってくれる人にもお返しすることが大切です。

集めた名刺の数やSNS上の友達の数に一喜一憂せず、つながりの多い友人を重視してお付き合いにもメリハリをつけると対人関係における緊張も和らぐというものです。


ここには私がそうだなぁと共感したもの3つをピックアップしましたが、他にも多くのヒントが多数載っています。
意識的に休むことがとても重要と言うことが分かる本です。ときどき見返そうと思います。

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