子との接し方は長い目で考えようと思う今日このごろ
弁護士として
児童虐待ケースに関わる中で
学ぶことが多くあります。
「高齢者虐待は児童虐待のリベンジ」
なのだと思う
と表現された方がいて
なるほど!と思いました。
1 スタンダードになる
親から
「求められた通りに行動できなければ、叩かれる」
という環境で育った子は
親が高齢になって
「求められる通りに行動できなければ、叩かれて当然」
と思うかもしれません(※1)。
だって、自分もそうされてきたのだから。
それが「スタンダード」になってしまうのではないでしょうか。
※1
同じ環境で育っても、
そう思わない人もいるだろうから、
「絶対」ではないことも強調したいです。
2 形勢はいつか逆転する
子が幼い時は、親の方が力が強く
能力や経験値も高い。
でも、「子は成長するのだ」ということを
見落としてはいないでしょうか?
子はどんどん成長し
昨日はできなかったことが、
今日はできるようになるかもしれない。
力も強くなり、体格も良くなる。
親は年齢を重ねて
去年はできたことが、
今年はできなくなるかもしれない。
二十代、三十代と同じ力を
あなたは数十年後も、保てるでしょうか?
十年後、三十年後、五十年後の
あなたとお子さんの姿を想像してみてください。
お子さんはできることが増え
あなたはできないことが増えているのでは
ないでしょうか?
3 暴力を振るいそうになった時に考えてみてほしいこと
自分が年老いて
思うように行動できなくなったとき、
この子から
暴力を振るわれても構わないか?
「なんでこんな簡単なことができないんだ!」
と怒鳴られても平気か?
と、一度、考えてみてほしいです。
暴力や暴言に怯える子を
数十年後の自分の姿と重ねてみてほしいです。
暴力や暴言以外の方法で
子に伝えることはできないでしょうか?
4 私が気をつけていること
子にしてほしいことは
「命令」ではなく
「お願い」の形で
伝えるようにしています。
余裕があるときは
なるべく「理由」も伝えるようにしています。
例えば
早くご飯を食べてほしいとき
「早く食べなさい」
ではなく
「食べるのスピードアップしてもらえると、
お母さん助かるんだけど、できそう?」
「お母さん、食器片付けちゃいたいんだわ」
と伝えています。
「お願い」なので、
「子が拒否しても怒らない」
ということも意識するようにしています。
拒否されたら
「え!?なんでよ!」ではなく
「あら、残念」と口にすると
怒らなくて済むので、オススメです。
5 困った人、ではなく、困っている人
一人で頑張って頑張って
追い詰められて、
虐待に至っていることも多いと感じます。
困っている、助けてほしい、
と周りの方に発信することが
とても大切です。
私も10年前は、育児が大変で
今、育児ノイローゼ一気味かも!
職業柄、虐待をするわけにはいかない!
マズイ!
と思ったことがありました。
困っているので助けて〜と言えたことで
多くの人から
助けてもらうことができ
そのおかげで
虐待を回避することができたと
感謝しています。
「困っている」と言うことは
恥ずかしいことではありません。
相手が困っていないのに
人の家庭に口を出すわけにはいかないので
周囲の人もあなたからの
「困ってる」「手伝って」
を待っているかもしれません。
ぜひ、SOSを発信していただきたいです。
6 最後に
子とは長い付き合いになるので、
その中で嬉しいことも嫌なことも
必ずあるはず。
相手にも自分にも
100%を求めず目指さず
できない時もあるよね〜
でもお互い、頑張ってるよね〜
と認めあえたらと思います。