気持ちが停滞しているとき〜薬味やスパイスのチカラ
こんにちは。薬膳家で食材ソムリエのひろみです。
先日、このようなご質問をいただきました。
Qふだん食べている野菜がとても美味しく感じたのですが、なぜでしょか?
ご質問ありがとうございます。
いつもと違うお身体の感覚を丁寧に拾い上げていらっしゃることに感銘を受けました。
ご自分の身体や感覚の変化に意識を向けられるようになると、小さな不調を見逃さなくなります。
すぐに軌道修正できれば病気を未然に防ぐことに繋がります。
次のように回答させていただきました。
①その野菜が旬を迎えている
②身体が欲しがっている
(対応する臓器が疲れていて欲しがっている)
③身体が整ってきて、味の深みなどの繊細な味わいに気づくようになった
もう少し詳しく伺ってみたところ、紫蘇(大葉)がとても美味しく感じていらっしゃるそうです。
紫蘇(大葉)の旬は初夏ですが、殺菌作用があることから、魚介類の毒消しとしても重宝されています。
スーパーで一年中買うことができる食材ですね。
ピリ辛食材で毛穴を開いて発汗を促すので、冷え性の方にはオススメの食材でもあります。
紫蘇の薬膳的効能には次のようなものがあります。
【紫蘇の効能】
◆身体を温め発汗を促し冷えを取り除く。梅雨冷えや冬風邪などの症状によい。
◆花粉症やアレルギーの緩和によい。
◆氣の巡りをよくし胃腸の働きを回復させる。食欲増進、腹部の膨満感の改善に。
◆魚介類の食中毒予防や解毒。
◆肺、脾の働きをよくする。
ご質問をお寄せくださった方のお身体の状態を推測するならば、
◎入ってきた冷えを身体が取り除こうとしていた
◎なんらかのストレス等で気持ちが停滞気味だった
◎秋から続く乾燥のせいで肺の働きが弱っていた
◎悲しみや孤独感を感じて肺の働きが弱っていた
◎思い悩んむことが重なり脾の働きが弱っていた
◎寒さから胃腸の働きが弱っていた為、胃腸の働きを助ける食材を欲していた
このようなことが想像できました。
要因は一つだけの時もあれば複数が絡み合っていることもあります。
冷えと気持ちの停滞感があったのかしら?と思いを馳せてみました。
気持ちが停滞している=氣の巡りがよくない状態です。
氣が巡らなければ身体に必要な栄養素(血、水)が身体の隅々まで運ばれず、やる気や元気が出ない、疲れやすい、痛みや痒み、冷えなどの症状に悩まされます。
悩みをすぐには解決できなくても、食材の効能を利用して身体の巡りをよくすることならすぐにできそうです。
刻んだ紫蘇をお味噌に添えていただくと、鼻から全身に巡るような香りを堪能することができます。
自然に呼吸が深くなり氣の巡りもよくなります。
紫蘇のように香りのよい食材(薬味やスパイス)は、深呼吸を促し氣の巡りをよくしてくれるお守り食材になります。
紫蘇以外の巡りをよくする食材もご紹介します。
お味噌汁に入れる青ネギや白ネギ
柚子やみかんなどの柑橘系の皮
柚子やみかんなどの柑橘系の果汁
オニオンスライス
ハーブ類(ハーブティー)
スパイス類
などです。
ご自身に合う好みの薬味やスパイスのチカラで、気持ちの停滞感を解消できたら嬉しいですね。
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