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岸田奈美さんへの愛を語りたい。ただそれだけの記事。

7/8現在、NHKプレミアムで『家族だから愛したんじゃなくて愛したのが
家族だった』が放送されている。

月曜日の22時からはTwitterのspace機能を使って届いたDMを全部読むというコーナーも頑張ってくれている。私は起きていられないのでアラームをかけて一度起きてDMだけ送って再度眠り、次の日に録音を3回くらい聴く。

木曜日の夕方にはニュースおかえりにもレギュラー出演している。
我が家では録画している。
ちょうど息子のお迎えで忙しい時間帯なので次の日に岸田さんを見たさに録画を見るほどのになってしまった。

このnoteでは月額1000円で月に大体4本の有料記事が読める。爆笑必死。
既刊本は『傘のさし方が分からない』えらいことになる話が面白い。電車では読めないくらい読めない程笑える。こんなことが現実に起こるなんて驚きだと素直に笑える、誰も傷つける話がないエッセイ集だ。

『もうあかんわ日記』はざっくりというとまだあかんくないと思わせてくれる物語だ。なんていうか勇気をもらえるノンフィクション。コロナ渦で母が大病院に再入院し、祖母は暴走、長期入院していた祖父はご逝去、その後姉妹で参列する葬儀。とんでもない日常の話がギュッと詰め込まれているのだ。

『姉のはなむけ日記』もある。ちなみに今のところ市販されていない。
これはnote購読者限定デザインで青い車の装丁で作られている。なんて粋な計らいなのだろうと思った。
ページの一番後ろには岸田団こと我らが出資者たちのHNも記載してくれている。私も目を皿のようにして自分の名前を探した。同姓同名が何人かいたが、唯一無二のHNが載っているところには細い付箋を貼っている。

ダウン症という特性を持つ弟さんが将来困らないように、戦略的一家離散する壮大な物語。登場人物の誰一人欠けてしまったら、これは成しえない出来事に何度も涙がこぼれた。グループホームを建てる施設コンクリフト問題(専門学校で習ったなぁ)やまたまたコロナの影響で車(送迎車)が見つからない問題など、数々の困難を岸田奈美さんはクリアしていった。なんて素敵な姉なんだろう。私には弟がいないが、若干30歳手前でこんなに頼もしい姉になれる自信がない。
私にはちなみに兄がいる。兄と岸田奈美さんは同じ大学出身だ。ちょっと誇らしい。私ももちろん受験した。2点足りなくて落ち滑り止めで受けていた大学に泣きながら入学した。

浪人してたら奈美さんと同じキャンパスを歩いていたifの世界があったかもしれない。だけど浪人して合格する馬力は私にはないと判断した両親は浪人を許さなかった。それでよかった。溢れる力を部活動に注ぎ新人戦ではそれなりにいい成績を残した。話がそれた。

岸田奈美さんは私の中で今超超超熱い作家さんだ。
親族や友人に勧めている。
ちょっと暑苦しいほどに勧めている。申し訳ないくらいに推しているのだ。

最大級に熱が高まった出来事があった。
先々月、そんな岸田奈美さんが地元にサイン会に来ることになったのだ。
私は事前に人数制限もあるにも関わらず開始2時間前に現地に付き会場設営前の本屋を徘徊していた。息が上がり疲れてしまった。

落ち着かないので外に出た、まだそこまで暑くない時期だったが、外に出たら献血車が来ていて、キラキラした目で「献血お願いしまーす!A型の血が足りません」とプラカードを掲げた若者がこちらに近づいてくる。

申し訳ないが常備薬の服用が必要な持病があるため協力できない身体になってしまった。ドンピシャにA型なのに申し訳ない。丁寧にお断りさせて頂いた。断ることが苦手だ、本当はいくらでも血をあげたい気持ちでいっぱいだ。

今となっては信じられないが、献血ができる年齢になってから大学生、専門学校生(医療系)の時は献血ルームで400ml献血を習慣化していた。献血カードの回数が増える度、いろんな景品をもらった。献血の度にはもちろんドーナツやジュースを好きなだけ飲んでいた。もぐもぐ食べてオレンジジュース100%をゴックゴク飲んでいた、健康って素晴らしい。

当時付き合っていた彼氏と出先で献血カーを見つけて、ねぇ行こうよと言って「針怖いし400mlも抜くとか怖すぎ…」とドン引きされてしまった。「私は400mlくらいないら抜いても問題ないから大丈夫だよ、怖くないって」と大笑いしてしまった。そしてその後しばらくして別れた。献血が原因ではないとは思っているが、真偽のほどは今となっては分からない。

あと大学には大学構内に献血車が来て、体育会に加入している部活が行内アナウンスで呼ばれて当たり前のように献血していた。専門学校も同じシステムだった。


さて、本屋に戻り一人用の椅子に腰かけ、そこに腰掛けて時間が過ぎるのを待った。ひたすらにドキドキしていた。既刊本を持ってきていいと事前に告知があったのでそれにピッタリのサイズのエコバッグをよういした。フリルのついたバッグ、本の背表紙が見え、まるであつらえたかのようなものだった。

あと持病の関係で長時間立っていられない。それを心配した夫が付き添いで来てくれた。しかも別の用事があるから先に行くわと言って夫は3時間前から会場をうろつき会場設営がはじまるとさも当たり前のように1番前の位置をキープしてくれていた。結論から言うと別の用事なんか無かったのだ。照れくさくてこうゆうところがある、そんなところも可愛くて大好きだ。

ギリギリまで私は椅子に座っていて10分前に夫と位置を交代する、しかも自然に逆方向にフェードアウトしたと思えばサインをしてくれている間、ずっと写真を撮ってくれているカメラマンになった。岸田奈美さんが登場した時、ここ地方都市の岸田団員は自然に拍手していた。大喝采だった。

挨拶の前にフライングで吸い寄せられてしまいテーブルに置かれているアルコールスプレーをシュシュ!!!と塗り込み両手でガッツリ握手をさせていただいた。このふくよかで柔らかな手でたくさんの人を救ってきたのだ、触れただけで光栄だった。思わず飛び出した子羊を行列に戻し奈美さんが全体に向けて挨拶をしてくれていた。

一番初めに既刊本全部にサインしてもらった。味のあるイラストを描いてもらった。夫の存在も発見し、「お~ダブル眼鏡夫妻やん」とそのイラスト、息子の名前を書いてくれる神対応だった。順番の後の人に「時間かかってすみませんでした」と一礼してこれからも応援してますと言って会場を後にした。充実感でいっぱいで胸が熱かった。

その日の昼食はお礼も兼ね奮発して鰻と牛丼を食べた。そんな日以外で食べる機会なんてない。あの1日は私の人生の中の元気の出る1ページになっている。


なぜこんな地方都市で行われたのかをいうと、少し時間は遡る。Twitterのspaceでコルク(所属事務所)にサイン会を開いてほしい会場を送ってくれたら検討してくれると思います。と岸田さんが仰ったのだ。

ダメ元で「持病で電車や飛行機の長時間移動ができないことを伝えた。隣県の隣接市なら頑張ればいけるから、どうしても岸田奈美さんに会いたい。」という旨を送った。その思いが伝わったのかわからないが、自宅から車で20分の書店でサイン会が開かれることになった。

実はグッズを買ったことがある。
岸田奈美さんの小説の一文が書かれているTシャツだ。公開されているのが3枚あった。シークレットが1枚。全部買ったらゆうに3万円を超える。
これはさすがに夫に相談した。滅多に物を欲しがらない妻がどうしても欲しいと頭を下げている姿をみて、「いいよ。買いなよ、若い作家は俺も応援したい。」「それにそのTシャツ10年は着るだろ?コスパ逆に良くない?」と2つ返事でOKをくれた。優しい夫をもったもんだ。大富豪買いに許可が出た。

4枚を着まわしている。毎日奈美さんの言葉が載っている服を着ているだけで日常の幸福度が上がる。これ以上太らないようにしたい。サイン会の時にシークレットを着ていった。それ以外の白ベースの服にもイラストと名前を書いてくれた。神対応。正直洗濯する度に薄くなってしまわないかちょっと心配だが、がっつり油性マジックなので大丈夫だと思う。

これからも応援し続ける。
少しでも興味を持ったこの記事を読んでくれたアナタ。
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りょう。
無印良品のポチ菓子で書く気力を養っています。 お気に入りはブールドネージュです。

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