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職務特性理論の修正版尺度:論文レビュー

こんにちは、原田です。
今回は、職務特性理論の修正版尺度に関する論文です。
(下記の修正版!)

今日の論文

A Revision of the Job Diagnostic Survey: Elimination of a Measurement Artifact
ジョブ・ダイアグノスティック・サーベイの改訂:測定アーティファクトの除去
Journal of Applied Psychology, 1987年2月
Jacqueline R. Idaszak, Fritz Drasgow

サマリ

  • 本研究では、従来のジョブ・ダイアグノスティック・サーベイ(JDS)の次元構造を再評価し、測定アーティファクトを除去するための改訂を行った

  • 因子分析により、JDSの6つの次元が特定され、そのうち5つは予想通りのパターンを示したが、1つは測定アーティファクトであった

  • このアーティファクトを取り除くために5つのJDS項目を修正し、印刷会社の従業員(N=134)を対象に再調査を実施した

  • その結果、事前に想定されていた5因子構造が確認され、アーティファクト要因は検出されなかった

  • スケールと因子の相関分析により、改訂版JDSの測定精度が向上していることが示唆された

  • したがって、JDSの改訂版は、タスク特性に関する今後の研究において使用されるべきであると結論付けられる

方法

本研究は3つの研究(Study 1, Study 2, Study 3)で構成

  • Study 1
    Hackmanら(1978)のJDSデータベースから異なる職業カテゴリーの1,672名のデータを抽出し、因子分析を実施

  • Study 2
    別の565名のサンプルを用いてStudy 1の結果を再検証

  • Study 3
    逆得点化された5つのJDS項目を修正し、新たなサンプル(N=134)で因子分析を実施

分析には、主成分分析(PCA)、最大尤度法(ML)、およびLISREL IVを使用した確認的因子分析(CFA)を適用

わかったこと:

  • Study 1, Study 2

    • JDSの因子分析により、6因子が特定された

    • うち5因子は予想通りだったが、1因子は測定アーティファクトだった

    • 逆得点化された項目がアーティファクト要因に強く寄与していることが判明

  • Study 3(修正JDSの検証)

    • 逆得点化項目を修正し、新たなサンプルで調査を実施

    • 結果として、アーティファクト要因が消失し、5因子構造が得られた

    • 修正後のJDSは、各因子の測定精度が向上(信頼性係数0.80以上)

    • これにより、JDSがより正確にタスク特性を測定できることが確認された

論文から得た学び

本研究の結果は、JDSの逆得点化項目が因子構造に混乱をもたらしていたことを示し、今回の修正により、JDSの測定精度が向上し、理論的研究においてより適切に使用できることが示唆されています。

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