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チーム逸脱行動の4つのカテゴリー:論文レビュー

こんにちは、原田です。
今回はチーム逸脱行動についての論文です。

逸脱行動(Team Deviance)
組織やグループにおいて、重要な規範を自発的に違反する行動。(攻撃、嫌がらせ、破壊行為、無駄遣い、ルール違反など)

今日の論文

Expanding the Dimensionality of Team Deviance: An Organizing Framework and Review
チーム逸脱行動の次元拡張:組織化フレームワークとレビュー
Small Group Research, 2023
Trevor Spoelma, Tamanna Chauhan

サマリ

  • チームにおける逸脱行動がチームの機能を低下させることは知られている

  • しかし、これまでの研究は、個々のメンバーが独自に行う行動に焦点を当てていた

  • チーム逸脱行動の次元を、メンバーの協調度とターゲットに基づく4つのカテゴリーに分類し、既存の研究を統合するフレームワークを提供している

方法

  • 文献レビューを通じて、チーム逸脱行動に関する研究を「協調度」と「ターゲット」に基づく4つのカテゴリーに整理

  • PsycInfo、Web of Science、ProQuestを使用し、50の独立した研究を特定・分析

わかったこと:

4つのチーム逸脱行動の形態
チーム逸脱行動は、協調度(協調的か独立的か)とターゲット(内部または外部)に基づいて4つの形態に分類される。

  1. 独立的で内部をターゲットとする行動

    • 最も研究されている形態(全体の80%)

    • チームメンバー同士の攻撃や嫌がらせなど、独立した行動が内部の他メンバーに向けられる

  2. 独立的で外部をターゲットとする行動

    • チーム外部の個人や組織に対して独立して行う行動

    • 例として、外部クライアントへの不適切な対応などが含まれる

  3. 協調的で内部をターゲットとする行動

    • チーム全体で協力して、特定のメンバーを排除したり、嫌がらせをする行動

    • 例として、非協力的なメンバーを無視する集団行動などが挙げられる

  4. 協調的で外部をターゲットとする行動

    • チーム全体が協力して、組織やチーム外部のターゲットに対して行う逸脱行動

    • 例として、チーム全員が結託して組織規則を破る行動がある

論文から得た学びと活用場面

チーム逸脱行動には「独立的か協調的か」「ターゲットが内部か外部か」の2つの軸に基づいて異なる形態があることがわかりました。従来は個人による独立した逸脱行動に焦点が当てられていたが、協調的な逸脱行動や外部ターゲットへの逸脱行動も考慮する必要があることが示唆されています。

チーム内の逸脱行動の形態を把握し、それに応じた対策を講じることで、チームのパフォーマンス低下を防ぐことができそうです。

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