流動的なチームの構成に関するレビュー論文:論文レビュー
こんにちは、原田です。
今回は、流動的チームの構成に関するレビュー論文です。
流動的なチームに関してはこちらも~!
今日の論文
Composition Considerations for Fluid Teams: A Review
流動的チームの構成に関する考察: レビュー
Frontiers in Psychology, 2024年2月12日出版
Tripp Driskell, Gregory Funke, Michael Tolston, August Capiola, James Driskell
サマリ
短期間で組織され、課題達成後に解散する流動的チーム(fluid teams)の構成方法に焦点を当てた研究レビューである
これらのチームは、現代の複雑な職場環境で重要性が高まっており、軍事、航空、医療、産業などの分野で使用されている
本研究では、流動的チームの特性を従来型のチームと比較し、現在のチーム構成研究がこれらのチームにどの程度適用可能かを検討している
方法
流動的チームに関する研究文献をレビューし、従来のチーム構成研究の成果をどのように応用できるかを評価
表層的属性(年齢、性別など)と深層的属性(価値観、性格など)に基づいてチームのパフォーマンスを分析
わかったこと:
流動的チームにおけるチーム構成の戦略的な重要性
表層的属性の影響:
表層的属性(例: 年齢、性別、職位など)は、流動的チームにおいてチームパフォーマンスに強い影響を与える
表層的属性に基づく多様性は、タスクの複雑さやチーム間の依存て正または負の効果をもたらす
深層的属性の影響:
深層的属性(例: 性格、価値観)は時間を要するため、短期間の流動的チームでは影響が制限される
ただし、タスク環境やチーム内の自己開示機会がある場合には深層的属性が効果を発揮する
専門知識の多様性:
タスク関連の多様性(例: 機能的背景の違い)は、特に複雑で相互依存的なタスクにおいてチームパフォーマンスを向上させる
個人レベルの特性:
高い平均的な認知能力や性格特性(例: 誠実性、協調性)を持つチームは、パフォーマンスが向上する傾向がある
一方で、これらの特性の多様性が高い場合、チーム内の葛藤や効率低下を引き起こす可能性がある
チームの持続期間:
短期的な流動的チームでは、メンバー間の信頼関係の構築が難しく、チームパフォーマンスが制限される場合がある
多様性と創造性:
多様性は創造性やイノベーションにプラスの影響を与える可能性があるが、その効果はタスクの種類や設定に依存する
プロセスロスの可能性:
表層的属性の多様性は、チーム内のプロセスロス(例: 誤解、対立)を引き起こし、パフォーマンスを低下させる場合がある
論文から得た学びと活用場面
流動的チームのパフォーマンスは、迅速な結成と短期間でのタスク完了に依存するため、従来のチームとは異なる特性を持つことが示されています。特に、信頼構築やチーム内の認知プロセスが発展しにくい点が課題として挙げられています。
短期間でのチーム構成プロセスの最適化や、これらのチームのトレーニングプログラム設計に役立つ可能性がありますね。