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多様性&チームワークを統合したチームへの帰属意識を高めるトレーニング:論文レビュー
こんにちは、原田です。
今回はチームワークと多様性の観点から、チームへの帰属意識を高めるトレーニングを研究した論文をご共有します。
現在の社会では、多様性が組織にとって重要なテーマとなっており、従業員が認められ、所属感を感じる必要性が高まっています。しかし、従来のチームトレーニングと多様性トレーニングは別々に行われ、それぞれ異なる理論的背景と目標を持っているため、効果的でないことが多いというのがこの論文の問題意識です。
今日の論文
Team Belonging: Integrating Teamwork and Diversity Training Through Emotions
チーム帰属意識: 感情を通じたチームワークと多様性トレーニングの統合
Small Group Research, 2022年
Alicia S. Davis, Adrienne M. Kafka, M. Gloria González-Morales, and Jennifer Feitosa
サマリ
339件の実証研究をレビューし、チーム、多様性、または感情管理トレーニングに関するテーマを抽出し、どの方法が最も効果的かを検討
伝統的なトレーニングデザインと感情管理の欠如が、チームと多様性の目標をバランスよく達成する妨げとなり、帰属意識の形成を阻害していることがわかった
感情管理を取り入れた統合的なトレーニングを提案し、メンバーが違いを通じて団結できる最適な帰属意識を促進するための方法を提供
方法
チームトレーニングと多様性トレーニングに関連する研究を包括的にレビューするため、二段階のシステマティック・レビューを実施
①既存のメタアナリシスを通じて、チームトレーニングや多様性トレーニングに関連する主要な実証研究を特定(多様性トレーニング、自己調整学習、チームトレーニング)
②「チーム」「多様性」「感情管理」と「トレーニング」を組み合わせた検索語を用いて、さらなる文献検索を実行。661件の論文が対象となり、そのうち339件が最終的なレビューに含まれた
わかったこと:
チームと多様性トレーニングの統合を目指したトレーニングモデル
研究の結果、感情管理を統合することで、メンバーが違いを通じて団結できる最適な帰属意識が促進されることが示唆されました。
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コンテクスト(Context)
トレーニングの効果に影響を与える3つのレベルのコンテクスト
システミックコンテクスト(Systemic context): 社会的・制度的な背景、特に人種、性別などの構造的な不平等に関連するもの
組織的コンテクスト(Organizational context): 組織内の文化やリーダーシップがトレーニングに与える影響
個人的コンテクスト(Individual context): 参加者個々の経験、スキル、目標志向性などがトレーニングに及ぼす影響
2. トレーニング(Training)
トレーニング自体の内容とその実施方法。ここでは、感情管理を含めた効果的なトレーニング手法が強調
3. ターゲットスキル(Targeted Skills)
トレーニングによって育成されるべき具体的なスキルや成果。これには、感情的、行動的、認知的なスキルが含まれる
4. 最適な帰属意識(Optimal Belonging)
感情管理を通じて達成される、チーム内での最適な帰属意識の状態。この状態は、チームメンバーが一体感を感じながら、個々の違いを尊重し合うことができるようになることを意味する
論文から得た学びと活用場面
感情管理を取り入れた統合的なチームと多様性トレーニングは、従来のトレーニングの欠点を克服し、より効果的な結果をもたらす可能性があることがわかりました。
職場における帰属意識を高め、チームワークと多様性の効果を最大化するため、一度上記のフレームで施策を検討してみるのもよさそうですね。