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社内異動に関するレビュー論文:論文レビュー
こんにちは、原田です。
今回は社内異動に関するレビュー論文です。
今日の論文
Internal Mobility: A Review and Agenda for Future Research
社内異動: 研究のレビューと今後の研究課題
Journal of Management, 2024年1月
Caitlin Ray, Benson Finegold, Laura Dlugos, Henry Keller
サマリ
社内異動は、組織内での個人の移動を指し、頻繁に発生する現象であり、組織全体に影響を及ぼす可能性がある
これまでの数十年にわたる研究は、その原因と結果を示しているものの、用語や特徴が統一されておらず、個別の研究が多く、組織レベルと個人レベルの視点が分断されている
本レビューは、転勤と昇進という二つの主要な社内異動の形態を中心に、個人や組織の関与を統合し、今後の研究課題を提示するもの
方法
1970年から2022年までに発表された1,329件の潜在的に関連する文献をWeb of Scienceで検索し、202件の文献を最終サンプルとして詳細にレビュー
転勤と昇進に分け、それぞれの個人および組織の要因を分析
わかったこと:
社内異動の概念モデル
社内異動は、転勤(transfers)と昇進(promotions)の2つの主要な形式に分かれ、それぞれが個人および組織レベルで異なる前提条件と結果に関連している。
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転勤は、同じ職階内で異動することを指し、主に組織的要因(学習と開発、戦略的圧力)および個人的要因(認識、評価)によって促進される。この異動は、組織(ポジティブ)および個人(ポジティブ、ネガティブ)の両方に影響を与える可能性がある
昇進は、職階の上昇を伴う異動を意味し、組織的要因(人事管理システム、経済状況、管理者要因)や個人の要因(個人の属性、人材や業績、社会的な繋がり)に依存する。昇進は、組織と個人の行動や態度にも影響を与える。
社内労働市場(Internal Labor Markets, ILMs): 組織内での昇進や異動がルールや手続きに基づいて管理され、外部市場の影響を受けにくい労働市場。従業員は通常、組織内の下位職からキャリアをスタートし、昇進や転勤によって内部でキャリアを築いていく
境界のないキャリア(boundaryless careers): 従業員が組織内外で自由にキャリアを形成し、特定の組織に縛られないキャリア。従業員自身がキャリアの意思決定を行い、異動や転職を通じて柔軟にキャリアを築く
論文から得た学びと活用場面
社内異動には、個人の満足度やキャリア志向、組織の戦略的ニーズなどが関連しており、それぞれが異なる結果をもたらすことが確認されました。特に、組織の戦略的ニーズに応じた異動が重要視されています。