プロジェクトチームモデルとリーダーシップに与える影響:論文レビュー
こんにちは、原田です。
今回は、プロジェクトチームモデルとリーダーシップに与える影響に関する論文です。
今日の論文
The Project Manager and Project Team Involvement: Implications for Project Leadership
プロジェクトマネージャーとプロジェクトチームの関与:プロジェクトリーダーシップへの影響
Journal of Leadership StudiesVolume 7, Issue 4Winter/Spring 2001Pages3-109
Kevin P. Grant, T. Scott Graham, and Michael E. Heberling
サマリ
プロジェクトチームの構造は、チームリーダーシップの成功に大きな影響を与える
著者らは、プロジェクトマネージャーとチームメンバーの関与度によって分類される4つの異なるプロジェクトチームモデルを特定し、それぞれのリーダーシップに与える影響を議論している
この研究は、各モデルに適したリーダーシップアプローチを検討するための基礎を提供することを目的としている
方法
32のケーススタディが分析対象とされた
これらは、実際の防衛関連プロジェクトのプロジェクトマネージャーへのインタビューを通じて収集されたものである
インタビューでは、プロジェクト計画、スケジュール、予算、契約、ソフトウェアサポートなどが含まれていた
わかったこと:
4つのプロジェクトチームモデル
指揮者モデル(Conductor Leadership Model)
プロジェクトマネージャーとチームメンバーが共に高い関与度を示す
チームの選択と調和が重要であり、相互学習が発生することが多い
頻繁なチームミーティングが効果的なコミュニケーションを促進
チャンピオンモデル(Champion Leadership Model)
プロジェクトマネージャーが高い関与度を示すが、チームメンバーの関与は必要に応じたものに限られる
チームメンバーの上司との関係を構築することで協力を得やすくなる
チームの一体感を構築する工夫が求められる
振付師モデル(Choreographer Leadership Model)
プロジェクトマネージャーは低い関与度を示し、チームメンバーが主体的に活動
プロジェクトマネージャーの関与不足によるリーダーシップの欠如や競争が課題
厳格な監視と適切な代行者の設置が有効な戦略とされる
クラブディレクターモデル(Club Director Model)
プロジェクトマネージャーとチームメンバーの双方が低い関与度を示す
チームメンバーの役割や関与を明確化する必要がある
過剰な会議やコミュニケーションを避け、効率的な情報共有が重要
論文から得た学び
それぞれのモデルに固有のリーダーシップ課題が存在し、これに適応するための戦略が求められることが主張されていました。たとえば、指揮者モデルでは、メンバー間の役割の調整や優秀な人材の確保が重要となる一方、チャンピオンモデルでは、関与が限られるメンバーの献身を確保するために、上司との関係構築が鍵となると示されています。