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「#勝手に1万人プロジェクト」の過去、現在、そして未来 #レノファ観戦記

7,269人。
その発表があったとき、「やっぱりかぁ。そんなものなのか…。」それが素直な心境だった。
6/2のレノファ山口FCと清水エスパルス戦。試合当日、スタジアムを見回すと、全体の約半分くらいかなという印象だった。満員が1万5千人ということは、今日は7~8千人くらいかな?と予想は付けていたが、その範囲内でも下位の方だ。無意識のうちに、もう少し入っていてほしいと思っていたのかもしれない。

期待感はあった。事前にゴール裏のチケットが売り切れになっていたし、指定席も残りわずかになっていた。
それでも7千人。
「#勝手に1万人プロジェクト」を応援してくれていたKenfuGさんのコメントが、この切なさを表してくれている。


過去:望外の反応から思いつく

さて、「#勝手に1万人プロジェクト」とか言っても、おそらくほとんどの方が知らないのではないかと思うので説明しておく。
きっかけはこのnoteからだった。

私は普段からレノファ山口FCを応援しているし、もっと多くの方が観に来てくれたら良いのになぁと思っている。
けれど、例えば、清水戦でトークショーを繰り広げた「クロスバー」さん、「通称なんでも氏」さん、ネット上で色々解説されている方たちのように、レノファのサッカーの内容を詳しく説明したり、面白おかしく伝えることはできない。
スタジアムに一緒に行こうと誘える友達も少ない。
ということで、何の役にも立たないなぁと悶々としていた。

そんな中、「Tableau」というツールを使ってデータ分析をしているので、今シーズンのレノファを正面から取り扱ってみたところ、昨年との違いや他チームとの比較ができて、自分でも納得のいく分析結果になった。
興奮した私は、分析結果をnoteにまとめた。
シーズン前に設定した目標に対して、うまくいっていないのは観客数だけ。それと普段の思いが相まって、勢い余って最後に書いてしまった。

クラブが設定する1万人プロジェクトとは別に、サポーターが勝手に作る1万人プロジェクトがあっても良いですよね?

それから数日後、かわいい後輩(というと失礼かな?いろいろ助けてくれている頼れるサポ仲間)が教えてくれた。
「ハラマルさん、先日のレノファの分析をしたnote良かったですよ。」
「ありがとう、見てくれたん?」
「それよりも、あれ、投稿しっぱなしで、そのあと見てないでしょ?すごい見てもらっているんで、ほっとかないで次のアクションした方が良くないですか?」
「え?マジで?なんで私のXがそんなに見られとるん?フォロワーなんかほとんどおらんよ。次のアクションって何?」
「分析が分かりやすかったからですかね。いや、最後、何か中途半端な投げかけみたくで終わっているから、尻切れトンボ感があるんで、次のアクションした方が良いですよ。例えば、分かりやすいメッセージを送るとか。」
「メッセージかぁ。う~ん、考えてみるか。自分の投稿に返信するかたちで言えば良いんかな?この吹き出しマーク押して?」
「いや、それじゃ誰も気づかないんで。自分の投稿を引用リポストして。カッコのマークですよ。ちゃんとタグ付けてくださいよ。タグ、分かります?」
「タグかぁ~。う~ん、どうしよう?」

そこで生まれた、「#勝手に1万人プロジェクト」。
クラブが設定している次の「#総力1万人プロジェクト」が8月なので、そこまで待たなくても良いじゃないか!サポーターが勝手にプロジェクトを設定して、盛り上がって、お客さんを増やしたら面白いんじゃないか?そんな思いで設定した。

経緯がこんなカンジだったし、おそらくほとんどの方は「ハラマルって誰?知らんし。」という状態なので、まぁ面白そうだし、どうせ多くの人は見ないだろうから迷惑もかからんだろうし、ちょっと投稿してみるか、の軽い気持ちだった。

そうは言っても、言い出しっぺが言い放って終わりというのも無責任なので、私にできることを考えて、noteを書いて「#勝手に1万人プロジェクト」というタグを、しつこいくらい使ってみた。

この分析では、曇の日のレノファは負け知らず、ということを発見。(実際、清水戦は公式記録では曇!データどおり。)

レノファ観戦記も書いてみた。

「誰か一人でも、これでスタジアムに行ってみようかという気持ちになったらうれしいなぁ」という気持ちだったが、見てもらったら分かる通り、大した反響があったわけでもない。

ただ、少しずつ「#勝手に1万人プロジェクト」というタグを使ってくれたり、いいねを押してくれる人が増えてきた。

自分がやったことの成果としての実感は全くなかったけれど、試合を控えた週には、クラブから次々と魅力的なイベントが発表され、にわかに盛り上がってきた。

試合前々日には、小山会長も。

会長が使ったら「勝手に」なのか、微妙にw

現在:失望の中に光を見出す

経緯としてはこんな状況で、最初のnoteで望外の反応をいただいたことからの思いつきだった。
そこで迎えた清水戦。冒頭のような反応になったところである。

誤解を招かないように言っておかないといけないのは、この清水戦にスタジアムに来られた7千人は、私の影響なんて全然関係なかったんじゃないかと思っている。
「1万人に声かけたけれど7千人しか集められなかった、ごめん」なんて、全然思っていない。そもそも、そんなことできると思っていない。
タグを見かけた方の中には「誰?コレ?勝手にこんなこと決めてやるなよ。」と気分を悪くした人もいるかもしれない。そしたらマイナスに働いている可能性もある。

この日の集客の主な理由はいろいろあると思うけれど、スポンサー企業である不二輸送機工業株式会社さんの企画(抽選1000名へのレノ丸フィギアプレゼント、先着5000名へのメガホンプレゼント)や、クラブが立て続けに発表したイベント、何よりも期待感が高いチーム状況、ネームバリューのある対戦相手、そういった要素で観客数が増えたということで間違いない。

私と、頼れる仲間が直接誘った10人程度は私の頑張りかもしれないが、それにしても、上記の要素があるから、「じゃあ、行ってみよう」になったものだと思っている。

いろいろやってみて、「いいね」もたくさんいただき、すごくうれしかったけれど、一方でよく分かったのは、じゃあ、実際にスタジアムに行ってみようかという行動変容にまで至るには、大きな壁がある。
チケット代を払う必要があるので当たり前のことではあるが、その壁を超えるほどの魅力を伝えられたかというと、まだまだ力が足りないというか、全く戦力になっていなかったと思う。
「7千人しか集められなかった」ではなく「10人しか集められなかった」。これが素直な思い。

それでも。
それでも、私は、今回の取組をやって良かったと思っている。

それは、少しずつ「#勝手に1万人プロジェクト」のタグの輪が広がっていることだ。見ず知らずの方が共感いただき、参加いただいている。
私一人では10人くらいが限界だったが、私より仲間・友達が多い方、影響力のある方が協力してくれることで、前向きな情報発信と誘客力はドンドン増えていくだろう。

7千人という観客数、個人的な受け止めは先述のとおりだが、そんな主観的な表現ではなくて、きちんと客観的に見てみると、次のようになる。

  • 今シーズンのレノファ山口FCのホーム戦(9試合)の平均は5,015人

  • 今シーズンの最大は8,906人(秋田戦)、2位は7,694人(山形戦)で、いずれもクラブが設定した公式の「総力1万人プロジェクト」の試合

  • 清水戦の7,269人は、今シーズン3番目に多い

つまり、「#勝手に1万人プロジェクト」は、クラブの公式な呼びかけがないにもかかわらず、1万人プロジェクトと同規模(2位に肉薄)の観客数だった。
こうしてみると、私個人の取組としては「成果なし」の評価だが、クラブ・サポーター全員の取組の評価としては「大成功」と評価していいのではないかと思う。

そしてもう一点。
普通の企業だったら、お客さんが勝手に「この日はこうしよう」とか企画を始めたら、「オイオイ、やめてよ」となるに違いない。「いや、1万人プロジェクトは違う日ですよ」と。怒られちゃわないか少し心配でもあった。
ところが、黙認していただいたどころか、会長まで乗ってくるし、何なら、もしかしたら、私に同情して、試合直前にイベントを追加してくれたんじゃないか?というくらい、ラッシュのリリースがあった。(これは考え過ぎな気もする。)

どうやら、このレノファ山口FCというクラブは、サポーターの企画を大事にしてくれる最高のクラブらしい。
こんな貴重な体験をすることができた。

未来:これからの発展を切望する

最後に、「#勝手に1万人プロジェクト」の未来を考えてみる。

清水戦、スタジアムに居合わせた人だけでなく、中継を見ていた人からも、応援に迫力があったとの声を聴いた。私もそう体感した。

ここで、さっきの7千人という数字を、別の観点から見てみると、驚くべき結果となる。

  • 清水エスパルスの今シーズンのホーム戦の平均観客数が14,268人

  • これは6/2清水戦の1.96倍、レノファの平均観客数の2.85倍

7千人の応援で「選手の後押しができた」と思った人は多いだろう。
でも、清水エスパルスは、平均で、あの日の倍の観客からの応援をホームで受けている。レノファの平均と比べたら3倍に近い数字。
当然、観客数と強さが完全に比例するわけではないが、でも、「そりゃ、強いわけだ」と誰しも思うだろう。

実は、スタジアム周辺人口が、レノファはJリーグ60チーム中58位!という不利な状況にある、という仕方ない理由もある。
(下の記事に記載しているので興味があれば見てみてください)

でも、だからって、諦める?
7千人であんな応援ができることを知った。みらスタが最大1万5千人収容できるということは、あの日の倍の応援ができる可能性があるわけで、一体どうなるのか、私は興味ある。

私は常々、レノファの選手がインタビュー等で「たくさんのお客さんに来ていただいて…」みたいな発言を聞くと、心を痛めていた。
レノファって、観客数が少ないということで、選手にも認識されているのか、これくらいで多いって言われるなんて…と。

吉岡選手が、6/2清水戦について、「最高の雰囲気」と言ってくれたのは、素直にうれしい。また頑張りたいと思う。

・・・でも、違うんですよ。
これが、「最高」じゃないんですよ。最高到達点じゃない。
もっと、私たちも上を目指せますから。
もっと後押しできますから。きっと。

これまでは、クラブが「イベントをやります」「優待・招待券を発行します」という発表があれば、それを友人知人に拡散して誘ってたが、これじゃ、いつまで経っても「クラブのイベント待ち」ではないか。

今回、私は、全く部外者にも関わらず、イベントにも関係なく、観戦を呼びかけてみた。
そんなことして良いの?良いんじゃないでしょうか。
「俺たちがレノファ 誇りを胸に オレンジの勇者 勝利をつかめ」
俺たちがレノファだと、誇りをもって誘えば。

クラブが一人ひとりに対してマーケティングをするのも限界がある。
情報が届き切らないし、行動変容を促すためのあと一押しがどうしても足りない。
代わりに、我々がレノファとなって、その役目を買って出てはどうだろうか?

「#勝手に1万人プロジェクト」
私は、タグって、チャントに似ていると思う。
本当はもっとみんなが好き勝手に言っても良いのかもしれないけれど、息を合わせようと思ったら、みんなが同時に同じフレーズにした方が、息を合わせやすいよねという。
別にこのタグに拘る必要もない。もっと良いタグを誰か作ってくれたら私はそれに乗っかるつもりでいる。

スタジアムの外でも、レノファの一員だという誇りを持って、チャントを歌って(タグを使って)、周りを誘っていきましょう。
そのうち、掛け声なくても息が合うようになるでしょう。
誘い合わせなくても勝手に1万人集まるようになったら、すごいよね。
それが真の意味で、「#勝手に1万人プロジェクト」の夢の果てではないでしょうか。

8/3、8/31に予定されている本物の「総力1万人プロジェクト」はもちろんのこと、今週末の千葉戦も大事な試合。
多くのサポーターが過去の失速経験を語っているように、翌週からの後半戦も、良い出足が必要。
どの試合も、選手をもっと後押ししたい。
同じ想いの方は、一緒に取り組んで行きましょう。
それが、これからの「#勝手に1万人プロジェクト」。
どの試合のこと?どの試合のことでもない。俺たちがレノファという誇りで、ポジティブに周りを誘う、その精神。そういう意味で使い続けたい。

…ところで、「あとちょっとで1万人に届きそうなのになぁ~」ということがあったら、サポーターが「#勝手に餅まき」したら面白そうですよね。近所の方は絶対に集まると思う。でも、会場が危ないよな、それにいくらお金がかかるんだろう…。
いや、文末で軽い冗談たたくと、今回みたく後で大変になりそうだから、今回はこの辺でやめておこう。

それでは皆さん、6/8土曜日の千葉戦、スタジアムでお会いしましょう。


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