断髪、女子会、建築祭
5月に入ってからイベントが目白押しで、前回の日記から1ヶ月近く空いてしまった。
というのも、6月から職場に復帰することが決まり、残りの1ヶ月悔いのないように過ごそうと予定を詰めすぎてしまったのだ。
高校の友人と音楽フェスに行ったり、恋人とはじめて旅行に行ったり、ビアフェスや方方の友人等と女子会をしたりした。
はじめて恋人にイラッとしたり、連日の不摂生で胃が悲鳴をあげたり、噂話に翻弄されたりした。
休職中に取りたいと思っていた資格を取得することもできた。
その間書いたり書かなかったりした日記は、まとめて更新するにも穴開きで気持ちが悪いので一旦下書きにしまって置く。
2024/05/23
胸まであった髪の毛をばっさり切った。
6月から自転車で外を回る仕事が再開する。猛暑に備える為だ。
大学3年の時にヘアドネーションをしてボブにしてからずっと伸ばしていたので、約5年ぶりだ。
面長で顔が大きいので似合うか心配であった。
インスタで「ショート 面長」等と検索して髪型を決める。
サプライズで会って万一微妙な反応をされたら立ち直れないので、恋人には事前に
「来週髪の毛短くするから!どんなにアレでも絶対可愛いって言ってね!」
と保険をかけておいた。
担当の美容師さんに
「これくらい短くしたいんですけど、ショート似合う顔の比率じゃないので心配で…顔が大きく見えそうだったらもう少し長めでもいいです…」
と相談したら
「短いの全然似合うと思いますよ!いっちゃいましょう!!」
と背中を押してくれた。
胸を覆っていた髪の毛は肩に付かない程になった。髪を括っていないのに、首筋に風があたる感覚が変な感じだ。
理想通りの髪型にしてもらえてルンルンで友人と待ち合わせている駅に向った。
大学時代に一番お世話になった友人と私の行きつけの呑み屋巡りをした。
恋愛や仕事で転換期にいる友人と、
「どうやったら結婚できんのかねぇ…」
「私等割と優良物件だと思うんだけどねぇ…」
なんてはなしながらビールを飲んだ。
友人は終電で彼氏の下へ帰ったが、私は最後の店で一緒になった飲み友とスナックへ行き、4時の朝焼けを眺めながら帰った。
2024/05/24
昼の11時に目がさめた。
朝までの酒に胃袋がやられている。
そろそろ肝臓を労らなければと思い、ターメリックミルクを啜った。
低カロリー豆乳にターメリックとはちみつを一匙入れた飲み物だ。
胃もたれで食欲は無いが、何かしらお腹に優しいタンパク質が取りたかったので、ギリシャヨーグルトにきな粉とシナモンをかけて食べた。
最近刃牙を布教されていたので、さながら烈海王の薬膳ご飯みたいだな。なんて考えながら食べていた。
恋人が仕事終わりにこちらに来るか迷っていたので、祖母からもらった食材を一緒に消費してほしいと頼んだ所、うちで夕飯を食べることになった。
しめしめ。
未だに「会いたいな♡」と可愛くお願いできない性分なので、なんだかんだ理由を考えてしまう。
いい理由があって助かった。
卵が大量に余っていたので、メインは親子丼にした。恋人は味噌汁や野菜が好きなので、おかずも何品か作った。
親子丼なら三つ葉が欲しい所だったが、その為に外に出るのが億劫で諦めてしまった。
仕事を終えた恋人が我が家に着くのが22時。
「遅くなっちゃうから先に食べてて」
という言葉に甘え、パクパクつまみ食いをしながら作った。
Siriがまだ生きていた頃覚えてる?
胃袋掴んだ時の選曲
作りながら、はじめて料理を振る舞った時のことを思い出す。
あの頃はまだうちのwifeが生きていて、二人で人工知能に話しかけながらお互いの好きな曲を流したり、人工知能が選曲したBGMに「この曲いい
よね」と盛り上がったりしていた。
最寄り駅に着いたというLINEが届いたので鶏肉と卵を煮たものに溶き卵を回しかける。
お味噌汁を温め治していると、ガチャガチャと鍵をあける音がした。
「うわ〜〜〜!!!短い!!」
「ただいま」の代わりにそんな歓声が聞こえた。
「結局ここまで切っちゃいました」
「うわ〜!見慣れない!出会ったときからずっと髪の毛長かったもんね。似合うね!」
素直な褒めの言葉に嬉しいやら恥ずかしいやらで、美容師さんとの会話や、その後の飲み屋で茶化されたこと等を早口で話してしまう。
恋人はそれをにこにこ聞きながら、私の髪を掬って
「いつもここらへんまであったから、もう無い筈の下の方まで触ろうとしちゃう」
と笑っていた。
なんだそれ。と思いながらも、髪に触れてくれた事が嬉しくて、「変なの」と私も笑った。
恋人が買ってきてくれた缶ビールをあけて、並んで親子丼を食べた。
食べながら、実家の親子丼は具材が小さめである事、好きなお味噌の具の話、昨日の出来事、色々話した。
翌日は共通の友人達と思いっきり酒を飲む予定だったので、お酒はそこそこに早めに寝ようと言っていた筈なのに、気が付いたら外が明るくなっていた。
生の縁二人でなぞり来る朝は
イエスが生まれたあの日と同じ
他愛もない話、恋バナ、死生観、夜が深くなってくると色んな話をする。
話をする度に新しい恋人を知る。
新しい二人になって、新しい私になる。
他者と触れて新しくなった私は、新しい世界を生きる。生きている事だなと思う。
2024/05/26
友人達とは17時待ち合わせだったので、日中は私の要望で東京建築祭に行くことになった。
東京駅で降りて、気になっていたパン屋さんでブランチを食べた。
私はとうもろこし生地のサンドイッチとスコーン、恋人はサンドイッチとシナモンロールを食べた。
一方では具材のキャロットラペとフォカッチャ生地に感動し、一方ではスコーンのバターとザクザクに心を掴まれていた。
美味しいパンのおこぼれをいつも食べているであろう、兜町のハト達は良い毛艶をしていた。
大本命を見に行く前に、丁度パン屋さんの近くにあった日証館に寄った。
大理石の階段が正方形に小さな螺旋を描いて真上に伸びていた。それを真下から眺め、思わず感嘆の声が漏れた。
2軒目は三井本館だ。
日本橋三越を過ぎると行列が見えた。予想を超える長さに
「えっ、まさかコレ…??」と信じたくない気持ちが勝つ。気候は良かったので大人しく並ぶことにした。
建築が特別好きな訳では無い上に、行列が苦手な恋人にはこの大行列の先は10畳程度のエレベーターホールがあるだけという事は黙っていた。
恋人は三井住友カードユーザーなので、「お世話になってます」とカードを持って看板の前で写真を撮ったりした。
待機時間の半分は、格好いい日本銀行を眺めながら待つことができた。
建物と一緒にデザインされた受付カウンターや、エレベーターの文字盤、大理石の壁と何重も縁取られた天井にときめいた。
三井本館で思いの外時間を取られてしまったため、急ぎ足で大本命の丸石ビルディングに向かう。
ありがたい事に並び無しでエントランスを見学することができた。
タイル展に行ってから好きになってしまったテラコッタをの壁を思う存分堪能した。
2階からのスクラッチタイルの色ムラが経年による味わいをより濃くしているのも堪らない。
オタク文化を通ってこなかった恋人が秋葉原に行ってみたいというと言うので、秋葉原まで歩いて帰りの電車に乗った。
埼玉に戻って友人達と合流し、百貨店の屋上でバーベキューをした。
はじめての屋上ビアガーデンだったのもあって、ビールが一際美味しかった。
普段皆で良く行くスナックを早めに開けて貰い、2軒目とした。
店が開く21時までは貸し切り状態なので、ベイブレードにハマっている男性陣(アラサー4人)は今のうちだとプラスチック製のスタジアムとベイを取り出し、3,2,1!ゴー、シュー!と叫ぶ。
女性陣はやれやれとポップコーンをつまみながらカウンターで女子トークをした。
普段もっと話したい!と思っていた先輩女子2人と沢山話せて幸せだった。ベイブレードに感謝しないといけない。
21時までにベイブレード大会は終了し、そこからはボックス席で歌ったり飲んだり笑ったりした。
酔って楽しくなっている恋人が間違えてずっと私の酒を呑んでいるのを、幸せな気持ちで眺めたりした。
1時頃に解散し、二人で友人にタクシーに乗せてもらいいつものコンビニまで送ってもらった。
タクシーの窓から「次は競馬な!」と両手でキスを投げる友人が可愛かった。
350mlのビールを1本ずつ買い、家に帰ってから「楽しかったねぇ」と話しながら飲んだ。
2024/05/26
昼前に起きる。
今日はどう過ごそうかなぁとお互い話しながらしばらくだらける。
何もせずに1日が終わってしまいそうだったのでとりあえずシャワーを浴びる。
12時になる頃恋人を見送った。
19時から高校の友人や後輩と新宿で呑む予定だったので、身支度をする。
身支度をしてからはnoteを書いたり、洗濯をしていたりしたらあっという間に家を出る時間になってしまった。
時間丁度に店に着く。
1番乗りだったので、煙草を吸って待っていると60代位の男性に話しかけられた。
「すみません、写真取ってもらえますか?同窓会なんです」
同じタイミングで待ち合わせていた後輩が来たので、二人でキャッキャしながら5,6人の楽しげな同窓生達の写真を取った。
写真ついでに動画を回して、ほろ酔いで気分が良くなったお父さん世代と少しお話したりした。
その日飲む予定の3人のうち2人は会うのが高校卒業以来であった。はじめは少し緊張していたが、着々と人生のステージを進める同級生や後輩に、色んな相談事に乗って貰ってしまった。
数年経ってより綺麗になった3人に囲まれて、美味しいおでんやヤングコーンをつまんだ。
帰り道は後輩と二人になった。
「実は最近短歌が好きで…!」
と言うもんだから、つい話に熱が入ってしまった。
楽しい幸せ気分でラーメンを啜って眠る。
今迄〆アイス派だったが、遂に酒を飲んでしょっぱい汁と麺が食べたい人間になってしまったんだ…と震えながら。
2024/05/27
中学の同級生がランチに誘ってくれた。
丁度実家に忘れ物をしていたので、地元でご飯を食べることになった。
可愛いピンク髪の友人が黒いブラウスとスカートをヒラヒラさせ、髪の毛と同じ色のアイシャドウをキラキラさせていて、眺めているだけで幸せだった。
イタリアンへ行って、梅のクリームパスタとジェノベピザを半分こして食べた。
ランチのお店だけでは話足りず、ベローチェでデザートにソフトクリームも食べた。
友人の恋人は北海道の出身で、玉ねぎとアスパラが山のようにあるんだとおすそ分けしてくれた。
アスパラはずっしりと太く、玉ねぎは艷やかで新鮮な匂いを放っている。玉ねぎの香りを放ちながら、どんなふうにして食べようかワクワクしながら実家に向った。
忘れ物を整理していたら、丁度末の妹が帰ってきて、最近メイクにハマっていることを早口で話してくれた。
丁度家を整理していた時に出てきた使わない化粧品を持ってきていたので、渡すととても喜んでくれた。
6路を過ぎて、帰ろうとした所で丁度父が帰ってきた。倒れてから禁酒をはじめて3ヶ月になろうとしている父はそろそろ我慢の限界らしく、話を聞いていたら時間が遅くなってしまった。
生活習慣病は、本人が原因との付き合い方を考えること、環境を整えることが大事だ。傾聴し、医療職としての見解は説明したものの、納得しきれていない様子の父を思い出し、力不足を感じながら自宅へ戻った。
20時に恋人から電話しようと約束をしていたので、ちょうど良い時間に家に戻ることができた。
日曜日まで一緒にいたので、その間の出来事を話す。私が話す楽しかったことを、一緒にいるときと同じ様に笑いながら聞いてくれた。
「俺は仕事だったしそんなに話す事ないなぁ」
疲れたから甘いの食べよ〜と、ブラックサンダーを囓る音が聞こえる。「ASMRじゃん」と笑う。
「そんなに話す事が無い」のに、「電話をしよう」と恋人の方から言ってくれた事が堪らなく嬉しかった。
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