ICUの天井のスライムに見送られ
初めまして、こんにちは、こんばんは。
HARAKIRI女です。
今回は無事に手術という名の腹切りを終えて、ICU(集中治療室)での奇妙な出来事を話そうと思います。
丁度ヘッダー画像と同じような緑色のスライムでした。
周りの医師の「HARAKIRIちゃん、プリン置いとくね」という声と、首からの点滴(中心静脈カテーテル)と腕からの点滴が、機械仕掛けの点滴(輸液ポンプ)に繋がれている自分が見えた。
天上をみると、10匹ほどのスライムが。
薄い緑色で、ゼリーのようにプルプルしたものもいれば、粘土スライムのようにやわいのも張り付いていた。
明晰夢というものなのだろうか。
スライムな世界は夢だけど夢じゃないのかもしれないと当時感じていた。
当時の自分は、手術は怖くなかった。
それよりも、学校に行く方が怖かったので、長く入院できるというメリットで手術をすることを選んだのだ。
どのくらい入院できるかというと最低でも3か月は入院できる。
病院では、老若男女と友達になっていた。
まあ、声かけまくっていただけなんだが。
「HARAKIRIちゃんがいるとみんな明るくなる」
看護婦さんはそんなことを言ってくれた。
だが、それはみんなが病気や病院というものが悲しいものだと思っているから対比してそう見えたんだと思う。
僕にとって「病院」は楽しいところだった。
点滴や注射は痛くとも、いじめる子もいない。
大人の人も、同い年の人も、看護婦さんも優しい。
だから笑っていられたのだ。
僕は、学校では貞子とも言われていた。
黒髪でロングで下を向いていたから?
でも、病院でも同じ髪型だった。
下手したら病院にいた方が、ムーンフェイス(ステロイドが原因で顔がふっくらする現象)という顔になっていて不細工だった。
スライムの夢を見た時だって、すごいお腹のところにずっと鉄板が入っているんじゃないかというくらい、重く固く感じた。
それでも、いじめられるよりはマシだった。
願う事なら病院にずっと入院していたかった。
病院の中で僕もスライムになっていればよかったと思ったほどだ。
もしかしたら、無数に漂っていたスライムは手術後の山場を越えられなかった人の魂だったのかもしれない。