ヴァージン・スーサイズとクレイジー・オン・ユー
ソフィア・コッポラ監督が好きな理由として「音楽のセンスがいい」ということがある。「ヴァージン・スーサイズ」しかり「ロスト・イン・トランスレーション」しかり。
「ヴァージン・スーサイズ」で特に好きなところが「クレイジー・オン・ユー」の使い方である。
ハートの「クレイジー・オン・ユー」はスパニッシュギターを思わせるアコースティックギターのソロから始まり、一瞬静かになったと思うと一点激しくなって盛り上がっていくという、思い悩んでいたけど心の盛り上がりを止められない恋心をまさに音楽で表現した至高のイントロなのだが、これがストーリーと噛み合い「このシーンにはこの曲しかありえない」というベストな組み合わせである。
デートが終わり車に一人戻ったところでイントロが挿入され、この曲を知っている観客には曲の盛り上がりに合わせて「来るぞ」と思わせたところで、期待を裏切らずクリスティン・ダンストが駆けてきて激しいキスを交わす交わすという音楽とストーリーのシンクロがもう最高である。
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