Vol.11 原田メソッド「4大教育」と現代日本 ③(2009/2/3)
4大教育についてのお話も3回目となりました。今回は、「職能教育」についてお話します。
「職能」とは、スキルやノウハウのことです。
「原田メソッド」の大切な共通認識は、「思いが先、ノウハウは後」です。
つまり、まずは思い・ミッション・夢・理想・目的を掲げます。
そして、その思いに沿った現在の目の前の目標を設定します。
何とか実現したい、なしとげたい!という強い思いと具体的な目標があれば、方法はそこからじっくり考えればよいし、思いが強ければ自然と学ぼうという気にもなる。ということです。くじ引き理論ともいいましたね。
そして何より、「人間力>仕事力」ですから、人格の向上=人間としての魅力・器の大きさがあってこそ、仕事でも成果を出せて、周りからも認められるのです。
しかし、だからといって、「スキル・ノウハウ・仕事力」が重要でない、と言っているのではありません。
人間力>仕事力、とは、人間力が土台となる、という意味のほかに、「人間力が先ですよ」という優先順位を表しています。
人間力を磨けば、心のコップが上を向き、素直で前向き、積極的な生き方態度・姿勢が身に付きますから、当然、スキルやノウハウを学び、吸収する姿勢も積極的になります。
人間力を磨けば、スキルやノウハウが勝手に伸びるのではありません。人間力を磨けば、スキルやノウハウを伸ばすための「扉」が開かれるのです。
私は、中学校で陸上競技の指導をしていたとき、陸上競技に関しての最新・最高のスキル・ノウハウを知りたいと強く思っていました。
わからないことにぶつかったときは、著名な指導者に連絡を取り、直接お会いして教えを乞いました。実際に、多くの選手を遠方まで連れていったこともあります。
今、思い出しても当時は必死でした。
その理由は、厳しい教育環境の中にあり、多くの問題を抱えていた子供達に対して、「子供達と地域に夢・自信・誇りを与え、陸上競技で人生を教える。そして絶対陸上競技で日本一を作る」という、強い思いと目標がありました。そこから、誰に対しても頭を下げ、素直に謙虚に教えて頂こうという姿勢が生まれ、効果的なスキルやノウハウを身につけることができたのだと確信しています。
「思い」「決めること」「素直な生き方態度=人間力」があれば、あなたの可能性は、まだまだ大きく広がっていくのです。
「思いが先」を銘記してください。
自立型人間は、思い・目的と明確な目標を持ち、意志の力でスキルを磨き、結果・成果を出し、愛の力でそれを分け与える人のことを示します。
(感謝・原田隆史)2009年2月3日発行
*発行当時の文章から一部を変更している場合があります。