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Vol.44 【目的・目標 新たな視点】(2009/9/22)

前回まで2回連続で、目標設定の前にまず大切な「思い=目的」についてお話させていただきました。

今回は、その話をさらに進めて、目標と目的の新しい観点について短いお話
を紹介し、目標と目的についてのまとめとしたいと思います。

目標の前に「何のための目標なのか」と強い目的意識を持つことは、目標達成における困難な場面を乗り越える力となり、また、他者や社会への意識を広め社会性を育てることにもなります。目的が目標を強化し、その達成を促進するということです。

目標と目的の関係には、さらに興味深い一面があります。
今年(2009年)の甲子園を湧かせた超高校級投手、岩手県・花巻東高校の 菊池雄星投手は大変な読書家で、各誌の取材では愛読書に私の著書をあげてくれています。
彼は準優勝だった春のセンバツでは、私の「60日間ワークブック」を実践し、目標管理をおこなっていました。昨日も東京教師塾の塾生が花巻東高校を視察し、菊池君を激励しました。

彼の目標は大変ユニークで、「甲子園で勝つ」というものではありません。
「甲子園で勝つために」という目的があり、その目標として「1試合のファー
ボールの数」を「最高・中間・絶対」と3段階で決めていました。
このように、一見目標と見えるものが目的にもなることを知っておくことは大変重要です。
「甲子園で勝つ」ために「ファーボールを1試合4つ以下」という目標があり、「ファーボールを4つ以下にする」ために、「ピッチングフォームは・・・を意識する」という目標、「最高のピッチングフォーム」のために、「普段の練習では・・・」このように、目的と目標がスパイラル(螺旋)状に絡まり合いながら、それぞれを向上させ深化させていくのです。

目標設定やそれを補完する目的については、ご紹介した以外にもたくさんの考え方があるはずです。
乱世の現代において大切なことは、この時代を生き抜いていく力と技を自ら身につけると同時に、自利だけにとどまらずその働きが他者への利益となるような、「自利即利他」の心を育てることだと考えています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
                                                                                     (感謝・原田 隆史)2009年9月22日発行
*発行当時の文章から一部を変更している場合があります。

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