見出し画像

仕事でつかえる会計学、その➂

開示資料

日本の上場企業は、①会社法に基づく「事業報告等」と②金商法に基づく「有価証券報告書」という2つの法定開示書類と、証券取引所の上場規定で要請される「決算短信」、あわせて3つの制度開示書類を作成している。また、金商法と取引所上場規定では、四半期ごとの開示(四半期報告書、四半期決算短信)も要請されている(廃止の方向性あり)。

(出所:https://www.meti.go.jp/press/2020/01/20210118001/20210118001.html

制度開示は、①株主及び会社債権者への情報提供(会社法)、②株主・投資家への十分な情報開示の確保(金商法)、➂投資家に対する財務情報を中心とした速報値としての情報提供(証券取引所上場規定)、それぞれの目的に対応すべく構築されている。


開示日程

株主総会は、基本決算から3か月以内に株主総会を開催することになっている。尚、株主総会における株主の権利行使については、コーポ―レートガバナンスコードや補充原則が定められており、株主総会の日程や株主への情報提供には留意が必要である。

コーポ―レートガバナンスコード:

  • 補充原則1-2①「上場会社は株主総会において株主が適切な判断を行うことに資すると考えられる情報については必要に応じて的確に提供すべきである」

  • 補充原則1-2②「上場会社は株主が総会議案の十分な検討期間を確保できるように、招集通知に記載する情報の正確性を担保しつつその早期発送に努めるべきであり、招集通知に記載する情報は株主総会の招集にかかわる取締役会決議から招集通知を発送するまでの間に、TDnetや自社のウェブサイトにより電子的に公表すべきである」

  • 補充原則1-2➂「上場会社は、株主との建設的な対話の充実やそのための正確な情報提供等の観点を考慮し、株主総会開催日をはじめとする株主総会関連の日程の適切な設定を行うべきである」

これらを考慮し、現在は①有価証券報告書は株主総会終了後、②事業報告等(招集通知+計算書類)は株主総会の2週間前までに発送、➂決算短信は45日以内。

定時株主総会までの決算の流れ


(1) 取締役の計算書類等の提出:期限の定めなし
(2) 会計監査人の監査報告の通知:基本4週間(付属明細1週間)
(3) 監査役会の監査報告の通知:基本1週間
(4) 取締役会による計算書類等の承認:期限の定めなし
(5) 株主総会招集通知の発送:2週間(上場)
(6) 定時株主総会:


その他:

①法令について全体像

出所:https://www.meti.go.jp/press/2020/01/20210118001/20210118001-1.pdf

②監査(会社法監査および金商法監査)

出所:https://www.meti.go.jp/press/2020/01/20210118001/20210118001-1.pdf


いいなと思ったら応援しよう!