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キュレーションとディレクションの違い。

当たり前の話なんですけど、毎度毎度展覧会の企画って本当に難しいんですよね。10年やってて当初よりは随分と慣れてきたものの、毎回反省点も多々あります。


ちなみに企画展とかよく言う言葉の中にアート業界には"キュレーション""ディレクション"という言葉があって、同じように見えてその言葉の意味は全然違ったりします。


それぞれ

"キュレーション(Curation)"を行うのは"キュレーター"

"ディレクション(Direction)"を行うのは"ディレクター"

ですね。


キュレーションって言葉をよく聞くのはネット系になるのかな?キュレーションサイト、とかよく聞きますね。つまりおすすめとかトレンドをテーマごとにまとめるような意味あいです。


ディレクションという言葉はよく聞くのはテレビや映画のディレクター、でしょうか。


アート業界的にもキュレーションとディレクションって同じように見えて内容は絶妙に違います。で、僕が行なっているのは基本的にディレクションという意識です。

作家さんの作品を集めて全体的にどう見せるか?を意識しています。なのであんまり細かいテーマを設定することもありません。

展示に関しての全体的な進め方とか予算組とか、そーゆーのが僕は向いていると思っています。


ではキュレーションとは何か?展覧会そのもののコンセプト、編集のような役割のイメージです。一つ一つの作品を選定して展示を通して歴史や美術史などとどう文脈つけるか?のような役割だと思っています。


めちゃめちゃ雑に例えてみると猫のイラストを集めたような展覧会を組む仕事はディレクター。

戦争画のようなイラストを集めて展覧会を通して歴史的背景を浮かび上がらせるような展覧会を組む仕事はキュレーター、みたいな感じかな?(わかりやすく伝える為の超雑な例なので細かいことは突かないで)


僕はできないことはやらないと割り切って仕事をしているので、例えば自分でデザインとかもほとんどしません。


ディレクションとキュレーションの違いについても、僕は個々の作品を選定して作品一つ一つの関係性を文脈つけて・・・と言うことはあんまり得意ではないので意識せずにやってます。なんとなくジャンルで統一する、くらいです。


展覧会を企画する際にディレクションとキュレーションの違いを理解した上で使わないとちょっと恥ずかしいことになるかもしれませんね。


まとめ



アート業界におけるキュレーターとディレクターの違いを簡潔にまとめると:

  • キュレーター:展覧会のテーマ設定作品選定を行い、既存の作品に新しい文脈や意味を与える「編集者」。

  • ディレクター:展覧会全体の企画・運営を統括し、空間デザインやスケジュール管理などを通じて全体を形にする「指揮者」。

キュレーターが「何を見せるか」を考えるのに対し、ディレクターは「どう見せるか」を指揮します。


こんな感じかなーと思います。あくまで日本でのことだとこんな感じかな?ってイメージです。海外事情は分かりませんので間違ってたら指摘してください。


と、いうことでアトリエ三月でディレクションさせていただいているNU茶屋町のwindow gallery NUANCEでは新しい展示がスタートしております。是非ご覧ください〜





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原 康浩/画家・アトリエ三月主宰
大阪で絵画制作や美術活動をしつつ、ARTspace&BARアトリエ三月を運営しています。サポート頂いた分は活動費やスペース運営費として使用させて頂きます。全ての人がより良く生きていける為に 美術や表現活動を発信し続けます。