フワッとした写真ばかりでなく。
こんにちは。原です。
今日は料理写真。
料理はフワッとした写真をよく見かけます。
勿論写真としては被写体深度の浅い写真も表現の1つとして必要です。
しかしフワッとした写真は実はピントを浅くしているので、撮影が楽なのです。
さらに言えば、実はi-phoneでもあまり変わらないかもしれません。
でもお店のメニューのような撮影はそうはいきません。
全体的なイメージが想像できて、さらに美味しそうに見えなくてはなりません。
よくいうスタジオ言葉で「シズル感」「コクのある写真」「テクスチャが出ている写真」なんて耳にします。
もちろんクライアントがフワッとした写真を希望した場合はそれで良いと思います。
アングルによってボリューム感や見え方が変わります。
用途によっても変わりますし、フードによっては時間との戦いがシビアな食材もあります。また、器が凝ったものや、色が鮮やかなものもあります。
例えばライティングですが、
パスタの素材をスポットで反射角に光を入れて透明感を強調すると立体感が出て、美味しそうに見えます。具材が立っているなんて言います。
よく反射角に入ってるライティングを「削りのライト」「飛ばしのライト」なんて呼び方もしますね。
スヌートやグリットで直線的なライトを反射角に入れることが多いです。
盛り付けも重要な要素です。お皿に対して具材が多すぎるとボテっとして美味しそうに見えません。
また、散らかりすぎても同じです。
深いお皿や浅いお皿。盛り付けがお皿に対して小さすぎても大きすぎても難しくなります。
赤い色が鮮やかに出過ぎても毒々しくなってしまいますし、白っぽくなりすぎても美味しそうには見えません。
光を回しすぎると立体感が無くなって美味しそうには見えません。
白で囲いすぎてコントラストが浅くなってしまうと、影の部分が少なくなってしまうのと同時に色が出なくなります。
色出しはなるべく順光で、雰囲気はなるべく反射角の光が有効です。
すべては光のバランスです。
後処理で色を足すと、欲しい部分でないところに彩度が上がりすぎ、また補正をかける。するとまた他に影響が出て。。。最終的に中心になる色の軸がずれてどんどんその料理から離れていってしまいます。
かなり微妙なバランスの上に「美味しそう」があると思います。