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いつもとは違う読書体験。『ミシンと金魚』を読んで、打ちのめされた。

こんなの、書けんよ。すごいよ。読んでよ。

今日の通勤時間、行きと帰りで1時間弱、お昼休みの20分ほどで読み切った。久しぶりに止められない、仕事なんてしてられるか!という心境の本に出合えた。

やはり今回もこの方のツイートがアマゾンへ指を誘った。

いつもありがとうございます、ヤンデル先生。

介護福祉士なので認知症が絡む物語には興味があり、読んでみようと思う。
作家の永井みみさんがケアマネージャーをしながら執筆されたという事実にも大変興味があった。

勝手な自分の中の想像はすぐに粉々にされた。
書き出しの一文、これを頭に持ってくるのかケアマネージャーが。
引き込まれ、すぐにわたしは病院の待合室に飛んでいく。
認知症を患っている『カケイさん』がそこにいる。

一人称の語りで最初から最後まで、この読書体験は面白かった。
相手が話している、会話なのにその台詞は『カケイさん』から聞こえてくる。

介護職だから余計に情景がバチッと浮かぶのだろうか。介護したことがない人には、認知症を患う人と関わったことがない人にはどんなふうに映るのか。

足踏みミシンがのってくる感覚。生血のにおいがただよう部屋。嫁の笑い声。


ライターになりたい、書きたい、その想いの一番深いところにある小さなビーズのような塊、それは小説を書きたいという憧れに似たもの。

でも、こんなすごい小説を読んじゃうと、書けないよって打ちのめされるんだ。


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