アルコール依存症者へ贈る愛の言葉-15断酒の継続
断酒をはじめることと断酒を続けることは別の問題だ。
はじめるのも難しいけど、健康診断の結果とか、色々トラブルが起きているとか、可視的な外的要因が増えることが決意の助けになりうる。
そこをクリアしたあと、やめ続けるにはなぜアルコールに溺れることになったのか、内観することが大切だと言われる。
私はこの言い方がキライだ。
自分の悪いところを直せ、強くなれ、というふうに響くからだ。まるでアルコール依存症者はもともと人間として欠陥があるみたいだ。
これも、アルコール依存症になる人は心が弱いんだという思い込みと同じベースの考え方だと思う。
飲みつづければ誰でもアルコール依存症になりうるのだ。
たくさん飲めば、でさえない。
体質によっては人生初めての一杯でアルコール依存症になる人もいると私が読んだ本には記されていた。
ただ誰でも心に傷がある。
その傷の痛みを和らげるために、飲みたいという欲求が強くなるというのは事実だ。
脳が一度アルコールに依存してしまうと、ストレス回避の方法としてアルコールを優先的に選択する回路ができてしまう。
だから自分を見つめ、傷ついた心に気づき癒やすことがとても大切なのだ。
強くなるとか甘えをなくすとかではない。
あなたの心が傷ついているから、その痛みを忘れたいから、お酒の魅力が増すのだ。
お酒なしでも立てるように、あなた自身がまず傷ついた自分に気づいてあげてほしい。