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奥日光湯本温泉で静かに過ごしたこと①
新年度がはじまり、GWが直前に迫った4月末。
普通はあまり旅行には行かない時期に、一泊で奥日光湯本温泉に出かけた。
奥日光湯本温泉は中禅寺湖のさらに奥、湯ノ湖のほとりにある静かな温泉地だ。最寄の日光駅からバスで70分くらいかかるため、公共交通機関でのアクセスは難しく、ちょっとした秘境である。
日光という場所
日光には山があり、温泉があり、湖がある。
男体山という信仰の山があり、女人禁制だった歴史もあり、少し神秘的だ。東京からも近く、自然が豊かで、湖で釣りやヨット遊びができることから、欧米からの要人が過ごすリゾートとして明治時代から栄えてきた。
金谷ホテルをはじめ、いくつかの西洋式の素敵なホテルはその名残だ。当たり前のようにたくさんいる中禅寺湖や湯ノ湖の鱒は、アメリカ人が釣りを楽しむために放流したのが最初らしい。
今や、養殖でブランド鱒が作られ、日光の名物となっている。
そのような歴史的背景があるからか、日光、奥日光は、ただの山奥ではなく、洗練された雰囲気があちこちに感じられた。自然が豊かで山奥なのに、不思議と田舎感がないのだ。
定番の華厳の滝の大きさに圧倒的され、金谷ホテルのボートハウスから中禅寺湖を眺め、鱒の養殖場で餌やりを楽しみ、湯ノ湖に向かった。
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湖とはこんなにも静かなものか
戦場ヶ原を越え、山道を登っていくと、鏡のように静かな湯ノ湖のほとりについた。4月も後半であったが、周囲を囲む山にはまだ雪が残り、新緑にはまだ早く草は枯れ草色だった。色彩の少なさも相まって、静かな湖面はとても幻想的だった。もう、思い残すことはないと思ってあの世に行ったら、こんな感じかもしれない。そんな気がした。
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奥日光山のホテルのこと
宿泊したのは奥日光山のホテル。湯ノ湖で1番規模が大きいのは、部屋から湖が見えそうな国民宿舎だ。奥日光山のホテルは、少し奥まった木立の中にあった。山奥のロッジといった佇まいで、三角の屋根がかわいい建物。ロビーに入ると北欧を感じさせる落ち着いたインテリア。けれども、足元は畳で全館裸足で過ごすことができる。
華美ではなく、狙い過ぎることなく、落ち着いた雰囲気と快適性を兼ね備えている。日本の山奥の温泉だけどなんとなく北欧の山小屋を感じるような可愛さもある。こうゆうのを洗練と言うのではないかしら。
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これから過ごす時間にワクワクしながらお部屋へ。長くなったので至福の温泉やお食事については②に続きます。