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Butterという名のラブレターをもらった日


アミなってから半年以上が経過した。私の彼らへの熱は冷めることがない。まるでAnpanmanのように、私にとってのヒーローはバンタンのメンバーなのかな。子供の時からスーパーヒーローの存在を信じるようなかわいらしいところはなかった。スーパーじゃなくてもいいから人生の身近なところにヒーローみたいな人がいたらいいなと思うけれど、今のところそういう人生にはなっていない(ヒーローをどう定義するかにもよるけれど)。だからバンタンをヒーローだと思っているのかもしれないな。

バンタンが私という人間の存在を知ることは多分一生ないのに、こんなに助けられている。しかも世界中のARMYがそう感じている(ように見える)。どうしてなんだろうといつも考えている。

バンタンを好きになる入り口はやっぱり歌やパフォーマンスという人が一番多いと思う。私もDynamiteから入って、Spring DayやSave Meを聞いて入り込んでいった。彼らを好きになっていくとRun BTSなど彼らの素顔が垣間見えるコンテンツも気になるし見ずにはいられない。私もそんな一人で様々なコンテンツを追いかけるようになった。今もまだ最新のエピソードまで追いつけていない。追いつきたいような追いつきたくないような不思議な気持ちになりながら、少しずつ見ている。まるで自分の大好きな食べ物を最後まで取っておくみたいに。

何に癒されているのか、どう助けられているのか。全員の歌や踊りが素晴らしくプロのパフォーマーとしての水準に達しているという大前提を置きつつ考えてみる。

たぶん私という人間は変なところで感受性が強くなってしまい辛い気持ちになる時がある。(繊細というよりは過敏。)自分の人生に対するなんとなくの絶望感、世界中で苦しむ人たち、それに対しての自分の無力感、見て見ぬふりをしてしまっているのかという自分に対する怒り、その怒りさえ「良い人ぶっているのではないか」と感じる、そういう色々な感情がバンタンを見ていると少しだけ和らぐ気がするのだ。

RMがコンサートで言っていた。「自分を愛するためにBTSを利用してください」と。利用という言葉の響きにどうしてもとまどいを感じるけれど、実際にはまさにそういうことなんだと思う。自分という人間に向き合って、怒り、悲しんで、それでもこんな自分でいいんだ。自分を愛するべきなんだと彼らが教えてくれているんだと思う。そのメッセージが国籍や人種、性別、年齢、信条などを問わず、絶対的に普遍的だからこれだけ多くの人たちに愛されているのだと思う。自分を愛することからしか他人への愛は生まれないという、当たり前のようで多くの人が実践できていないことを伝えてくれる存在なのだ。

RMの言葉は思慮深い。でも上辺の優しさだけじゃない。例えば「人の苦しみを見てなんとも思わないなんて異常だ」(Am I Wrongより)と言ってみたり。上辺の楽しさだけを追求するならわざわざ言わなくて良いことも言ってくれる。社会問題に目を向ける重要性を改めて教えてくれる。自分の外見に対するコンプレックスまで明かした上で、それでも自分を愛そうとして、愛せるようになってきていると言う。自分がリーダーとして優れているからではなくて、メンバーが自分を優れたリーダーにしてくれると言う。私は15年ほど会社員をしていたけれど、こんなことを心から思っているリーダーが周りに一人でもいただろうか。

RMはIQが高いことで知られているけれど、同時に感情や情緒にもとても敏感だ。ジンとテテがコンサート開演直前に言い争いになってしまった時に、まずはグループのリーダーとして公演をプロとして行うことの重要性を話して諭した。これはリーダーとして求められる、ある種分かりやすい行動だと思う。でも、その後、舞台袖でうつむくテテの元に向かい自分から目線を合わせて励まして抱きしめるRMを見て私は何度でも涙せずにはいられない。(今もこれを書きながら涙している。)

曲やグループの方向性などをしっかり言語化してくれる能力も、言葉を扱う人間として本当に素晴らしくありがたく思う。英語や日本語を話してくれることもありがたいし、後は私が韓国語を理解できるようになれば、どんなに彼が知性にあふれた話し方をしているのかもっと分かるだろうなと思う。(日本語の訳に出てくる語彙などを見てもそれは感じられるのだけど、ここは私が頑張るしかない。)そしてバンタンの歌詞の深い意味を噛み締める時、彼の思考の世界に入り込むような気持ちになる。そしてただただその重層的で成熟した思考と世界観に何度も驚いている。

こんなに知的な人だけどいろいろなものを破壊したりなくしたりすることでも知られている。そんなギャップがあるからメンバーも私たちも彼を身近に感じるのだろう。IQがあれだけ高いということはともすれば周りから変な特別扱いをされても不思議じゃないと思うのだけど、バンタンのメンバーはそんな感じでもなくごくごく自然に接している(もちろんリーダーとして尊敬はしているけれど)。だからRMにとってバンタンは本当に居心地がいい場所なんだろうと思う。

ジンは最年長であり、年齢が重視されそれによって言動が変わる韓国のグループであれば、もっと偉そうな雰囲気を漂わせても不思議はない立場だけど、むしろ自分から明るく楽しく振る舞って、グループの基調となるムードを作っている。自分がもしも7人のグループであれぐらいの年齢差があって最年長だったらこんなふうに振る舞えるだろうか?絶対に無理だ。前述のテテとの言い争いの時も彼は先に謝った。もちろん何でもかんでもとにかく謝ればいいとは思わないが、あの瞬間の彼なりのベストなアプローチだったのだと思う。

その一方で、元々は家族の中で次男の彼が、バンタンの長男として弟たちを守ると心に決めた話は有名である。テテが殺人的なスケジュールの中で音楽番組のMCもせねばならず、睡眠が取れずパフォーマンス中にふらついてしまった時、後ろからテテの体を支えていたジンの姿もまた、私は涙なしには見られない。

そしてメンバーの中でも異色の俳優志望という経歴を持つジンが、いつだって歌やダンスで挑戦を続けていること、グループを盛り上げていることに、私は静かに感動し続けている。たまたま自分の得意なことを仕事にしている私からしたら、信じられないことだ。自分は歌もダンスも上手くないと発言する。でも最大限の努力をして素晴らしいパフォーマンスをしている。だからアメリカの番組の動画を見て、ジンの声が一番きちんとマイクに入って大きくはっきり聞こえてきた時、本当に嬉しくて仕方なかったのだ。いくつかの番組を見たけれど、普段と違うバンドと一緒だったり、会場の音響の状態が違ったり、バンドの音量とボーカルの音量とのバランスが変わってくる中で、一番コンスタントにマイクにしっかり声が入っているのがジンだった。これにはほろっときた。

自分の努力は自分だけが知っていればいいと彼は言う。私はとてもそんな風には言えない。誰かに自分の努力を褒めて欲しいとまるで子供のように思っている。自分で自分の努力を褒めて愛して幸せにしてあげられるようになりたいと思う。彼が自分より歌や踊りが優れていると思っているメンバーに追いついて(もちろんそれぞれレベルは違うのだけど、プロとしての合格のパフォーマンスレベルになってという意味)、かつピアノの演奏などいろんな挑戦をして私たちを喜ばせようとしていることに本当に感謝している。「自分がこんなに評価されていいのか」と思って苦しんだジンに、彼のパフォーマンスがどれだけ素晴らしいかを伝えることができたら、彼の姿勢がどれだけ私たちにインスピレーションを与えてくれているのかを伝えることができたらいいのにと思う。

ユンギ(Suga)の沼は深いとアミ達は言う。私にもその意味が分かるようになってきた。普段決して口数は多くないが、ここぞという時にグループが目指す目標や野望を口にする役割がすっかり定着している。リードラッパーであり、作曲でも中心的な役割を果たす彼が口にする言葉は、これまでどんどん現実になってきている。日本では野望を語ることや人は敬遠される傾向があると思う。でも私は人生において必要なことだと感じるのだ。もちろん無言実行もかっこいいとは思うけど、言葉にするからこそ、その目標に近づいていくような気もするのだ。挫けそうになった時「やるって言ったじゃないか」と自分を鼓舞することができるのだ。そして決しておしゃべりではないユンギが語る言葉はより重みを持って響いてくる。これまで野望を叶えてきた人が言っているのだから、きっと次も叶うはずと思わされることは言うまでもない。

私がバンタンを知った時、100万人以上を動員したツアーを終え、Dynamiteが大ヒットしていた彼らはすでにスーパースターだった。それでもメンバーそれぞれに身近さを感じさせてくれるのだけど、ユンギには特にそう感じることが多い。「普通の人」がどう感じるかがよく見えているのが分かる。天才的なラップの能力、作曲の能力、ピアノやギターの演奏を見たら絶対に「普通の人」ではないのに。自分の魅せ方を知っていてステージやパフォーマンスはバチっと決めてくるのだけど、照れとか素の自分が出やすいというか、きっともう一人の自分が自分を見ているような感じがあるからそうなるのかな。冷めた感じとかぶっきらぼうに見える時があるけれど、それでこそ人間らしいし、逆に嘘がないと感じる。

だからこそなのだけど、彼が嬉しそうな時、甘々な面を見せた時アミは完全に陥落する。ツンデレの典型みたいな人である。(ツンデレという言葉が韓国語でも使われていると知った。興味深い。)特にテテのお願いに弱いのかな。「絶対に嫌だ」と言っていたのにあっという間にテテにほだされてしまうユンギを、メンバーやスタッフはもちろんアミみんなが微笑ましく見ている。

職人のように音楽を作るユンギ、時間があれば音楽に没頭するユンギは本当に素敵だ。職人はどの世界だって本当に素敵でかっこいいのだ。「こんなにダンスを踊る羽目になるとは」と言っていたのに、キレッキレのダンスを踊るユンギも大好きだ。DopeのMVの最後はいつも彼を見つめてしまう。私の人生にはいつも多才な人に対する憧れがあった。バンタンみんなが間違いなく多才なのだけどユンギの職人肌な雰囲気と多才さのバランスが私にはたまらない。

ホビ(J-Hope)はその名の通り、メンバーとアミの希望である。彼を思い浮かべる時、まず浮かんでくるのは笑顔だ。物事の楽しい面、良い面を見ようとしているのがよく分かる。ついネガティブなことに目が向いてしまう私にとって、ホビの目線を擬似体験できることは本当に新鮮だ。ポジティブな面を見て感謝の気持ちを忘れないようにしている人だ。そういうことを習慣にしているとそういう人生になっていくはずなのだ。彼の周りには希望があふれている。その希望はアミにも波及している。使い古された表現かもしれないけれど、太陽のような人なのだ。J-Hopeという名前によって自分という人間が作られてきたと言っていた。バンタンになる前の彼を知る由はないのだけど、人はやっぱり生まれ持ったものと環境や本人の努力によって作られていくのだと感じる。

ホビと言えば、メンバーのダンスを見つめる冷徹な真顔もまたありありと浮かんでくる。まぶしい笑顔のホビしか知らない人はとても驚くだろう。真顔のホビもまた私に「職人」という言葉を思い出させるのだ。ダンスに関しては本当に厳しくてプロ意識が高くて、根気強くメンバーを指導したり、1回の公演にパワーを使い過ぎてしまったメンバーに対して、連続複数公演でのスタミナの維持の大切さについて語ったりもする。それは決して「手を抜く」ということではなく、たった1回の公演にしか来られないファンに良いものを見せようというプロ意識から来ている。

どんな分野であれプロにとって冷徹さは必要だ。冷徹な目で自分たちのパフォーマンスを見つめて完璧を目指すことができなければ、多くの人を魅了し続けることはできない。ソンドゥク先生がバンタンの振り付けで大きな役割を果たしていることは周知の事実だけど、ホビも彼がいない時や現場で大きなサポートの役割を果たしているのがよく見える。絵文字になりそうな笑顔とどこまでも冷徹な真顔のギャップがたまらない。ダンスの実力については言うまでもないので割愛するが、代わりにタリョラなどで体を使う回には、いつもホビがメンバーのすぐ後ろにいて怪我などしないように見守っていることを付け加えておきたい。メンバーが暑くないか、寒くないか、お腹が空いていないか、いつも見ているのだ。そうそう、テテがゆっくりと静かに何かを言って、誰もそれに気づかない時にもリアクションするのがホビ。そういう優しさは見ていてグッとくる。

そしてホビの声。実は数ヶ月彼の声をどう描写していいのか分からなくて(勝手に)困っていた。そんな時見かけたアミさんの「和音のような声」の描写!そう。私が思っていたのはまさにそれ!言語化できていなかったのだけど。バンタンが語られる時ホビの声というのは必ずしも大きく取り上げられて来てはいないと思うのだけど、これ以上ないぐらいクセになる声なのだ。Make it Rightのソロパートやソロ曲で堪能してみて欲しい。

世界で一番美しい顔とかハンサムな顔とか紹介されがちなテテ(V)。端正な顔立ちをしているし、これでもかというぐらい魅せてくれることは間違いないと思うけど、そこだけじゃないんだよね、ポイントは。(アミに見せてくれる世界の中での話という但し書きはありつつなんだけど)知れば知るほどこんな人が世の中に存在するのかと思ってしまう。どこから説明すればいいのか分からないけどトライしてみる。いつまでもなくならない無垢な部分を持っている。とにかく素直というか。「邪悪」さがないというか。変な自意識がないというか。例えば困っている人を見かけたときに「声をかけようかな。でも嫌がられるかな。変な人と思われるかな。」とか思う、そういう変な自意識がない。すーっと声をかけ、すーっと助ける、そういう人なのだ。変な自意識がない分、本人が感じていることが、分かりやすく見えてしまって誤解を受けたりすることもあったんだろうなと思う。

あと彼は人を許すことを知っている。というか自分が誰かをジャッジする存在ではないってことを本能的に知っているといったらいいのか。だから正しく言うと彼にとってはたぶん許すも何もないのだ。そして自由でお茶目な面を持っている。たぶんそれは色々なルールにがんじがらめにされていわゆる「大人」になってしまった私のような人が「自由」と呼ぶだけで、彼にとっては当たり前のことだったのだろうと思う。それが分かりやすい表現として「天然」とか「五歳児」とか言われてしまうけれど、そんなふうにくくるのも何か違う気がする。いつも誰に対しても、何に対してもまっさらでいられるテテ。いつまでも、いつまでもそんな彼でいて欲しい。

メンバー達が彼に最初の頃ずいぶん手を焼いたという趣旨のことを言っていた。彼らと8年の時を家族のように一緒に過ごしてきたテテは素敵な青年になったと思う。(アミ歴が短い私が言うのもおこがましいし、何様という感じだけど)テテという人の個性を押しつぶすことなく、辛抱強く説明し支えてきたメンバー達には本当に頭が下がる。元々持っていた素敵な個性に加え「グループのために」という視点を得た彼は最強だ。

テテのボーカルについて詳しく語られることが多いという印象は必ずしもないのだけど、実は3オクターブの音域を持っていて、曲によって野太い声からファルセットまで使い分ける。最初の頃は「この声もテテ?」と本当に驚いたものだ。ダンスも初期は3人のダンスラインよりも印象が薄かったと思うのだけど、本人の努力でダンスラインとしても認められるようになった。カムバックの時など同じ曲を様々な番組で歌う時も毎回違うバリエーションを見せてくれるのがテテだ。ダンスにアドリブを入れるセンスがピカイチだと思う。表情から仕草、指の先の動きまで自然なようで本当によく研究している。エンターテイナーとしてファンを飽きさせない人なのだ。

ポップな曲だけでなくジャズやネオソウルなど様々な表情の曲を自分のものにできる表現力も素晴らしい。年齢とともに深みのある曲、様々なジャンルの曲で私たちを魅了してくれる可能性を感じる。それを可能にしているのが彼の多様な曲への興味なのだ。20代半ばの青年がElvisやSammy Davis Jr.を好んでいるとは本当に意外だった。英語でよくYou are what you eat. と言うけれど、V is what he listens to.という感じがする。ポヤポヤしていると描写されるテテとステージに立った時のVとの違いもたまらない。

ジミンはかわいらしい。少なくとも初めて彼を見た人が抱く印象はそうなりがちなのではないか。かわいらしさは言うまでもないけど、実はとても負けず嫌いなのだ。最初の頃はそれがもっと分かりやすく出ていたと本人が言っていたそうだ。とても好感が持てる。負けず嫌いじゃなくて頂点に到達する人なんてほとんどいないと思うから。実際にとても努力をしてきた人だ。現代舞踊科を主席で卒業したバックグラウンドを持つけれど、だからと言って簡単にデビューしたわけではなく練習の虫だったことは有名な話。ソフトな語り口でかわいらしいジミンだけど実は負けず嫌いって最高じゃないか。メンバーは切磋琢磨するライバルでもあり、でも一緒じゃないとどうしていいか分からなくなる、そんな存在みたいだ。メンバーが泣いてしまったときや苦しい時、飛んできて様子を見たり慰めたりするジミン。どれほどメンバーのことを大切に思っているかよく分かる。

しなやかな体の動きやキレのある跳躍は、さすがジミンという感じでただただ視線を奪われる。うっとりと見つめてしまう。そして目が離せない。最初の頃は現代舞踊とバンタンのダンスの違いに戸惑ったそうだけど、その身体能力と凄まじい努力で完全にものにしている。ボーカルに関してもジミンの高音はとてもユニークでバンタンというグループ全体のボーカルに独自性を与えている。かわいらしさやしなやかさではなく、力強さや激しさを表現する時にも対比が際立ってとても魅力的だ。ジミンをかわいらしいだけの人だと思っているとSerendipityやFilterで大火傷するだろう。

そして黄金マンネのジョングク。音楽やダンスなど彼らの音楽活動で核となることだけではなく、タリョラでの活躍を見ると彼こそより広い意味で多才である。とにかく何をやらせてもうまいし、涼しい顔でこなしていることも多い。だからともすると苦労なくここまできたと思われてしまうこともあるんじゃないかと思う。15歳から親元を離れバンタンでは一番年下でありながら、メインボーカルの役割を得た彼がどれだけのプレッシャーを感じ、どれだけの努力を重ねて来たかアミ達はよく知っている。素晴らしい素質があったことは言うまでもないけれど、寝食を忘れて歌の練習をしてきて今の彼があるのだ。

グクは本当に歌がうまい。こういう言い方をするとあまりにもありきたりに響いてしまうけれど。音程が本当に安定していて様々な音域をきちんと歌いこなす。だからと言って陥りがちな「ただ歌がうまい人」にもなっていないのだ。そのことに気づいていたつもりではあったけれど、最近Still With Youという彼のソロ曲を遅まきながら発見して改めて感嘆してしまった。歌詞の意味を見て気持ちが高まったこともあるけれど、アミに会えない切なさがひしひしと伝わって涙なしには聴けなかった。ただ耳に心地の良い歌手ではなく感情を歌に乗せることができる「歌い手」なのだ。そして彼の英語の発音を聴いていると本当に耳の良い人なのだなぁと感じる。

ヒョン達を慕いながら少年から大人になったグク。まっすぐに育ったよねと多くのアミが思っていると思う。(これも一体私誰って感じだけど)ある時バンタンの旅番組を見ていたら、みんながお店に行って買い物をしている時、グクは一人で黙々と車をきれいにしていた。特にそれを誰かにアピールすることもなく。労を厭わずすぐに体を動かすことができる人なのだ。本当に素敵だ。とてもシャイな少年だった彼がパフォーマンスの時は豹変する。そんなところも興味深い。水を得た魚っていうのはこういうことを言うのかな。

グクに限らずパフォーマンスをしている時とそうでない時のギャップが激しいもの彼らの魅力。知れば知るほどもっと知りたくなる。そして同時に人間って本当に多面的なんだなぁとつくづく思う。アミになって1年も経っていないのに、すごくよく知っている友達のような、もっというと家族のような気持ちになっている。彼ら一人ひとりの魅力を知った時、そしてこの7人がバンタンになった奇跡をそのパフォーマンスで、そしてタリョラやVライブで目にする時、彼らを愛さずにはいられない。

ある時からバンタンを一言で表現するとしたらなんだろうという誰にも問いかけられていない質問を自分に投げかけていた。少し前まではsincerity(誠実さ)という言葉かなとぼんやり思っていたのだけど、ある時integrityこそ彼らを表す言葉だという記事を見かけて、まさにその通りだと思った。通訳をしていてもよく出てくる単語で、たくさん意味があるから訳しにくい言葉。でもぴったり。誠実とか正直とか高潔とか、完全なとかそんな意味がある単語だ。決して彼らが完璧な存在だと言いたいのではない。だけど私にとっては性善説ってあるのかも知れないと思わせてくれた存在なのだ。この違い分かってもらえるだろうか。

彼らを知って1ヶ月少しした頃、私は親友にこうLineした。「私昨日こう思ったの。私BTSよりずっと年上だから彼らが死んじゃうことを知らずに死ねる」(読んで不快に思う方がいたら本当にごめんなさい。)この時私はすでに彼らへの愛がどんなに深く長く続くものになるのか気づいていたのだと思う。家族でもない人にこんな感情を抱く日が来るとは思ってもみなかった。

彼らが嬉しければ私も嬉しいし、彼らが悲しければ私も悲しい。もちろん彼らだけが私の人生の全てというわけじゃないけれど、とてつもなく大きな存在になっていることは間違いない。彼らが私という一人の人間の存在を知ることがないと分かっていても、私は彼らを支えて共に歩いていきたい。そして彼らが私にくれる幸せ以上にもっともっと大きな幸せを見つける人生を送って欲しいと心から思う。

私は昨日Butterというバンタンからのラブレターをもらった。ARMYへの愛を高らかに宣言し一緒に世界の高みに行こうというラブレターを。

いつか豆粒のようなあなた達であっても直接その姿を見てその声を聞ける日が来るまで、いつまでも、いつまでも一緒に歩いていきますね。

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